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[レビュー]さくら、もゆ。 -as the Night's, Reincarnation-の感想
2019-06-29 Sat 00:00
<作品名>     さくら、もゆ。 -as the Night's, Reincarnation-
<製作会社名>   Favorite


さくら、もゆ。 -as the Nights, Reincarnation-
公式ホームページ
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キャラクター・シナリオ : 【 EX- 】
いくつもの不思議が囁かれる町『参禅町』は十年前に"魔法少女"たちによって救われた。
これはそんな"魔法少女"のための物語――なんかでは、ない。
これは、幸せを探し出すための物語である。

町の人間が眠ると「夜」で目覚める、そこでは"想像すればなんでも実現できる"そんな不思議な世界を舞台とした作品。

序盤のゆったりとした物語展開や言葉を繰り返すような表現手法、加えて多くの伏線を伏せて物語が進む際の違和感は強く、作品としてのハードルのような形になっている。
後半においても物語が非常に難しく絡み合っており、そうした技巧を評価する反面、読みにくさという点においては減点ともいえるだろう。
しかし、それでも"そうしなければならない"、という必要性を感じるほど、この作品におけるそれらの役割は重い。

千和√や姫織√といった各個別√におけるシナリオから伝わってくるメッセージ性は非常に暖かくも強く、各背景や舞台設定を活かしたシナリオの中で多くの人が感動できる作品を作ったことに加えて、その展開をきっちりと変えた事、そして何よりハル√やクロ√をプレイしてやっと分かる、すべての物語が一つに繋がる、というシナリオ構成は他に類を見ないほどの出来栄えと言っていい。

各個別√のワンシーンや一つの設定であっても無駄なものは無く、全て(再度プレイを含む)を通して完成するという、作品全体としての完成度も高い。

プレイした人全員に送られる、作品に散りばめられた宝石のようにキラキラした言葉や、懸命に生きるキャラクター達からの暖かい励まし、そして"誰か"の生き方から学べる勇気、複雑怪奇な物語と絡んだ運命によって編み上げられた作品から伝えられるメッセージは驚くほど心にストレートに染み渡る暖かい物となっている。
物語に出てくる誰もが、悲しいほどに必死で優しく生き、どの物語においても他人のために自身の物語を必死に生きようとした事が伝わってくる。

流す涙の量を指してこの物語を『感動作品』と言葉にする事は簡単だが、散りばめられた言葉の数々から伝わってくる優しい励ましは作品を超えて、プレイした人の心に小さな一つの希望の光を灯す、そんな気持ちになれる作品となっていた。



共通√【 S+ 】  7-8h
とある一人の"少女"の願いを叶える、そういった決意をするまでの物語が描かれている部分であり、作品に特有の『夜』を舞台にしたシナリオが詰まっている。
逆に一般的な学園物としてのシーンはあまり多くないのも特徴。

作品としても序盤に当たる為、物語の展開の遅さ、多くの伏線がある読みにくさ、を最も感じてしまう部分であり、作品の関門ともいえる部分になっている。
その上で同じ言葉を形を変え繰り返すような表現は、文章を読みなれている人でも人によってはじれったく感じるほど。

反面、伝えたい事はしっかりと心に伝わるようになっており、サブキャラクターを話の中心とした感動出来るシナリオの部分もしっかりと存在している。

1周目ではわからない(クリア後に再プレイで見てみると)様々な伏線が散りばめられていた…ということを含めて、非常に質の高いシナリオとして高く評価している。


さくら、もゆ。 as the Night s Reincarnation (1)
柊ハル√【 EX-- 】  4-5h
里親に引き取られ町を離れていた幼馴染。
明るく皆を引っ張ってゆくようなリーダーシップあふれた性格に見えるが、実際は人見知りであり、主人公の前でだけそういった所を見せてくれる。
叶えなくてはならない夢のため、魔法少女に戻る事を願っている。

個別√ではハルの叶えたい夢に纏わるストーリーが描かれている。
ネタバレを防ぐため詳しくは避けるが、前半はあるサブキャラクターのシナリオになっており、それ自体がすでに十二分に感動できるある愛のシナリオとなっている。
そして、それを含めてハル√の内容に繋がっているという見事なシナリオ構成と、辛く苦しい物語がメインとなる√である。
深い悲しみの中で得られる優しい物語は見るものすべてを涙させる美しいストーリーは、とある"少女"の想いが詰まった物語となっていた。


さくら、もゆ。 as the Night s Reincarnation (2)
杏藤 千和√【 EX-- 】  4-5h
主人公の一つ下の後輩で、父親が営む街のカフェに住んでいる。
放課後はウェイターをしていることもあり、基本的に明るく優しい子なのだが、意地悪をしてくる主人公にだけは当たりがきつい。
しかし、主人公を好きな気持ちは隠しきれず、いつも世話を焼いては意地悪をされて泣きそうになっている。

