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[レビュー]FLOWERS -Le volume sur hiver-の感想
2018-08-30 Thu 00:00
<作品名>     FLOWERS -Le volume sur hiver-
<製作会社名>   Innocent Grey


FLOWERS 冬篇
公式ホームページ
↑クリックすると公式HPに飛びます。

キャラクター・シナリオ : 【 S+ 】  8h
4部作のシリーズ最終作品。
前作において譲葉からのヒントを貰い新たな鍵を得て、マユリへ繋がる道を模索する新ニカイアの長・蘇芳が描かれた冬のアングレカム学院の作品。

作品としては大まかに1本の物語となっており、周回するごとにシーンが挿入されたりED後のエピローグが追加されるしようとなっており、条件を満たすことで『GRAND END』を見ることができるようになる。

とにかく今作も作品の雰囲気は非常に作られており、ここまで作品を通してプレイすることで冬のアングレカムで実際に過ごしているような気持ちになるほど。
しかしながら今までとは少し違い、マユリの謎を追いかける部分がメインで描かれているためか、暗くなりがちな日常シーンが目に付く事が多い。
そんな中で蘇芳の周りの人物とのやり取りに心温まることが多いのも今作の特徴だろうか。
抱える悩みに気が付き心配してくれるえりかや、どんなシーンにおいても「親友だ」と胸を張って告げてくれる林檎と苺、そしていつも献身的に支えてくれている立花。
今まで築き上げてきた蘇芳との絆を感じさせるシーンは本作のシナリオとは別に4作続けてきた積み重ねを感じられるものになっている。
だからこそ終盤において全員で協力してマユリの謎にせまってゆくシーンはこの作品にとって、集大成ともいえる流れになっている。

譲葉やネリネ、そしてこのシリーズの謎に深く関わるダリア=バスキア教諭など、新しい発見があるキャラクターたちも魅力的な点の一つと言える。

このシリーズの主題にもなっていた学院にもかかわる謎について、あまり明言してしまうとネタバレになるので避けるが、そこまで大きなものではなかった――というよりどこか少し悲しい話になっている。
この辺りに満足するかどうかは人それぞれで、ミステリ要素に重きを置いていた人にとっては少しだけ物足りない内容になっていたかもしれない。
また恋愛描写についても、目的のマユリを取り戻すまでを描いた作品ということもあってか、今作ではあまり触れられていない印象。
この辺りがシナリオとしては減点されやすい部分ではあるが、百合の雰囲気や『FLOWERS』としての物語のクオリティの高さは依然として存在しているため、その部分に関してを個人的には高く評価してる。


FLOWERS4-2.png
香坂 マユリ√【 S 】  1h
1作目のFLOWERS(春)にて登場し、聖母祭後に失踪した少女。
言うまでもなく、このシリーズの核ともいえる少女のお話だが、攻略することになるのは1周目ということもあり、実際に『全ての謎を解いた』という結果のみは描かれるものの、多くの真相や伏線については謎のままとなっている√。
基本的にかなり謎が多く残ったままのシナリオ進行で、展開としても急なためプレイヤーが置いて行かれがちになるのが難点。


GOODEND√【 S 】  1h
作品の2週目で到達可能な√。
大きく変わるのは1周目の後となっており、マユリ失踪の理由からアングレカム学院の設立まで、このシリーズにおいて今まで不明だった点の多くが明かされる。


FLOWERS4-3.png
花菱 立花√【 S 】  0.5h
1作目から蘇芳のアミティエであり続けた立花√は3週目で攻略可能。

シナリオでは立花の悲しい過去等も少しだけ話題に上がるものの、そのテーマは『変わらない事』であり、物語としてのもう一つの終わり方を見せてくれる。
3作目のシナリオでも似たようなことがテーマとして挙げられていた事があるが、今回はより実直にそれを感じられる展開となっており、舞台裏がわかっているからこそ、どこか悲しい気持ちが湧く話となっている。


