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[レビュー]Missing-X-Link ~天のゆりかご、伽の花~の感想
2020-01-25 Sat 00:00
<作品名>     Missing-X-Link ~天のゆりかご、伽の花~
<製作会社名>   


Missing-X-Link ~天のゆりかご、伽の花~
公式ホームページ
↑クリックすると公式HPに飛びます。

キャラクター・シナリオ : 【 S++ 】
とある事件によって大好きだった姉を亡くした主人公―珠木 正伍。
死にながら生きているような彼の前にある日現れたのは自意識を持つ女性型ロボット『第三世代オートマタ 姫風露』。
「あなたを愛します。無条件に、そして無制限に」そんな言葉で優しく包む彼女との口づけにより止まっていた主人公の時間が動き出すのだった。

近未来を舞台としたSF作品。
作品として特徴的なのはセンターヒロインである姫風露の存在であり、彼女に纏わるいくつかの設定―心と心を通じ合わせることができる架橋<クロスリンク>―等も展開に深く関わってくる。
そうしたこの作品の中での造語はTIPSとしてまとめられている他、作中でも比較的丁寧に説明されているのでじっくり読めば、そうした知識に疎い人でも混乱することは少ないだろう。
そうしたいくつものキーワードがこの世界を非常によく作りこむ材料となっており、次から次へと発生するイベントに相対しているうちに、いつの間にか世界観に引き込まれるような内容となっている。

もう一つこの作品に多く登場する物として、主人公の得意とするチェスがある。
特定の√やシーンにおいて重要な意味を持ち、ルールなどを知っているとある程度楽しく鑑賞できるようになっているものの、ここに関しては読み流してしまっても作品自体を楽しむのに支障が出ないような描写になっている。

シナリオとして階段分岐になっている今作、特に序盤の物語では新たに出会うヒロイン達とのやり取りによって様々な刺激を受けた主人公が成長していく様子を描いており、その背景にあるアガペのような愛を主人公に注ぎ、全てを包み込むような姫風露の優しさが際立つような作りになっている。

反面、後半からは主人公の独り立ちのようなシーンも多くなっており、その中で描かれているオートマタである姫風露のもつ主人公への複雑な感情の変化、その感情描写こそがこの作品の重要なテーマのうちの一つと言えるだろう。

そして終盤、それぞれのキャラクターの想いやが交差中に、自身の存在意義や人と人とが分かり合う難しさであったり、人を愛する意味の片鱗が感じられる。
総じてその中で自身が感じた想いを大切にし、そうして自分自身で未来を選び取る事の大切さを説く内容となっている。


共通√【 S 】  4h
主人公と姫風露の出会い、そしてその2年後に発生する一連の事件が描かれている。
基本的に階段分岐となっているシナリオであるため、各ヒロインをテーマにした事件が順に起きる形となっている。
起きる事件に対して行動していくことになるので、どうしても全体的に暗めの話が多くなっているものの、SFならではの息もつかせぬドラマチックな展開は見る者をドンドンこの世界観へと引き込んでくれている。
難しい話等も少しはあるものの、その勢いが衰えることなく終盤までつながっているので、内容以上に短く感じるほど集中できる作品となっている。


Fluorite Missing-X-Link 天のゆりかご、伽の花 公式サイト CHARACTER (2)
弦馬 晶√【 S 】  2.5h
趣味で正義の味方をやっている謎の教育実習生。
美人ではあるものの、ワイルドで男勝りな性格や言動をしており、基本的には自身の正義感に従って行き当たりばったりに生きている。
学園で起きた"とある問題"に対しても、主人公を仲間に引き入れて解決しようと行動する。

個別ルートは彼女の性格が良く反映された『取り戻すためではなく、新しい未来へ一歩踏み出すための物語』で、その内容は狭かった主人公の世界を広げてくれるような印象を受け、彼女自身と共にまだ見ぬ新しい世界へ挑戦し続ける明るい未来を感じさせてくれた。
キザでかっこいい言い回しが多い反面、恋愛シーンでのコミカルな反応にはギャップ的な可愛さが多く見られるのも利点。