個別√のお話は猫と対極の存在である『夜の怪物』についてのお話。
詳しくはネタバレを避けるために言及しないが、シナリオとして他の√との伏線が絡み合う部分があったりもする部分があったり、依然謎の部分なども多いものの、「家族」や「別離」をテーマにした内容は比較的ストレートに泣ける話となっている。
特に後半の1時間は常に感動シーンと言っても過言ではなく、最終盤の展開はもはや涙なしでは見られないほどで、声を当てている猫村ゆきさんやとある有名声優の名演によって作り上げられるシーンと心温まるシナリオはいかなる表現を尽くしても足りないほど。
作中でも屈指の泣けるシナリオになっている。


さくら、もゆ。 as the Night s Reincarnation (3)
夜月 姫織√【 S++ 】  3-4h
町の神社で巫女をしている方向音痴で食いしん坊の女の子。
ふんわり広がる長い黒髪に公家眉は最強のチャームポイント。
何時もお腹を空かせており、お菓子やご飯をくれる人が大好きで、主人公のお菓子を奪おうとしている。
基本的にはまったりとした雰囲気をしているが、歯に衣着せぬ物事を言うので毒舌っぽくなる一面も。

10年前、姫織が願ったその「願い」をテーマとした一連の話。
どれを語ってもネタバレにつながりそうになるが、やさしい夜の世界を舞台とした「命」のシナリオを通して、どこか考えている事の分かりにくい姫織の事が非常によくわかる内容となっており、終盤の展開は思わずウルっときてしまうほど。
またサブキャラクターであるナナも物語に非常に絡んでおり、本質的ではないものの彼女のことにも少しだけ触れられる物となっており、姫織の抱える"もの"を上手く伏線として使うシナリオは、細部から全体を通してみてもその完成度、綺麗さといったものを改めて感じる√となっている。


さくら、もゆ。 as the Night s Reincarnation
クロ√【 EX-- 】  7-8h
幼い頃から二人寄り添って生きてきた、主人公の相棒でもあり家族でもある特別な黒猫。
非常に人見知りで、主人公の前ですらめったに姿を魅せないが、寝る前の習慣となっている電話でなら、少しだけいつもより多くしゃべってくれる。
猫だが、甘いチョコレートが好きで、苦いものは苦手。

全ての物語の終着駅ともいえる今作のグランド√。
今までクリアした3人の√を含め、新たに発覚する物語の数々は複雑に絡み合い、現在、過去、未来、すべての物語が錯綜する√となっていて、伏線回収となる作品の核となっているために読むだけでも難しい内容があり、理解するハードルが高いのは確か。
そのために何度か読み直す必要があるものの、自身が気づかない所も含め細かいところまで伏線回収が出来ているのは見事という他ないほど完成度が高く驚きしかない。


[ 主人公 ]奏 大雅
町の施設で暮らしていたが、誕生日を迎えて晴れて自由になった。
幼い頃からクロと共にいたが、最近になって少し避けられているので寂しさを感じている。
心が大人になっていないためなのか、皆が「夜」の事を忘れても、一人だけ忘れずにいたため、今もまだ「夜」に出入りすることができる。


【推奨攻略順 : 姫織→千和→ハル→クロ 】
姫織と千和のみ入れ替えが可能で、その他は√ロックが掛かっている。
基本的には前者二人のどちらかからで構わないが、個人的にこの順番を推奨。


CG : 【 S 】
質・量共に最高クラスのものが揃えられている。
質の安定した立ち絵や、キャラクターの可愛さをこれでもか、というほど伝えるイベントCGのすばらしさは言うまでもない。
しかしその中でも特にこの作品を彩ってくれた美麗な背景にこそ最大の賛辞を送りたい。
「夜」とはいう現実とはかけ離れた幻想的な世界の数々、それらを絵にしっかりと落とし込み、作品を演出したからこそこの作品があったといっても過言ではない。


音楽 : 【 S++ 】
Vo曲5曲、BGM64曲という構成。
BGMは全体的にゆったりとした世界観に合わせたものが多い印象を受けるが、各キャラテーマはもちろん、様々なシーンに合わせた物が用意されている。中でもVo曲「輪廻」のアレンジVerは作中で何度も泣かされた名曲中の名曲。

Vo曲に関してはどれも素晴らしく、称賛の言葉以外に出てこないのだが、OP「さくら、Reincarnation」についてコメントしておくと、イントロで最初に引き付けられ、一気に流れるテンポのよい色鮮やかななリズムと、優しい歌は快い風を心に感じるような楽曲となっている。


お勧め度 : 【 S++ 】
作品のシナリオ自体は感動できる泣きゲーとして非常におすすめできる。
しかしながら、作品のボリュームやその内容・理解の難度の高さから抑えめの評価になっている。
特に文字を読みなれていない人にとっては非常にハードルの高い作品であるために、体験版等で読んでいけそうかどうかを判断するとよいだろう。
読めるのならば確実に感動させることを硬く約束できる名作。


