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[レビュー]虚ノ少女の感想
2017-07-27 Thu 00:00
<作品名>     虚ノ少女
<製作会社名>   Innocent Grey


虚ノ少女
公式ホームページ
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シナリオ : 【 S+ 】
前作「殻ノ少女」の続編にあたる作品で前作から2年の年月を経て発生した事件から物語は始まる。

この作品には過去に発生した「六識事件」とは別に、富山のとある集落で発生した戦前からの事件も登場しており、それらの事件が複雑に絡み合うことで一つの物語となっている。
そのため作品では過去編がシーンとして多く登場しており、主人公以外の他者視点(主に主人公となるのは雛神理人)が多くなっている。

登場人物も飛躍的に増えており、過去と現在を合わせるとある程度のシナリオをクリアした後でも人兼関係を把握するのにも一苦労する。
前作同様、作品ではADVパートと推理パート、捜査パートがあり、その過程で手帳に書き込まれる人物・証拠等の情報も上書きされていくため、適宜確認して進むとよいだろう。

事件自体はある程度進めることで「真相」はおおよそ推理・把握することが可能であり、そこまで複雑なトリック等が出てくるわけではない。
この作品を読み込める推理作品として押し上げているのは、登場人物の心。
主人公はそれを「偏執(パラノイア)」と表しており、時に暴き、時に解決することで事件に対して向き合っていく。
前作以上に作りこまれた物語の中で人々の心は複雑な色模様を見せ、そして前作を経て「朽木冬子」というパラノイアに取りつかれた主人公もまた、様々な事件を通して心を変えてゆく。
続編としての質は十二分に高く見どころも非常に多い作品となっている。

[ 主人公 ]
前作同様に新宿で探偵業を営んでおり、前作の事件から2年間は冬子の行方を探る日々を過ごしていた。

【推奨攻略順 : - 】
ある程度のロックは存在しており、そこに従って進めばよい。


CG : 【 S 】
前作から最もレベルが上がった所の一つ。
繊細な線で描かれた絵に色のはっきりとした丁寧な塗りはそれだけで商品となるレベル。
キャラ個別√が存在しない代わりに枚数もかなり多く用意されている。
無論、流血・グロシーンのCGも多く存在しているので注意。


音楽 : 【 S+ 】
BGM52曲、Vo曲3曲(OP2/ED1)という構成。
BGMにはおそらく「殻ノ少女」殻のものも存在(少なくとも同じメロディラインのもの)している。シリーズのイメージを壊さない静かで妖しい印象を受けるものが多く、特に和テイストにまとめられている印象を受けることも多い。
Vo曲もBGM同様なのだが、やはり力を入れているのはED曲。
TRUEENDで流れる「ソレノイド」は「瑠璃の鳥」に比べるとどうしても威力が劣るがそれでも名曲であることは否めない。


お勧め度 : 【 S+ 】
前作「殻ノ少女」からのシリーズ、3部作のうちの2作目。
推理作品だが、メインは相変わらず心理描写の繊細さにある。
前作をプレイしていなくてもシナリオ自体は理解できるが、「殻ノ少女」をプレイして行うことが作品を楽しむための最低条件であることは間違いない。
まだ完結していない(当方プレイ時:2017年春)ので、完結してからすべてをプレイしたい人は注意。


総合評価 : 【 S+ 】
絵の表現力もかなり向上しており、シリーズ物であることを鑑みても名作のうちの一つであることは言うまでもなく、この評価。


(ぶっちゃけコーナー)
ネタバレしないで、というと何を語れば…ってなるんだけど。
タイトル画面に出ていた「雪子」について少し語りたい。
今作のメインヒロインなのかなぁ~と勝手に思ってたんだけど、時坂さんには冬子がおるからね(杏子もおるけど)、そういう立ち位置ではなかった。
どっちかというと事件の中心…というか、この子と砂月についてがこの作品で起きた事件の「本質」…というかメインといえるよな。
ただ、それだけにとらわれず、登場した一人ひとりがどんな行動をしてどういう思いで行動していたのかを考えながらプレイすると、心へ去来する想いってのも変わってきそう。
基本的に2週するような作りになってるのはそういう意味でえらい。
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[レビュー]殻ノ少女の感想
2017-07-20 Thu 00:00
<作品名>     殻ノ少女
<製作会社名>   Innocent Grey


