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[レビュー]紙の上の魔法使いの感想
2015-04-07 Tue 00:00
<作品名>    紙の上の魔法使い
<製作会社名>  ウグイスカグラ

紙の上の魔法使い

【さわり】
「幻想図書館」とよばれる場所を舞台とした作品で、物語には「魔法の本」と呼ばれる開くと本の内容が現実に起こってしまう本が登場する。
魔法の本に巻き込まれ、関わっていく主人公たちの悲劇。

シナリオ構成
S++
一本の大きな話筋への途中、各個別ルートへの選択が出てくる形式の作品。
攻略キャラは5人(4人?)だが、上記の理由もあり、個別ルートの長さは短い。
しかし、大筋となる物語自体にかなりのボリュームがあるため、全体的には一般的な作品と同程度のプレイ時間になるだろう。

【推奨攻略順 : 理央→妃→夜子→かなた→クリソベリル】
攻略順に指定はないものの、物語の構造上でこの順番の攻略が望ましい。
また、クリア後にタイトルから予約特典のシナリオを観覧することが可能。

CG
S
線は細く、淡い塗で、全体的に幼く見えてしまう柔らかい絵。
質も全体的に高いのだが、量が少し少ない気がしてしまうのは気のせいだろうか。

修正パッチを入れないと、CGモードを見れなくなるバグが発生している。

音楽
S
BGM20曲という構成。
OPもEDもないためにVo曲が存在しておらず、少しさびしい構成。
しかしながらそろっているBGMはかなり高品質で「eden of birdcage」のような高貴で気品あふれる美しい曲がそろっている。
その中でも異質なのは「静かな決意」で、このBGMの中では一番評価している1曲で思わず手を握ってしまうほど。

しかしながら、量的な問題もあり評価は抑えている。

お勧め度
S+
お勧め度と言われてしまうと、正直評価に困る作品。
喜劇でも、青春恋愛譚でもなく、どこまで言っても悲劇のこの作品。
ミステリー要素のような頭を使う展開もあるため、サラサラと読めてしまう物語ではなく、心を削りながらじっくりと作品を読み進める必要があるだろう。

総合評価
S+

公式ホームページ
↑クリックすると公式HPに飛びます。

ネタバレ抜きでこの作品を語るのは非常に難しいのだが、それでも感想は書く必要があるために、曖昧な表現が多く、また不透明な感想を許していただきたい。

特殊な舞台である事もだが、作品自体も少し異質でOPはおろかEDの動画すら存在していないあたり、作品が作品だけにこだわりを感じてしまう。

文体はかなり特殊でクセがあり、状況も終始錯綜しているために物語をスラスラと読み流すことはできず、一つ一つ噛み砕いていく必要がある。

物語は上記で説明した宝石の名を冠する「魔法の本」が1冊開くごとに章が分かれ、物語の状況を大きく変えてゆく。
その中で二転三転していく物語の設定に翻弄されることになる。いわゆるミステリ物に非常に近い作品であり、最後の最後まで本当の物語がかたられることはない。
しかしながら、伏線などはしっかりと張られており物語として丁寧に作られている印象は受けた。

状況が変わる、というのはなにも主人公だけのことではない。
むしろ、主人公が変わらず周りキャラクターにのみ変化が起きることもあり、どの登場キャラクターも展開を見ていくうえでは見逃せないものとなっており、その作り込みもかなり良い。
ある話で出てきた「ミステリ」の定番(約束)として「犯人は最初から登場している」という物があったように、しっかりと伏線はあるのでたどり着けないというわけではない。
それでも、全てが終わり謎が解けた今、猶のこる謎もいくつかはある。
しかしながら、そのほとんどがしっかりと関連していた事にはやはり感心するほかなく、また攻略後の特典シナリオにて別視点から~という物に関しても、物語自体の理解の役に立ったように思える。

しかしながら気になるのは作品の完成度である。
これだけきれいに作られていながら誤字脱字が激しく、また作品のシステム上のミス(音声系等)も見られた。
登場キャラクターはみなよく本を読む設定であり、セリフも地の文もかなり文調が硬いだけに難しい作業だったのかもしれないと、その辺りに関しては少し同情をしてしまう。

何度もいったかと思うが、これは悲劇の作品である。

物語の主人公は『瑠璃』なのだが、ともするとこれは別のキャラクターがヒロインとも考えることができる。それほどに、今回の話は主人公にとって残酷でそしてただひたすらに悲しい作品なのである。
そういう意味では後味もあまりよくない作品なのかもしれない。

しかしながら最後の方のシーン「静かな決意」がBGMとして流れるあのシーン等を見てみると、「物語」でありながら「物語」をテーマとした今回の作品ではあるが、伝えたかったのは意外と単純な物だったのかもしれない。

【総括】
読んでいて個人的には非常によくできており、かなり気に入った作品。
ジャンル分けこそ難しいがミステリとして楽しむにも十分な良作だったと言えるだろう。

(追記あらためぶっちゃけコーナー)
語れば語るほど、別の作品みたいに見える。
ミステリのような、こういう事実がよくわからなくてそのまま進む作品~ってのは結構評価が分かれるけど、個人的にはすごくきれいに思えるんだよなぁ。
あと、最後の方のシーン、上でも語ってたけど「静かな決意」が流れるあのシーンだけは泣いてしまったわ…。
狂気なのかもしれないけれど、あの時煌めくものはあったのかもしれない。
というか、事実は本当に悲しすぎるわ…。
やるせないしなぁ…。
予約特典の最後のシーンとかも、なぁなぁで終わらせないあの気持ちはどうしてもわかってしまうわ。
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