総合評価 : 【 EX-- 】
シナリオ・絵・BGM・声優・作品の主張性、どこをとってみても全体的な完成度の高さは言うまでもなく高レベル。


(ぶっちゃけコーナー)
最初に言わねばならない事があるとしたら、この作品はものすごく泣けるという事だろう。
もしも、プレイヤーが最後までこの作品をやり通せたなら、少なくとも1度は涙を流すことを約束したい。

それくらい、多くの人に知ってほしい作品だった。
ただやっぱり、ハードルとなるのがプレイ時間とテキストだろうな…。
どうしても回りくどく感じる表現だし、文字を読むのに慣れていないと(あと、頭の中で随時状況整理していかないと)付いていけなくなるし。
物語としてはそれでも十二分に楽しめるとは思うけどね、やっぱりそのへんは合う合わないがあるから体験版とかで確かめるしかないのかも。

そういえば、いろセカシリーズとのつながりもどうやらあるみたいなんだけど、描写としてはほとんど無視していいレベルだと思う。
設定とかで「あれ…? これって…」みたいなのがあったのは確かだけどね。

作風は、雰囲気という意味ですごく似ている。
特に舞台の「不思議さ」という点についてはFavoriteらしいところを感じたかも、ただその内容、というか本質は結構別だから、あのシリーズが苦手だった~という人には少しだけ興味を持ってもらってもいいのかも。

付け加えるならこれくらいかな、正直いくつ言葉を尽くしてもこの作品の素晴らしさを伝えるには文字数が足りないし、ネタバレになっちゃうからな…。

ただ一つ言えるのは、この作品で自分自身を救ってもらえる人も出てくるんじゃないかな、という事。
作品が人生で助けになる事なんてあるのかどうかわからないけど、でも生きていてそういうシーンは多分あるし、この作品はそういう作品たちの一つになりえるんじゃないかな、とプレイしていて思った。
結局は受け手次第なのだけれどね。。。
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[レビュー]Sugar*Styleの感想
2019-06-22 Sat 00:00
<作品名>     Sugar*Style
<製作会社名>   SMEE


SugarStyle.png
公式ホームページ
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キャラクター・シナリオ : 【 S+ 】
季節は春、専門学校に入学した主人公は新しく親戚の営む「ひだまり寮」に引っ越すこと
になったのだが、そこに先に入寮していたのは女性だらけで――。

SMEEのシナリオの良さでもあるヒロインとの賑やかな掛け合いや豊富なギャグは健在。

今作のコンセプトは「全員初対面、ゼロから始める共同生活」ということで、ともすれば印象マイナスから始まる、女性だらけ学生寮を舞台としたコメディ恋愛物であり、共通ルートから個別ルートまで、作品の舞台となるのは主に学校生活と寮生活の二つ。
それぞれの場所で特定のヒロインについてのエピソードがあったり、複数のヒロイン達との話が描かれている。

シナリオとの特徴としては、序盤にキャラクター選択があり、共通シナリオの中に各キャラの個別ショートシナリオが挿入される形となっている他、共通シナリオ部分においても、寮内で担う役割――ロールの選択を行うことで一部シナリオに分岐が発生したりといろいろな仕組みを導入している。
そのため各ヒロインの攻略時に周回をかさねても共通ルートでのシナリオも多くの差分がある形となっている。

そのため、主に共通ルート部分において主人公とヒロインが恋をする過程がしっかりと描かれており、同時にヒロイン達の魅力と言える部分を見せるシーンも用意されている。
この点に関して、キャラクターを魅せる――萌えシーンを多くするということに関しては、十二分な役割を果たしているのだが、反面、舞台を一般的な学園にしたことや、等身大の恋愛を描いている事もあわせて、物語の山があまり感じられる、サクサクとシナリオが進む感覚もなくなっている。
そのためシナリオのテンポの良さ、という意味では今までの作品と比べると一歩劣るように感じられるかもしれない、作中に笑いが多いことには変わらないので、終盤まで飽きずにプレイできるのは確かだが、この辺りに関してはどうしても気になる人も多いはず。

しかしマイナスの部分に目をつぶれば、ギャグを中心とした甘い日々を綴るという主軸の中で、ヒロイン達の部屋を探索する等のシチュエーションによってバラエティをもたせて、様々な場合のヒロイン達の反応を見れるようにしたりと、努力が感じられる部分も多く、各キャラクターで大きく毛色の違う話に仕上がっている。


共通√【 S 】  7-8h
主人公の入学・入寮から1-2月分が描かれている。

基本的にはギャグシーンを中心に展開しており、時折各ヒロインの魅力を伝えるようなシーンが挿入されており、次第に距離が縮まってゆく様子が描かれている。
シナリオの構成上、共通部分は短いように思えるが、実際にロールの差分などを考えると十二分なボリュームとなっている。

何より個別よりも寮内を中心としたシナリオはヒロイン同士の絡みのあるシーンが非常に豊富となっており、シナリオ自体の笑いのクオリティが上がることはもちろん、主人公と二人きりでは描き切れないヒロイン達の一面を描き出せており、前作のような各ヒロインが個別となっている作品と少し違ったシナリオのテイストになっている。