殻ノ少女
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シナリオ : 【 S+ 】
終戦後の東京が舞台の本作品、「カルタグラ ツキ狂イノ病」の続編にあたる。
ある春の日に井之頭公園で出会った朽木冬子という女学生から「私の正体を探ってほしい」という依頼を受けるところから物語は始まり、作中では2度の大きな猟奇殺人事件に立ち向かうことになる。

エンディングとしては5種類。
BAD√ENDも含めるとさらに数は増え1つの事件に対しての分量も非常に多い。
しかしながら共通部分が多くあるため2週目以降からはかなりの速度で攻略が可能となっており、全体的なシナリオ量としては一般作品と同程度と見積もってもよいだろう。

作品はシナリオパートの中に時折MAP選択や操作パート、推理パートなどの選択シーンが登場し、作品の中での展開等を大きくつかさどる重要な部分となっている。
自分が推理しなくてはならないため作品への没入感は高まるのだが、どうしても展開のテンポは悪くなるため諸刃の剣ともいえるだろう。システム面が整備されていないため今作では後者の効果がより色濃く出た印象がある。

シナリオとしてはまさしく推理小説というべき物。
どうしても行動の理由としても甘い部分があったり、展開の強引さがみられる部分はあったものの、発生した悲惨な猟奇殺人を解決していくことで明らかになる入り組んだ人間関係やそれぞれの思惑、そして描かれる心理描写はほかの作品では得難いものだと言える。
その中でも特にメインヒロイン枠である「朽木冬子」の心情を考えると、彼女とのシーン、とくに言葉のやり取りや細かい描写については思わず涙してしまう人もいるだろう。

どのエンディングに関しても2つの事件のおおすじに関しては変わる事無く、関係人物の顛末(生死を含む)が変化するものとなっている。
その中でのシナリオなのでどうしても変化に乏しいように思えるのだが、周回をこなしエンディングを経るごとで分かっていく登場人物の心や行動の理由等には感じられる人にとっては深い意味を持つ。
とあるエンディングのみ最後のEDにて「瑠璃の鳥」が流れるのだが、その時自然と流れる涙はどういった経緯のものなのか自身でも説明しがたいものがある。


[ 主人公 ]時坂 玲人
新宿で探偵業を営む今作の主人公。
本作の六年前に起きた「六識事件」で恋人を失っている。
作中では成り行きで女学校にて歴史学の教師として教鞭を振るうことも。

CG : 【 S 】
2008年ということで少し昔の作品になるが、線が細く濃い塗りで描かれたイベントCGは繊細でいつまでも輝きを失わない。
バランスの危うさや、古さは感じるもののハッとする美しさを感じることも多い。
また作中には大量のグロCGも存在するので注意。

音楽 : 【 S++ 】
BGM26曲、Vo曲1曲(テーマ曲)という構成。
BGMとしては作風もあってか暗い曲や落ち着いた曲が目に付くが、一曲一曲の旋律がとても強く印象に残る。
そして何よりもEDとして使われている「瑠璃の鳥」の威力。
イントロのサックスは今なお褪せず、鮮烈な印象を与える霜月はるかさんの名曲。根強い人気のあるこの曲の評価は最高ランク。

お勧め度 : 【 S 】
推理・サスペンス物が好きな方にはお勧めしやすい過去の名作。
グロシーン等があるので苦手な方は注意。
また余裕があるのならこのシリーズはきちんとしたプレイ順があるので注意しておきたい。

総合評価 : 【 S 】
Innocent Grey発の名作であり、数少ない推理物作品の一つ。
特に心理描写に重きを置いている作品でもあるので、その質も考慮してこの評価。