Fluorite Missing-X-Link 天のゆりかご、伽の花 公式サイト CHARACTER (3)
久遠寺 ひな√【 S 】  2h
『コッペリア症候群』を患い、大学病院で治療を受けている少女。
良くお見舞いに来てくれる晶の事が大好きで、いつかは自分も晶のように外の世界を見て回りたいと夢を見ている。ある出来事を期に主人公とも知り合いになっている。

そんな個別√では晶√における事件後、姿を消した晶の代わりにひなの見舞いに行くことから物語が始まってゆく。
最初こそ拒絶されたものの、徐々に心を開き『おにいちゃん』と主人公に対して真っ直ぐに好意を向けてくる姿は天使の可愛さといっていいほど。
だからこそ、彼女の抱える運命は過酷すぎる物でした。
暴走する看護オートマタ、その背後で手を引く黒幕とは…失った主人公、そんな彼が姫風露のおかげで立ち上がり、そしてその思いをひなへと受け継ぐ。
ひなの一人だけの『物語』が、二人の『物語』へと昇華するシナリオとなっていました。


Fluorite Missing-X-Link 天のゆりかご、伽の花 公式サイト CHARACTER (4)
散桜花√【 S 】  0.5h
姫風露の姉妹機であり、戦闘用のオートマタ。
その出自の為か感情の起伏は乏しい。

完全なBAD√。
内容はネタバレに抵触するためあまり語ることはできない。
お互いがお互いの傷をなめ合い、その結果皿に深みへとはまっていくような、まったく救いの無い話となっているが、それだけに戦闘型オートマタであり感情の分かりにくい散桜花の気持ちが浮き彫りとなる話となっていました。


Fluorite Missing-X-Link 天のゆりかご、伽の花 公式サイト CHARACTER (1)
水城 遊離√【 S 】  2h
主人公の姉に瓜二つのエディテッドの少女。
とても負けず嫌いな性格で、同時に『ウソツキ』でもある。
そんな彼女は主人公を小悪魔のように翻弄させては楽しんでいるものの、逆に純粋な気持ちを向けられて手痛い反撃を受けることも多い。

主人公にとって劇薬のような存在であった遊離。
そんな彼女との個別√は燃え盛る炎の様に苛烈、それでいて辛い恋のシナリオ。
特にエディテットというアイデンティティを絡めた彼女の『恋』がメインテーマとなっており、遊離視点のシナリオ展開で進むシーンも多いため特に他の√に比べて、彼女の内面がわかりやすく描かれているのが特徴と言える。


Fluorite Missing-X-Link 天のゆりかご、伽の花 公式サイト CHARACTER
姫風露√【 S+ 】  2.5h
非量産型の第三世代にあたる試作オートマタ。
最新型である彼女特有の機能として架橋<クロスリンク>と言うものがあり、主人と自身の能力を飛躍的に上昇させる効果があるほか、心と心を通わせる効果もある。
無条件に無制限に、あなたを愛する…そんな大いなるアガペのような愛情で、傷ついた主人公の心を癒してくれていた。

個別√では一連の事件の後、心を通わせることとなった姫風露と主人公が描かれている。
今まで主人公に向けていたアガペのようなオートマタとしての愛情とは違う、歪で一方的な人間としての愛情、その感情に戸惑いながらも距離を近づけてゆく二人の姿を人と機械の垣根を超えた愛というテーマで描いたシナリオとなっている。
特にリミットが外れてからの姫風露はいままでより一層の包容力を見せてくれており、その可愛さと癒しは天元突破している。


ENDING(Final Chapter)【 S+ 】  2.5h
姫風露√のエピローグ部分から始まる物語となっている。
全ての物語の真相が明らかになると共に、キーパーソンとなる『優灯』の存在、それらが絡んだとある一つの事実で事態は急変してゆく。

優灯√は作中に出ていた言葉を借りるとするのならばメリーバッドエンド。
交差する散桜花、姫風露や遊里…そして主人公と優灯の想い、その果てに描かれた物語。
本当の幸せとは誰の為にあるものなのか…深く考えさせられる内容となっている。

一方TRUE√ではそれぞれが抱える想いによって、それぞれの物語が交差する。
愛の為、何よりも自分自身の物語を取り戻すための戦いのシナリオ。
ラストシーンに相応しい展開と胸を張ってこたえられる中身になっており、特に後半に関しては秀逸なシーンの連続。
父親と語り合うシーンやラストシーンでの演出など言葉に尽くせないほどの名シーンが詰まっており、思わず涙するシーンも何度かあり、作品評価を大きく後押しした。


