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[レビュー]FLOWERS -Le volume sur printemps-の感想
2018-08-09 Thu 00:00
<作品名>     FLOWERS -Le volume sur printemps-
<製作会社名>   Innocent Grey


FLOWERS春
公式ホームページ
↑クリックすると公式HPに飛びます。

キャラクター・シナリオ : 【 S+ 】
FLOWERSシリーズの1作目、タイトルにも『春篇』と書かれているように、舞台の季節を春とした作品で、全寮制のミッションスクールを舞台とした百合ゲーである。

選択肢によりシーンが変わる部分があるものの、物語は大まかに1本となっており、チャプターで大まかに別れたシナリオの中には、いくつかの謎解きシーンがあるのも特徴。

この作品で最も重視されている女学院の雰囲気、百合の世界観について。
作品の舞台となるのはまさに『秘密の園』というべき全寮制のミッションスクールで、閉鎖空間での人と人の交わりをメインに描いている。
作品の趣旨は百合ゲーであるものの、過度にそういった雰囲気を作ってしまわないよう比較的現実的に書かれているシーンが多く、癒しを追求したテキストは主人公の心理描写を主軸としてしっとりと描かれている印象が強い。
特に乙女たちの心の機微ついては重視しており、主人公のモノローグだけではなく、吹き出しを使用した心理描写、各キャラの視点シーンなどを活用して、一つの発言が他の人に与える影響を考えさせるようなシーンがあったり、人と人の適切な距離であったり、それぞれの抱える悩みであったりが柔らかなタッチで描き出されている。

こうした繊細な描写から描かれる落ち着いた世界観は、感動する…と言えるほど情動の大きいシーンこそないものの、美麗なシーンが心に残るようなシナリオになっている。

作品に登場するミステリー部分に関して。
公式において『おまけ』と公言されているものの、作品を構成する重要なファクターと言えるだろう。
ミステリー部分自体は伏線からの推理ではなく、既存の知識を組み合わせることで答えが出る類のものとなっており、プレイヤーが推理するのは不可能なレベルのものが多いが、学院で発生した事件の謎を解くことにより、登場人物たちが成長していったり、関係性を変えてゆく様はこの作品の一つの魅力といえるだろう。

シリーズ作品の1作目であるので、作品としては次回につなぐためなのか非常にキリの悪い、謎を残しつつのエンディングとなっている。


共通√【 S+ 】  6-7h
主人公が全寮制のミッションスクール「聖アングレカム学院」に入学するところから、聖母祭(文化祭みたいなもの)後までを描いている。
舞台となる季節はもちろん春であり、入学したての主人公――蘇芳が学院での謎ときやクラスメイト達とのやり取りを通して成長する様子が仔細に描いている。
なお謎解きシーンで失敗すると即BADENDとなる。


FLOWERS1.png
匂坂 マユリ√【 - 】  1-2h
主人公のアミティエの一人。
明るい性格で社交的なため周囲からも慕われているクラスの中心人物で、ふとした瞬間に漏れる笑顔は周りをさらに明るくする、と主人公も評している。
少しボーイッシュではあるもののお菓子作りが趣味だったり、バレーが苦手だったりと親しみやすさがある。

選択肢次第で共通ルートにおいて彼女と過ごすシーンが何度か挿入されるものの、基本的にシナリオは1本であり個別√と題されるほどの量はない。
シリーズ作品の1作目であるためか物語は大きな謎を残したまま終了している。


FLOWERS1_2.png
花菱 立花√【 - 】  1h
主人公のアミティエの一人。
規律を重んじる委員長タイプではあるものの、自身の趣味である紅茶を友人にふるまうお茶会を開いていたりと、誰にでも優しく面倒見がよいためマユリと同程度の影響力がある。
成績が学院1位であることや彼女の性格もあってクラス委員長にも任命されている。

マユリ√攻略後に選択可能で、共通√後半から分岐している。
続編のありそうなマユリルートに対して、立花√では春のさわやかな風を感じさせるさっぱりとしたエンディングで締められている。