森角初楓|キャラクター|Sugar Style
森角 初楓√【 S 】  2h
調理科のパン職人コースに通う料理が得意な女の子。
寮では趣味でもある料食を全面的に担当しており、皆をまとめる立場になることも多いことから寮の面々に「お母さん」みたいと言われる事も。
誰にでも優しく接してくれるが男女の関係に関してはなんとなくガードが硬く、少し夢見がちな所も。

初楓はからかわれた時に見せる怒りの反応が非常に可愛く、主人公もついついちょっかいをかけてしまう事が多い。
常識人な見た目に反して、二人の関係が進展する理由は意外なものであり、そうしたギャップのある意外な一面も彼女の魅力としてしっかり機能している。
個別√では家庭的な面に付け加えて、包容力をみせるようなシーンも多くあり、穏やかで楽しい彼女と過ごす日々は、誰しもが心の底で求めている何気ない日常の中の幸せな日々を綴った、癒しを感じるシナリオとなっている。


皆見真央|キャラクター|Sugar Style
皆見 真央√【 S+ 】  2-3h
教育学科の保育コースを専攻している同学年だが一つ年下の後輩。
ノリが良く明るい性格をしており、反応が良いために寮内のムードメーカーになっている。
同学年ではあるものの主人公の事を「先輩」と呼びズバズバと遠慮なく接するが、学校では友達ができなかったりと初対面の相手に対しては引っ込み思案な一面も。
弟や妹の面倒をよく見ていたこともあって面倒見が良く、子供が大好きなためその分野の仕事を目指している。

真央の良さはなんといっても会話のテンポの良さ。
多彩な反応を魅せる真央と、これでもかというほどネタに走る主人公、テンポよくツッコミとボケが入れ替わる様などをみても、終始笑いが途絶えない。
また共通ルート中盤から「主人公が好き」という思いを隠すことなく、ストレートに慕う後輩キャラとしての萌えポイントも高い。
シナリオ自体にあまり山はないものの、怒りや嫉妬、笑顔や慈愛、コロコロ変わる真央の表情やその反応の全てが魅力的であり、最大の魅力と言えるだろう。


楠木晴|キャラクター|Sugar Style
楠木 晴√【 S 】  2-3h
主人公と同い年の体育科専攻の女の子。
運動が大好きでプロである両親の影響もあって幼い頃からテニスを続けており、学校でも新人エースとしても期待されている。
体育会系ともいえる彼女はそうした環境もあってか気軽なスキンシップをとることが多い。
元気で快活な笑顔でいることが多い一方、他人の心に関しては非常に機敏で繊細な反応を魅せることもある。

元気で能天気に見える女の子だけど空気を読んで周りに気を使ってしまう、そうした繊細な心の動きや、本心を隠して時には苦手なはずの主人公まで気遣うしまういじらしさには、心奪われた人も多いはず。
個別√では笑えるやり取りももちろん多いのだが、どちらかというと晴らしい素直で真っすぐな愛情を見せてくれてるキャラの魅力を感じるシーンが中心となっている。
同じ年齢であり、どちらも「恋愛初心者」であるという対等な立場だからこその初々しいやり取りは、タイトル通り非常に甘く仕上がっていると言える。


冬月かなめ|キャラクター|Sugar Style
冬月 かなめ√【 S+ 】  2-3h
音楽科のピアノコースを専攻している2歳年上のお姉さん。
年上ではあるものの遅れて入学しているため学年は同じで、その優雅で余裕ある振る舞いから周囲には憧れを抱かれている。
しかしその多くが誤解であり、清楚な見た目に反して実際はプライドが高くマイペースでそれを周囲にさらけ出せない極度のコミュ症だったりする。
素直になれずなかなかデレないからこそ、デレた時の破壊力は非常に高い。

かなめ√では、彼女の大人っぽい仕草や言動の裏にある、悪戯好きで子供っぽい一面が非常によく描かれており、気負わずに接してくれる主人公とのやり取りによって少しずつお互いの感情が育ってゆく様子が特によく描かれている。
物語の盛り上がりとしては中盤に一つ大きなものもあり、かなめが感情を吐露する様子は、感情を素直に見せない彼女だからこそのシーンと言える。
終盤も小さな事件があったりもするのだが、個人的にはやはり中盤のシーンが大好きで、思わず泣けてしまったシーンでもある。


[ 主人公 ]織部 一季(※変更可能)
基本的にノリで生きている男の子。
ネタがあれば積極的に突っ込んでいき、ボケれるなら何処までもボケる。
それだけに暴走しがちで勘違いされやすいタイプでもある。
彼女はほしいと思っているが、過去の経験から肝心なところで勇気を出せない一面も。


【推奨攻略順 : 初楓→真央→晴→かなめ 】
基本的に好きな順番の攻略でよいだろう。


CG : 【 S 】
平面的で淡い色使いの絵。
枚数に関してはシナリオの分量をみても十分量と言え、振り向き絵など立ち絵にバリエーションが多いのも特徴、ちなみに立ち絵には瞬き機能も付いている。