GRAND FINALE√【 S+ 】  1h
GOODEND後のエピローグが描かれており、全キャラクターのシーンが挿入されている。
変わる所もあれば、変わらない良さもあり、そして今まで触れ合うことのなかったキャラクター達とのやり取りなど、短くはあるが新鮮な印象を受けるシーンもある。
また終盤にグランドエンディングが流れこれ自体も高く評価しているのだが、タイトル画面に戻る際にとあるBGMが流れる。
FLOWERSという舞台におけるめぐる季節というのを感じさせる素晴らしい演出で、最後を締めるにふさわしいエンディングとなっている。


FLOWERS4-1.png
[ 主人公 ]白羽 蘇芳
シリーズ1作目『』の主人公を務め、シリーズの最終作で再び主人公となった。
推理力はもちろんの事、
昔のような引っ込み思案の部分は依然あるものの大きな成長が見られ、
しかしながら、マユリのためにという行動は同時に周りを顧みずに行動してしまうことがあり、見ているこちらがもどかしい想いをしてしまう事もある。


【推奨攻略順 : マユリ→GOOD→立花→GRAND 】
攻略順はほぼ固定。


CG : 【 S 】
繊細な線で描かれた淡い絵はいつも通りのクオリティ。
特に今作は主人公が蘇芳ということもあって、黒髪ロングの美人が良く映える絵が多数存在している他、戯れに立花の眼鏡をかけた蘇芳などファン垂涎の1枚も存在。
その他サブキャラの立ち絵も少し増えており、この辺りも美人だったりする。


音楽 : 【 S+ 】
BGM22曲(アレンジ含)、Vo曲3曲(OP1/ED2)という構成。
冬の舞台にあわせてBGMは全体的に静かで高貴な印象を受けたが、「ハニカム」はイントロのヴァイオリンが軽快な、数少ない明るい曲として評価したい。
Vo曲は言うまでもなくあの三重唱を押していきたいがネタバレを防ぐために、OPの「Fairy Wreath」を紹介しておきたい。
妖精の花束という名前を関するこの曲は、その名の通り妖精たちが飛び回る空間に連れていかれるような心境に陥り、特にサビの透き通るような歌声は神秘的と言っても差し支えないだろう。


お勧め度 : 【 S+ 】
4部作の最終作品ということで、今までのすべての作品をプレイしなければいけないという意味でハードルはかなり高い。
しかしながら、百合ゲーという特殊ジャンルの中でも非常に親しみやすい内容になっている事や4部作通しての完成度の高さなどを鑑みて、長編の入門や、百合ゲーの入門としてはわりと手に取りやすい作品になっているように思える。

総合評価 : 【 S+ 】
全体的な完成度は依然として高いが、シナリオにもう一歩足りないところがあるのも事実でこの評価となっている。


(ぶっちゃけコーナー)
あ~おわった!!!! と言いたくなる。
ながかったし、色々言いたいことはあるんだけど、それでも素直にいい作品だったと言えるかも。
シリーズ最後だからかもしれないけれど、思い返してみれば~ってことが結構この作品中であったなぁ…人によってはまた春から始めても面白いのかもしれない。
完成度って意味では少しだけ下がったのかもしれない、というのも4作で結構想像がひろがっちゃってて、言い方は悪いけれど期待しすぎた部分があった。
ただまぁ、この作品てよく考えればそういうジャンルの作品じゃないんだよね。関係者もそのあたりは悩んでたらしいけど『童話らしい物語』というのに終始したらしいし。
色々謎なところもあるけど、それは今後明かされてゆくらしいし、とりあえず終了ってことで、割とポジティブな印象が多く浮かぶ作品だった。
語りたいことは結構あるのだけれど、あんまりとりとめもないので、各カップリングについて下記で語って終わっておこうと思う。