[ 主人公 ]珠木 正伍
心優しく人当たりの良い青年だが、とある事件によって幼い頃に母親代わりでもあった姉を無くしており、以後は心を閉ざし人を信用しない生活を続けていた。
しかし姫風露と出会いその優しさに触れるうちに、遊離をはじめ少しずつ人と関わるようになってきている。


【推奨攻略順 : 晶→ひな→散桜花→遊里→姫風露→Final Chapter(優灯→姫風露) 】
階段分岐シナリオであるため、基本的には上記の順番での攻略が望ましい。


CG : 【 S 】
淡い塗りの絵。
枚数や質に関しては平均以上と言えるが、それ以上に特に各シーンに導入された映像技術は非常に頑張りを感じるところ。
反面、PCによっては処理落ちしやすかったりエラーが出てしまいがちなのも難点。
またE-moteも導入されており、立ち絵には目パチ口パク機能付きで、またHシーンの多くも動く仕様になっている。


音楽 : 【 S 】
BGM25曲Vo曲3曲(OP/ED/挿入歌)と言う構成。
ボリューム多めのBGMは電脳世界に適したものなど、作品に合わせて多く用意されている一方で、戦闘関係の物も多く、緊迫したシーンが多い作品ならではといえる。
OPの『Missing-X-Link』も非常に良いのだが、霜月はるかさん歌うED『虹のはじまり』は語りかけるような優しさを感じられる良曲で、シナリオと併せて涙腺を刺激した曲として挙げておく。


お勧め度 : 【 S++ 】
2050年代が舞台、ヒロインにオートマタがいたりとSFな世界観が持ち味。
姫風露に癒されたい人にはもちろん読んでほしい作品なのですが、シナリオとしては特に架橋<クロスリンク>の作中に登場する独自の設定をうまく活かしており、予想以上に息をつかせぬ展開の連続で、サスペンス系が好きな人にもお勧めしやすい。
その他作中にはチェスの描写も多く登場しており、そうしたシーンが好きな方、あまりサクッと読み流せる内容ではないので、じっくりと物語を読んでいきたい人、じっくりと物語に漬かってしまいたい人にお勧めの作品です。


総合評価 : 【 S+ 】
シナリオに関しては特に終盤の流れが秀逸で、その他の音楽や映像演出等々、平均を十二分に超えた作品であり


(ぶっちゃけコーナー)
姫風露がすごくキャラが経っていた。
自我を持つAIみたいな設定は他の作品にも多くあるけれど、彼女は全てを受け入れてくれるようなどこかAIらしい部分がある一方で、その優しさは何処までも人間らしいものに感じられて、だからこそ主人公が姫風露の自身に対する愛情が本当に自分自身への物なのか、出会いが違えば違う人間を愛していたのではないか、と言う想いに葛藤するシーンなどが入っていたのも個人的には好みのシーンだった。

テーマ的な部分に関してはシナリオ部分で結構語ったので割愛、とりあえず階段分岐と言うこともあってテーマ自体がTRUEに向けてブレていなかったので、シナリオとして非常にシンプルだったように思える。
もちろん、話の内容自体は結構複雑なものも多いが、根本の部分は…ということで、作品的にも読んだ後にすっきりした気分が残るのは、展開自体以外にこうした部分のウェイトも重いのではないのかと思った。

作品の動作としては比較的重め、背景に動くものを多く使用している映像演出などは世界観を上手く演出している反面、エラー発生原因の一端を担っていたのも確かなのかな。
チェスシーンなんかは結構凝っている所もあって、個人的にはすごく評価したいのだけれど、大切なシーンで落ちたら萎える人もいそう。(この辺りは運しだいだけど)

最後だし繰り返しになるけど、やっぱりTRUE√は泣けたしよかった。
この作品に関しては、いろいろ語るよりそれに尽きるのかも。
そのために今までの話があったんだ…って感じがちゃんとする、もちろん話のつながりとしてはそこまで個別√とかと関わっていないのだけれど。
そういう部分だけではなく、深い部分でそこを記述するための物語というか…この辺はやっぱり説明が難しいので、プレイして確認してほしい所ですね。
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