音楽 : 【 S+ 】
BGM23曲、Vo2曲(OP/ED)という構成。
OPの「Day befor Memory」はEDのようなゆったりとした曲だが、作中ではアレンジBGMを含めよく使われており、作中でするっと流されたときの破壊力は高い。
そして何より評価したいのはBGMで「俺☆STYLE」などの日常・ギャグシーン用の物が多いのはもちろんなのだが「淡い光を追いかけて」は恋愛シーン等で非常に重用されており、流れた瞬間に一気に雰囲気を変える力がある名曲。


お勧め度 : 【 S++ 】
寮を舞台としたオーソドックスな学園恋愛物で、萌えゲーとギャグゲーの両方の側面があり、ギャグの多いテンポの速い日常シーンの合間にしっかりとキャラクターの魅力を伝えるシーンがあり、初心者から広くお勧めしやすい安定した作品。
今までのSMEEをプレイした人には、ギャグにおいて少し物足りない印象を受けるかもしれないが、キャラクターの魅力は確かにある事だけをお伝えしておきたい。


総合評価 : 【 S+ 】
ギャグと萌えがふんだんに詰まった全体的に優等生な作品でありこの評価。


(ぶっちゃけコーナー)
散々比べておいてなんだか、この作品はあんまり同会社の過去作と比べるべきではないのかもしれないな…。

今作に関しては、前作までの完成度が高すぎたために、今作にかかった期待が大きく、そういった意味で批判的な目線を向ける人も多い作品である。
ただ、SMEEの作品にどういった物を求めるか次第で、この作品の評価は変わる。

個人的には周波数があうのか、とても楽しい作品だったというのが正直な感想。
キャラクターも皆可愛かったし、なんなら、真央√ではウルウルきて、かなめ√では泣いちゃったからね…。

今作は新しい試み…のようなものが全体的に伝わってきていて、特にキャラクターの魅力をさらに新しい角度からも見せてゆく…みたいなものが根底にある気がする。
それを良しとするかはさすがに人次第だと思うけれど、それでもあくなき挑戦を続けている、という点に関しては高い評価をしたいな。

さらに言うならば、しかし事前知識なしで単体でこの作品を見てみると、魅力的なキャラクターがそろい、楽しい日常シーンがあり、誰もが憧れるような等身大の恋愛が描かれている良作なのである。
そういう作品自体が今は貴重な気もするので、普通に良作だと思っている。
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[レビュー]絆きらめく恋いろは 椿恋歌の感想
2019-06-15 Sat 00:00
<作品名>     絆きらめく恋いろは 椿恋歌
<製作会社名>   CRYSTALiA


絆きらめく恋いろは-椿恋歌-
公式ホームページ
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キャラクター・シナリオ : 【 S 】
本作は「絆きらめく恋いろは」(以下 無印)のファンディスク作品であり、基本的にシナリオは無印における椿√のアフターストーリーとなっている。
そのため前作のヒロイン達はもちろん参加しているが、メインとなるのは「椿」であり、そして新キャラクターのカグヤを加え、前作でのサブキャラである「都子」や「葵」などの登場機会が多くなっているのが特徴だろう。

シナリオ自体は前作に引き続き伝奇的な内容を含んでおり、ヒロインである椿の実家「朱雀院」を絡めた展開は短めではあるものの起承転結のはっきりとしたストーリーである。
新キャラであるカグヤが引き起こす騒動は椿の内面を再度しっかりと描くと共に、都子や葵といったキャラクターの新たな魅力的な部分もしっかりと描いている。
戦闘シーンについてもタッグ戦などの新要素を加えつつ豊富なシチュエーションが用意されており、他にも魅力的な武器の登場など前作からの魅力である部分はしっかりと引き継がれている。

もちろんFDということもありイチャラブシーンはもちろん多く、作品としての評価として外せない所にもなっている。
シーンの中心は椿であることは言うまでもないが、IFのような形で都や葵、カグヤ、そして全ヒロイン達との複数シーンなども存在している。


【推奨攻略順 : メインED1→SPECIAL×5→メインED2 】
メインED終了後、SPECIALシナリオを5つみると、メインED2のショートシナリオが解放。


CG : 【 S 】
瑞々しさを感じる鮮やかな彩の絵は健在。
基本的には椿を中心としているが新キャラのカグヤや都子のCGも多い。
SD絵も数枚存在している。


音楽 : 【 S 】
BGM3曲、Vo曲(1曲)が追加。
OPとして追加されたOPの「椿恋歌」は作品自体をテーマにした楽曲で、前作に引き続き和ロックテイストの物になっている。
BGMは新キャラ用のテーマなどで、追加されているものが少ないように感じるが、もともと分量としては十分量だったので気にはならない。


お勧め度 : 【 S 】
前作「絆きらめく恋いろは」のプレイは必須といえる。
特に椿が気に入った人、新キャラのカグヤや葵の登場シーンが多めなので彼女たちが気に入っている人にはプレイする価値もあるのだが、それ以外の人物にとっては悩みどころ。
作品のどこに魅力を感じたかによるが、今作のシナリオは割と薄めであり、椿以外のキャラクター登場シーンは少ない事だけは頭に入れておいてほしい。