えりか・千鳥・ダリアについて。
夏篇からの組み合わせの3人でそのやり取りは様々なシーンで描かれている。
ダリアだけではなく蘇芳にいたるまで気の多いえりか、そしてそれに嫉妬する千鳥の様子が秋篇以上に冬篇では多く描かれていて、暗くなりがちな本編の日常シーンでの貴重なニヤニヤ成分だった。だからこそえりかに関して蘇芳に詰問する千鳥の姿に胸が痛くなり、秘密を明かさない蘇芳に気を揉んだこともある。
えりかに関しては蘇芳の抱える秘密に寄り添おうとする姿に春からの彼女の成長を特に感じ、千鳥に関しても冬編における蘇芳との会話シーンが今まで以上にあり、友達として協力する様子は蘇芳だけではなくプレイヤーの心を打っていたように思う。
人の事を純粋に思いやることができるやさしい二人は幸せになるだろうし、それを穏やかに眺めるダリアという立ち位置がすごく綺麗に収まっているように思う。


苺・林檎について
秋篇のメインではあるものの、春からの登場人物であるこの二人に関して、蘇芳との関係を一言で表すならば『親友』であるのだろう。
秋のあの少しだけ悲しい物語をこえて強固になった二人の関係…その関係の中に双子ED後のようなものがあるのかはわからない。
しかしながら、騒動の中にあっても蘇芳の見方であり続けていたり、クラスの中で雰囲気のバランスを取り続ける姿には彼女たちの大きな成長というものを感じさせてもらえる。
日常シーンでは林檎の「えりかのモノマネ」が非常に秀逸で、本編の割と長めのシーンで完成度の高いモノマネを披露する姿に、別の意味で感動を覚えた事も記憶に新しく、やはり日常シーンで色を添えるのは彼女たちなのだろう。


譲葉・ネリネについて。
登場は春だったが、初見の印象では完璧な先輩たち、手の届かない存在という印象が強かったのだけれど、秋篇に入ってからはそのイメージは変わり、最もギャップのあったキャラクターたちというべきかもしれない。
譲葉の乙女で弱い部分や、善人だったネリネの暗い部分などを知ることで彼女たちのパーソナリティというべき部分がしっかり認識できるようになり、それらが秋篇の複雑な人間模様でしっかりと描かれていたのは記憶にも新しい。
多くの人に慕われた二人だからこそ、冬編での態度の豹変には驚いた人も板だろうし、賛否両論あったように思う。
ただ、やっぱり二人は二人だったと言うべきか、いろいろあったし、これからも前途多難ではあるものの幸せになってほしいと素直に想えるカップリング。


蘇芳・マユリ・立花について。
この作品の格ともいえる3人で伝えたいことはたくさんあるのだけれど、最初に立花については春篇の”やらかし”がすごく黒歴史なんだけれども、夏・秋とネタキャラにされつつも親しみを覚え、冬編で一途に蘇芳を支える姿にあの出来事を許せる人も多くなったのではないだろうか。この作品の『アミティエ』というもののすばらしさを体現した理想的な奉仕の人間と言えるだろう。
その魅力に気が付いたのだろうか、彼女を好きな人が増えているのも面白いところで、でもやっぱり蘇芳に懸想をしているあたりが可愛い所なんだろうな。
マユリは蘇芳の恋人であり、この作品の目的ではあったものの、春と冬にが出番がなくてそのあたりが少し寂しいところだなぁ、千鳥たちとの触れ合いが少なかったのがそのあたりで印象的だったかも。
姿を消した理由に関しても「なんでそこまで…?」って思いはやっぱりあるんだよな、蘇芳が懇願しているシーンがあるからなおさらそう思う。
ただまぁ、やっぱり帰って来た時は素直にうれしい。蘇芳や立花と会話しているのはもちろん林檎や苺と会話するシーンだけでも「ああ、彼女はここにいるんだ」という充足感みたいなものがある。
今作の蘇芳は久しぶりに主人公になったこともあってか、地の文からは成長を感じる部分がかなりあったのだけれど、同時に一人で解決してしまおうとする姿が序盤から中盤に多く見られてそのあたりがすごくもどかしかった。
「君の紡いだ絆を信じてほしい」と何度思ったか…だからこそ終盤にみんなで集まりだしたときは胸が熱くなったんだよなぁ…。
GRANDENDで流れた三重唱中にも思ったけど、こうした困難に見舞われたとき『3人のアミティア』というのが重要な事なんだろうと思う。
だからこそ物語後の3人の姿が描かれているのは感慨深くて、良いシーンだなと思うことが多い。
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