(ぶっちゃけコーナー)
殻ノ少女シリーズという、「殻ノ少女」→「虚ノ少女」→「第三作目」の1作目にあたる作品であり、上記で説明した「カルタグラ」の舞台から4年後の作品。
作中にはカルタグラ関連の人物も数多く登場しており、しっかりとプレイしておきたいのならばそこからプレイするとよいだろう。
基本的には推理小説のような作品なのだが、各キャラクターの心理描写に非常に重きを置いているため男性だけではなく女性にも人気が高いだろうと思われる作品(というより、お勧めしたい)
完成度という意味でも高く、グロ耐性があるのならばぜひプレイしてほしい。
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[レビュー]神頼みしすぎて俺の未来がヤバい。の感想
2017-07-13 Thu 00:00
<作品名>     神頼みしすぎて俺の未来がヤバい。
<製作会社名>   Hulotte


神頼みしすぎて俺の未来がヤバい。
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キャラクター・シナリオ : 【 S 】
縁結びの神である「麗」との出会いをきっかけに運命の人がいるという学園に入学し、3人の運命の相手が集う「聖域」である屋上を何とかしようと主人公が決意する…というのが今回の作品の導入部分。

メインヒロインこそ3人のようには見えるがサブヒロインを含めると6人になるため、攻略ヒロインのキャラクターが非常に豊富。
各個別シナリオ自体が割と短いことや、それぞれのキャラクターも非常に個性豊かな事も手伝って一人一人の攻略自体には飽きが来ないはず。

しかしながら、やはり萌えorキャラゲーメインの宿命とも言えるシナリオ自体の薄さと言うのはどうしても感じてしまい、造りこんではいるのだが後一歩踏み込めない・・・という展開が多かった気がする。
キャラ数が多いだけにいい雰囲気をもった√もあったので、その辺りは残念でもありセールスポイント的には仕方がない部分でもある。

個人的には友人である「泰然」の存在も重要だったのではないかと思う。
どうしても攻略ヒロインが多く、逆にそれ以外のキャラクターがほとんど出てこないため「ヒロインだけ」の世界観になってしまうこの作品で、彼(+真央)だけが外の世界との繋がりになっていたんじゃないのかな、と思うシーンも多々あり、また恋愛面においても麗とは別の男の視点によるアドバイス等のサポートしてくれる等、この作品には欠かせないキャラクターと言えるだろう。


共通√ 【 S 】  2-3h
1週目は主人公の置かれた現状を説明され、七海、鈴奈、由香里、という3人の運命の相手とのシーンを中心に構成。
意外とボリュームのある部分ではあるのだがテキスト自体は読みやすく、若干すべり気味ではあるがギャグも多いためサクサクと読み進めることが出来る。
2週目以降は麗、真央、花夜の攻略が可能になるため各所に新たな選択肢が出現する。


kami (1)
南雲 七海√ 【 S 】  2-3h
現在の首相の娘であり、クラスメイト。
その立場ゆえか周りに壁を作ってしまいがちだが、実際は乙女思考な女の子。
主人公との初期縁カウントは8億超という破格の数値。
個別√ではベタな恋愛観を持つ彼女との甘い生活をメインに描いており、後半においては首相の娘という点や「聖域」自体についてをテーマとして描いている。
最もメインとも言えるシナリオであり、オーソドックスな展開をするルートでもある。


kami (6)
赤城 鈴奈√ 【 S 】  2-3h
3年に在籍する国民的大人気アイドル。
実際は心優しく、気配りが出来、頑張り屋、料理も上手とかなりのハイスペックを誇ってはいるが、少々依存度が高いところもある。
主人公との初期縁カウントは全キャラで最も少ない15。
個別√ではやはり彼女の「アイドル」という立場についてをテーマとした展開となる。
彼女の性格についての問題も交えての展開はある意味でベタだが、意外と抑揚もあり安定しつつも頑張って展開していた印象を受けた。


kami (2)
周防 由香里√ 【 S 】  2-3h
過去には名探偵とよばれるほどの推理力をもつ女の子で、麗と同じクラスの1年生。
その推理力で人の心を見透かすクセがあり、面白い事を好む猫のような性格。
主人公との初期縁カウントは6万台。
個別√に関しては、言い方は悪いが「萌えゲーでのこういうキャラの話はこうなるよな・・・」という、想像どおりシナリオ運び。
過去の探偵設定にもあまり触れたりはしなかったので、キャラにあわせてもう少し自由度の高い展開にしてほしいと言うのが個人的な要求。