総合評価 : 【 S 】
この作品を単体として評価するほどの中身ではないものの、FDとしての完成度は十二分といえる。その理由もあり評価としては抑えめ。


(ぶっちゃけコーナー)
ザックリというと短くまとまった良いFDという印象で、同時に余計なことをせず求められているものをそのまま描いた作品である。

正直それ以上でもそれ以下でもないので語る部分はあまりない。

この作品をプレイしようと思っている方は、そもそも無印が好きだろうし、そうした方にとっては十分満足できる作品でしょうからね。。。

椿を初めとして、カグヤや都子、葵と言ったキャラに興味がなかった人に関してはこの作品は特にやる必要がないと言われればその通りでもある。
あくまでいIFのFD作品と考えるのが順当だろう。

FDなのでシナリオ部分にあまり過度な期待をするのは、そもそも間違っているものの、それでも、登場するキャラを魅力的に見せるという部分においては十二分に機能を果たしているように思える。
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[レビュー]その日の獣には、の感想
2019-06-08 Sat 00:00
<作品名>     その日の獣には、
<製作会社名>   minori


その日の獣には、
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キャラクター・シナリオ : 【 S- 】
演劇部に所属する主人公たちが、「夏の大会」に参加するために練習を続けるある日、メンバーの一人である舞雪が噂の幽霊「クロガネ」に出会うことから物語が始まる。

舞台は一般的な学園における部活物。
日常シーンは演劇部に所属している主人公たちの練習シーンがメインとなっており、その中で生まれるの葛藤、関係の変化など、結成したての演劇チームにある不和や感情のぶつかり合うシーンが多く描かれている印象が強い。

青春学園物の負の部分も大きく取り上げているのだが、そこに「オペラ座の怪人」のような謎の存在「クロガネ」が出てきたりと、一筋縄ではいかない物語となっている。

一部特殊な設定はあるものの、舞台や設定は今までの作品と比べても非常に現実的であり、読みやすさという点においてはサクサクと読める内容になっている。

作品としての雰囲気作りに関しては流石という他なく、その完成度が高いのは確かなのだが、それだけにシナリオの内容の薄さが悪目立ちをしている印象は強い
もちろんどのルートにおいても、物語としての緩急はしっかりとあり、状況に対して葛藤を抱くキャラクターの内面に関しては良く描写されていた。

一方で、シナリオのテーマ性の薄さや物語自体のボリューム不足は深刻。
共通ルートはチームとしての結成までを端的に描いており短めなのだが、それ以上に個別√が短く、また展開としてどのルートも非常に似ていることがシナリオの薄さに拍車をかけている。
物語自体の展開が似ているだけに、それぞれのキャラクターの内面描写の幅も乏しくなっており、シナリオの短さからくる主張の薄さ、デウス・エクス・マキナのような存在に毎回物語を左右される主体性の無さがこの作品のシナリオ部分に大きな影響を与えていたように思える。

そのシーンにおける雰囲気を重要視するあまりに、作品を通しての主張が弱くなっており、何がしたい作品なのか伝わってこなかったのは痛恨の痛手といえるだろう。


共通√【 S 】  2-3h
入学から2か月後、夏に向けて活動する演劇部を描いている。
シナリオ自体は短く、プロローグ部分に当たる部分を終えて流れるOPの後は直ぐに個別分岐に入る。

部活物としては、演劇チーム内の不和などが多く描かれており明るさこそないものの、謎の人物「クロガネ」の登場などを基軸に、「不思議な物語」として物語の緩急は強い。
特に物語の舞台となる学園の描写――描かれる世界観のリアルさ――や、重要なシーンに引き込むまでの演出はさすがという他ない。


? キャラクター|その日の獣には、|minori ? (2)
池貝 舞雪√【 S- 】  2-3h
主人公の幼馴染。
演劇自体に興味はあまりなかったが、主人公たちに憧れて学園入学後に演劇部に入部した。
元気いっぱいで、勢い余ってドジることも多い。
気は弱いが自分の意思をはっきり持っており、多少頑固な面もある。

個別√では舞雪の抱える初恋や自身のコンプレックス(自信の無さ)がテーマになっており、全体的に純愛作品のような雰囲気の作品に近い。
しかしながら、物語としてはあまり大きく盛り上がる事もなく、割とスタンダードな展開が続き、結末に関しても驚きはない。なお、舞雪の姉である菫の話なども多少出てくるものの、割となおざりに扱われているのは少し悲しい所。


? キャラクター|その日の獣には、|minori ? (1)
友瀬 瑠奈√【 S 】  2-3h
学園の一年生で主人公とは同い年の義妹。
子役として活動していたことがあり、演劇部に所属してからその経験を活かして一目置かれた存在となっている。
自分の演技にプライドを持っており、周囲にも同様のレベルを要求する事が多々あるため、演技の事では周囲とぶつかることも多い。

