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レビュー]消えた世界と月と少女の感想
2018-06-07 Thu 00:00
<作品名>     消えた世界と月と少女
<製作会社名>   ひよこソフト



消えた世界と月と少女
公式ホームページ
↑クリックすると公式HPに飛びます。

キャラクター・シナリオ : 【 S 】
がっつりとSF要素の入った和風ミステリ物。
体験部分でもある序盤、一般的な田舎を舞台とした萌えゲーテイストな雰囲気から、一気に猟奇的な雰囲気を孕んだ怪しい伝奇物に変化した当たりは見事というほかない。
多くの謎を持ったまま物語を進めることになる今作。

やはり、中盤といえる各キャラ√の冗長さがネックといえる。
シナリオロジック的には仕方がないが、「謎」といいつつほとんど明かされない各個別√は、テキストこそ読みやすいものの、山なしオチなしに近いところがあり、どうしても序盤のインパクトと比べると普遍的な物語となっている。

しかしながらそこを超えてたどり着ける終盤は「さすが」と言える内容。
序盤を含む各ルートで謎だった部分の伏線回収はもちろん、驚きの設定やその後の泣きシーン等々、長めのシナリオに見合ったものがあるのは確か。


共通√【 S 】  3h
体験版として公開されている部分が作品の共通部分となっており、主人公の学校編入や幼馴染たちとの再会といった平和な日常シーンとそれが崩れゆくまでが描かれている。
序盤は一般的な学園物のテイストなのだが、後半部分はどこか仄暗さのあるミステリー物となっており、CGを含めたその雰囲気の対比、使い分けはなかなかの物。


character01.png
御石 美衣奈√【 S 】  3h
主人公の居候先でもあり、幼馴染の少女。
少し引っ込み思案なところもあるが、天然で明るくお人よし。
ガーデニングが趣味で動物と会話しながら、自宅の庭園を世話している。

かぐや姫伝説の『仏ノ御石ノ鉢』の難題に擬えた√となっており、共通√で垣間見えた彼女の秘密を解き明かすことになるシナリオ。
もともと主人公へ好意を寄せていたキャラということもあり、くっつくまではスムーズな物語の展開となっているが、彼女の性質から来る主人公への想いやその行動は少しだけ彼女への印象を変えるはず。また、ネタバレにつながる彼女の秘密は置いておくとしても、予想以上に不可解な物語の真相が垣間見える√でもある。


character02.png
火鼠谷 杏子√【 S 】  h
美衣奈の親友で、一年後輩の少女。
気が強く口よりも手よりも足が出るタイプの女の子で、幼馴染の武留ともよく喧嘩をしているほど男勝りな性格をしている。
しかしながら意外と乙女趣味なところもある様子。


個別√はかぐや姫伝説の『火鼠ノ皮衣』の難題に擬えた√となっており、村の背後にある謎の集団についての解明がメインとなっている。
この√では、ひょんなことから杏子と共に謎の集団である『十二単衣』の一員となって活動することになっており、様々な能力を持ったキャラクター達も登場する。


character03.png
子安 つばめ√【 S 】  2h
村の神社で巫女として働いているお姉さん。
非常におっとりとした性格をしており、幼馴染グループでは良識ある大人ポジションとして暴走しがちな皆をいさめることも多い。
主人公の初恋の相手でもある。

『燕の子安貝』を擬えた個別√は彼女の性格の豹変の謎をテーマとしている。
恋人関係になる下地のようなものはあり、勘違いから進展する展開が多く起用されている印象が強い。
他の√とは少し違って村や設定の謎をメインとしているわけではなく、彼女自身の問題がテーマとなっている。


character04.png
五色 瑠衣√【 S 】  2h
図書館で出会った探偵のような恰好をしている少女。
洞察力・推理力がすさまじく、その好奇心からか村に伝わる伝承等、色々なことを調べているらしい。見た目は幼いものの立派な女性であり主人公たちよりは年上。

『龍ノ顎の五色ノ珠』と題された瑠衣√では、村に伝わる謎や主人公たちの持つ「能力」について解明してゆく√となっている。
彼女の抱える秘密等も明らかにされる他、ある意味で一番物語の深い所に触れようとしている反面、一番謎が多く残る√にもなっている。


character05.png
麗 輝久夜√【 S+ 】  2h
主人公が村に戻る際に出会った謎の少女。
着物を着ており幼い風貌である他は殆ど謎でミステリアスな存在。
主人公の事を「お兄ちゃん」と呼んできて懐いている様子。

4つの√クリア後に自動的に『蓬莱ノ珠ノ枝』へと進むことになる。
彼女の√ではほとんどすべての伏線回収を担う√となっており、後半では√が二分されており、それぞれで物語の展開が大きく違う。
特に一部シーンでは泣きシーンと呼べるところもあり、作品の根本を担う部分と言ってよい内容となっている。


[ 主人公 ] 沖名 誠司
今作の主人公。
母の謎の死を調べるために、村へと舞い戻ってきた。
父とは長い事話しておらず確執がある様子で、戻ってきてからは美衣奈の家にお世話になっている。


【推奨攻略順 : 美衣奈→杏子→つばめ→瑠衣→輝久夜(TRUE1→TRUE2) 】
輝久夜√のみ、他の4キャラクリア後となっている。
基本的には順番は自由なので、流れに沿いつつ好きなキャラから攻略するとよい。


CG : 【 S 】
濃い塗りで線質の硬い絵。
攻略キャラが5キャラと多い方に入るが、各人のCG数自体は割と多めで質に関しても十分。
特に絵の質が違うものが数枚入っており、作中で効果的に使われていたのが印象的。


音楽 : 【 S++ 】
BGM曲30曲、Vo曲5曲(OP2/ED2/挿入歌1)。
和テイストなBGMが多いのはもちろんだが、妖しい雰囲気のものや落ち着いた田舎を現したBGMなど、曲の種類としては豊か。
Vo曲は作中でクリア後に聞くことはできないが、一部の曲は公式HPで閲覧可能。全体的に和テイストの曲が多く中でも「星霜の轍」は泣きゲーに必要な要素を持ちつつも、その質自体が非常に高い良曲ことを特筆しておきたい。


お勧め度 : 【 S 】
田舎を舞台とした伝奇物…かと思いきや、結構SF要素の多いタイムリープ系作品。
舞台が好き…という気持ちでプレイしている人も中盤の中だるみでイヤになりがちな作品ではあるが、終盤の纏まり方は割とよく、そういった点では評価できる。
システム面の不備が目立つところも取っつきにくい所。


総合評価 : 【 S 】
作品として残念な所はあるものの、確かに光る部分もあり、最後まで乾燥できた場合においては駄作ということもできないためこの評価。


(ぶっちゃけコーナー)
シナリオは期待したものと違う…と感じる人もいるのかもしれないけれど、先入観を持たずにプレイすればなかなかの大作に感じるのではないだろうか。
各個別ルート自体の出来は中だるみのようで悪いのだが、雰囲気の作りかたや場面転換、伏線回収や個別で見た場合の泣きシーンなど、確かに良作になりえた要素を持ってた。

誰しもが上げるであろうこの作品の悪いところは操作性が非常に悪い事。
セーブにかんしてはクラウドセーブ機能等新しいものを揃えてはいるものの、コンフィグは適当だし、シナリオを読むうえで重要になる機能は付いていないことの方が多い。
全体的に動作がもっさりとしていることも評価を大きく下げていることの一つ。
操作性が悪いと物語自体を読むことも困難になり、評価を下げる要因となっている。このようにシナリオとは関係ないところで評価を下げてしまっているというのは残念な所。


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