kami (3)
麗√ 【 S+ 】  2-3h
自称縁結びの神様で、皆の記憶を操作して妹として学園に滞在している。
適当だけど、要所要所ではしっかりとサポートをしてくれる。
クラスメートである事や性格的に似ているところがあるためか、由香里と非常に気が合い親友になっている。主人公との初期縁カウントは無限大。
個別√では縁カウントが有限値に変化する事で、お互いに恋愛対象として意識する甘酸っぱい展開から描かれており、麗自身の事について一部明かされる。
後半に掛けては「神」という立場から生ずる問題をメインとした展開を行い、テンポは速いものの泣きゲーもかくやというシーンがある。
全体的に問題を解決するため、グランドEDっぽい√となっている。


kami (5)
神林 真央√ 【 S 】  1-2h
主人公の従兄弟であり過去に結婚をする約束をしていたが、主人公自体がその約束を忘れ、さらに運命の相手となる3人に入っていなかったため、最初は意識されない女の子。
普通オブ普通の家庭的でやさしい女の子。
個別√では過去の話にも触れており、恋愛ゲームとしてはかなりオーソドックスな展開。
しかしながら、昔からの想いという部分とED「キミのイロ」の相性が良く、泣かされそうになるところもいくつか存在している。


kami (4)
坂白 花夜√ 【 S 】 攻略時間 : 1-2h
古くから南雲家の警護を勤めてきた家系であり、現在も七海のSPを勤める3年生。
七海とは幼いころからの付き合いで姉妹のような関係であり、時折は彼女の恋愛観等をいじる事もある。
個別√では、SPという立場についてをメインとして描かれており、主人公の事を意識してからは基本的に問題がなく終わってしまうサブヒロイン系の√。


[ 主人公 ] 神林 始
普通の青年だったのだが、あまりにモテなさ過ぎて思わず神頼みをしすぎてしまった結果、運命(縁)がメチャクチャになった人。
突然やってきた麗に「このままでは一生DTのまま」と脅され猛勉強をする事で、運命の相手がいる学校へやってくることが出来た。
相手をじっと見る事で運命の相手との心の距離(縁カウント)を見る能力を授けられた。
良識派ではあるが、意外と行動力があり、縁カウントを0にするため驚くような事をすることもある。


【推奨攻略順 : 由香里→鈴奈→真央→花夜→七海→麗 】
誰か一人攻略後に真央、花夜、麗の攻略が可能になる。
基本的には好きな順番で良いが麗は最後の方がよさそう。


CG : 【 S 】
繊細で美麗な立ち絵およびイベントCGであり、全体的な質は非常に高い。
枚数に関してもヒロイン6人分(キャラによって差はあるが)が用意されており、十二分と言えるだろう。


音楽 : 【 S+ 】
BGM23曲、Vo曲2曲(OP/ED)という構成。
BGMではヒロイン4人分のテーマ曲があったりと割とオーソドックスだったのだが、最も破壊力が高かったのがED曲の「キミのオト」。
OPと同様にDucaさんの楽曲なのだが、素晴らしいイントロは非常に印象的でテキストとマッチする。作中で流れるinstVerとあわせて涙腺を刺激されることも。


お勧め度 : 【 S 】
攻略キャラの多い萌えゲー作品。
全体的に質が高く、しっかりと造りこんでいるのでシナリオ自体も楽しめるのだが、そこからの一押しがなく玄人にとっては少々退屈な作品になることも。


総合評価 : 【 S 】
全体的には良くできているが、萌えゲーとしてこの評価


(ぶっちゃけコーナー)
全ルートを通してみた時に決してつまらないわけではないが、どうしても他の萌えゲー作品にまぎれてしまう印象のする作品。
何かが足りない・・・と言うのは簡単なのだが、やっぱり他の作品とは違う強みみたいなものがほしいのは確か。
それはもちろんシナリオであれば最良だが、絵でも設定でもシステムでも、とにかく「この作品」として後々まで覚えていられるような何かがほしかった。
萌えゲーにそれを求めだすと変な感じもしなくはないけど、この作品に手を出す理由みたいなのがないと今後プレイするときにやらなくなってしまう率が高くなりそう。
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