個別√では間違った選択によって自身と向き合う事をテーマに描かれており、自身の抱える弱さと、自分の本当の望みを知り、それらを受け入れることで一回り成長する。
共通ルートではただの自己中心的な人物に思われがちな瑠奈、彼女の繊細な内面をシチュエーションを活かして描いていたストーリーとなっている。


? キャラクター|その日の獣には、|minori ?
深浜 祈莉√【 S 】  2-3h
学園に所属する1年生。
幼い頃から体が弱く、通学も今回の学園が初めての為にいつも一人でいたのだが、主人公に誘われて演劇部に所属することになった。
つかみどころのない性格をしているが、基本的には天然な性格をしている、しかし本人はかたくなに認めない。
実はお金持ちの一人娘らしく、学園の理事長や学園長が彼女の関係者である。

攻略にロックが掛かっているだけあり、祈莉の個別√ではこの作品にタイトルにもなっている謎の劇「ソノヒノケモノニハ、」の真相やその意味、そしてクロガネの正体についても言及されている√となっている。
しかしながら、相対的に祈莉自身の話は薄くなっている。
元々他人とあまり関係を持つことができなかった祈莉だからこそ、人とのつながりについてがテーマとしては描かれていた。


[ 主人公 ]友瀬 律希
演劇部に所属する学園の一年生。
とある目的の為、演劇部での活動に熱を上げている。
基本的には常識人であり、暴走しがちな妹の瑠奈のフォローをすることも多いのだが、やはり兄妹なのか、芝居の事になるとしばしば熱くなることも少なくない。


【推奨攻略順 : 瑠奈→舞雪→祈莉 】
祈莉のみ、瑠奈と舞雪を攻略後に攻略可能。
基本的に前者二人は好きな順番でよい。


CG : 【 S 】
線がしっかりとした質感の良い絵。
CGに関してはシナリオの長さもあって、分量的には気にならないだろう。
光りの使い方はいつも通りレベルが高く、立ち絵ですらイベントCGのように見えるほど完成度が高い。また、立ち絵だけではなく、イベントCGの口元をセリフと合わせて動かす技術なども引き続き健在


音楽 : 【 S+ 】
BGM43曲、Vo曲4曲(OP1/ED3)という構成。
Vo曲ではやはりOPの「Limelight」が勢いもあり、特にサビ部分からの流れはminoriらしさを感じた。
全体的にゆったりとしていて美麗なBGMが多い中、「Tension」や「Beast」といった楽曲は作中での雰囲気を一気に変化させ、場面転換としての効果はもちろん、物語自体の緩急をつける意味でも一役買っていたように思う。


お勧め度 : 【 S 】
作品の雰囲気という意味での完成度は高い。
半面シナリオ単体で見た時の内容はあまりよくなく、玄人にとってはあまり楽しめる内容にはなっていないかもしれない。
今までのminori作品のどこに魅力を感じるかによってお勧めできるか否かが決まっており、入門としてのライト層にはお勧めしやすい作品である。


総合評価 : 【 S 】
全体的な完成度の高さは確かにあるのだが、それだけにシナリオが足を引っ張っている感は抜けず、あまり高い評価にはできない作品。


(ぶっちゃけコーナー)
まぁ、ぶっちゃけて言うと雰囲気ゲーってのは褒め言葉ではない気がする。
昔の作品と比べると――あまりやるべきではないのかもしれないけど――明らかにシナリオ部分の弱体化が目立つよな。

この作品をやると分かるんだけど、本当にどのルートも展開が一緒なんだよな。
リスクがないから緊張感がないのも、展開が予想できてしまってあんまり良くないよな…。

シナリオをプレイすることで、キャラクター達の事はよくわかるんだけど、心に残るものがないというか…毒にも薬にもならぬ物語ってのはある意味で一番悪い。
忘れられてしまうその他多くの作品って意味だからなぁ…。

作品としては理解しやすかったり、美麗な世界観とか、、、もちろんほめるべき点もあるんだけど、それはもともとminoriのアピールポイントでもあるわけだしなぁ…。
キャラクターが魅力的なのも確かなのだけれど、個人的に評価するポイントはやはりシナリオを重視しがちだから、そこからもう一歩先に進んでいる作品じゃないとお勧めしにくいのは確か。
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[レビュー]ソラコイの感想
2019-06-01 Sat 00:00
<作品名>     ソラコイ
<製作会社名>   Chelseasoft


ソラコイ
公式ホームページ
↑クリックすると公式HPに飛びます。

キャラクター・シナリオ : 【 S 】
舞台となるのは主人公たちが所属する映研部。
ある日行った試写会に現れた幼馴染であるヒカリと瓜二つの人物との出会いから物語が大きく動いてゆく。

全般的にシナリオは平たんであり、大きな問題もなく進行してゆくのが特徴。
登場するキャラクター達やそれに関連した恋愛描写においても特質する点はなく、ある意味ではオーソドックスな学園物。