FLOWERS1_1.png
[ 主人公 ]白羽 蘇芳
新しい友達を作るために学院への入学を希望した少女。
長く祖父と二人で暮らしていた事や、小心者で人見知りなため、何をするにしても戸惑ってフリーズしてしまうことが多いが、その綺麗な見た目によって周りからは落ち着いたクールな大人と認識されている。

映画鑑賞や読書に造詣が深く、発言でよく引用する癖がある。また、そこからくる知識や推理力には目を見張るものがあり、学院での様々謎を解き明かしてゆく。
何故か女の子との触れ合いに羞恥を感じることが多く、また経験不足が目立ち絶望的なまでに要領がよくないのも特徴。


【推奨攻略順 : マユリ→立花 】
この順番以外での攻略は不可能。
なお、各BADENDも順次取得する必要があり、エンディングリストを全て埋めると、オーディオコメンタリや4コマなどが閲覧可能となる。


CG : 【 S 】
極細の線で描かれた繊細な絵はそれだけで商品になるレベルといえる。
特に質に関してはかなり安定しており、イベントCGにおいては思わず見入ってしまうようなものも数枚存在している。
また複数キャラを描いたイベントCGが多いのが印象的で、作品の雰囲気作りを十二分に担っていると言ってよいだろう。


音楽 : 【 S 】
BGM17曲、Vo曲2曲(OP/ED)という構成。
作品の舞台に併せて落ち着いたものが主であり、「祈り」を代表としたピアノ系のBGMや「マーガレット」等の弦楽器の粋を極めた美麗なものも印象的。
OPのピアノアレンジや謎解きシーンで使われる「ミスティア」なども名曲だろう。
Vo曲について、霜月はるかさんの歌う「FLOWERS」は透き通るような透明感のある曲で、コーラスとして参加している鈴湯さんの声も非常にマッチしている。
EDの「花の頁」も同様に透明感のある曲ではあるのだが、OPにくらべてゆったりと歌われており、こちらも違った魅力があるので、ぜひクリアして聞いてほしい。


お勧め度 : 【 S+ 】
百合ゲー、4部作シリーズ、シナリオ(雰囲気重視)と言うところを抑えていただけたのならお勧めしやすいゲームではあるが、万人にお勧めできる作品とは言いがたい。
それでも、興味を持ってプレイするならば世界に引き込んでくれる、そんな強さのある作品。


総合評価 : 【 S+ 】
雰囲気ゲーとしてはほぼ満点に近い作品であり、テキストに関しても一定の評価が出来るであろう作品なのでこの評価。


(ぶっちゃけコーナー)
4部作のFLOWERSシリーズが完結し、もともと興味もあったためプレイ。
Innocent Greyといえば同社の作品シリーズ『殻の少女』が印象的で、そこはかとなく恐怖を感じるミステリ作品、という印象があったけど、今作ではミステリ要素はそこそこで、百合要素をプラスした雰囲気ゲーという印象だろうか。

久方ぶりに”雰囲気ゲー”と書いても問題がないレベルで作りこまれている世界観。それを作りえたのは清廉なテキスト、繊細なCGたち、そしてしっかりと作られたBGMのおかげだろう。それぞれの相性がすごくよく、お互いを高め合っている。

作品自体は百合ゲーなんだけれども、プラトニックにそういった部分を描写しているのも評価したい。
この作品の心理描写は結構緻密でいて、読んでいて飽きないというのが不思議な所。
ただ、今作の主人公である蘇芳が結構引っ込み思案でウジウジしているタイプの子だから、そのあたりで好き嫌いが出そう。個人的にはそんな子が謎をバシバシ解いていく姿は結構爽快感はあったかも。

まだまだ1作目であるためにシリーズの方向性というか、どういう展開になるのかはまったく分からないのだけれど、それでも十分に満足はしたし続きが気になる作品である。
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