日常シーンにおいては映研部という舞台、特に新作の映画を撮る部活シーンなども印象的だが、作中で最も話題になる作品がすでに取られて審査に出している状況であることも加えて、受け身になることが多いこの作品において、通常の青春部活物にある様な切磋琢磨のシーンや努力、挫折のシーンなどがほとんどないことも痛手。

要するにシナリオの大部分に関しては評価できることがほとんどないのが現状…なのだが、それでもなお、この作品の魅力として伝えるべき部分がある。

それがソラ√である。
ある意味この√における主張ののために作られた作品と言っても過言ではないだろう。
謎のシーンから始まる今作、映画というテーマを選んだこと、ソラの行動の数々、ソラコイというタイトル、そして何より楽曲がシナリオの評価を変えたという事実。

これらに関して、ここで伝えることはネタバレ以外の何物でもない。
そのため、これに関しての評価はここで追えるが、付けられている評価以上の評価点がここにあることを、繰り返して伝えておきたい。


共通√【 S 】  4h
学園でのシーンを中心に構成されている。
学生ならではイベントのシーンもあるが、どちらかというと主人公たちが所属している映研部関連の話が多くなっている。

各キャラの紹介部分を兼ねるという話の都合もあってか、特に大きな事件と言えるものもなく穏やかな日常が描かれている。
ギャグシーンも少なく、物語の起伏もないのでどうしても読むのに飽きそうなのだが、そもそも長さがあまりないので印象に残らず終わる結果に。

部活をテーマにする作品(?)だとするならば、主人公を含む登場キャラクター達の挫折や努力シーン等、心の動くシーンがあまりないのも悲しい所。


キャラクター ? ソラコイ
ヒカリ√【 S 】  2h
生まれてからずっと一緒の幼馴染。
少し抜けているところがある主人公を何かと気にかけている世話好きな少女。
映画作りをする主人公を手伝うため映研に入ったが映画自体にはそこまで詳しくない。

基本軸はオーソドックスな流れで作られた話。
恋愛描写に関しては幼馴染との恋愛をテーマにしており、主人公がヒカリへの想いに気が付くまでがメインと言っても差し支えない内容になっている。
良くも悪くも評価を付けにくい無難な内容になっている。


キャラクター ? ソラコイ (1)
ソラ√【 S 】  2h
突然現れた謎の少女。
ヒカリと瓜二つであり、自身を主人公の幼馴染だと主張しているが、ヒカリとは違って少しだけおとなしい性格をしている。
ヒカリとはどちらが主人公の幼馴染にふさわしいかで毎日のようにケンカしている。

今作の本命と言っていいシナリオ√。
――なのだが、単体で見ると非常に中途半端な作品となっている。
物語の様相が少しずつ変わるのは物語の後半から、ヒカリを意識させるようなシーンが多くあり、それらがいままでの伏線へと繋がる内容になっている――もちろんすべてプレイしている人ならば謎の少女であるソラの正体には概ね気づくと思われるが――その伏線を鑑みてもなお拙い展開と唐突な終わりを感じる作品になっている。


キャラクター ? ソラコイ (2)
アイリ√【 S- 】  2h
映研部に所属する演技が好きな学園の1年生。
常に元気で前向きな性格をしており、周囲を明るくしてくれる。
自身が女の子らしくない事を少しだけ悩んでいる。

個別√はお互いの夢を追いかけるオーソドックスなストーリー。
展開も王道なのでかなり予想がしやすい。
盛り上がるシーンももちろんあるのだが、物語の短さゆえか、演出等のせいなのか、物語としての魅力が今ひとつ足りず感情移入はしにくい。
結果的に印象の薄い内容になっている。


キャラクター ? ソラコイ (3)
ナミ√【 S- 】  2h
映研部に所属する3年生の先輩。
実家の関係で主人公たちが暮らす寮の寮母をしており、皆をまとめる立場になる事が多い。
先代の映研部員に勧誘されて映研部に入部したらしく、年長者として主人公の映画作りに適格なアドバイスをくれる。
また監督業務が忙しい主人公の代わりに雑務をこなすことも。

共通の趣味である映画を切っ掛けとして仲を深めてゆく二人。映画の言葉を借りた告白にトキメク等、ならではの甘酸っぱいシーンもある。
後半のシナリオはナミと主人公の「進路」についてであり、オーソドックスなテーマでもあるので特筆すべき点がないのが残念な所。
その短さゆえか後半にHシーンが多くあり、また終盤の展開の急さ(解決方法)も相まってご都合主義な展開に感じてしまう人も多いはず。


[ 主人公 ] タクト
映研に所属する映画が大好きな学園の2年生。
映画監督になることを夢みており、映研部で映画を作ってはコンクールに出している。
どこか抜けているところがあり、完璧に準備していたつもりでも寸前になると何かしらのミスがみつかってしまう。


【推奨攻略順 : アイリ→ナミ→ヒカリ→ソラ 】
攻略に際してロックなどはないのだが、最低限ソラは最後に回したほうが良いだろう。
それ以外の√に関しては基本的に攻略を自由にしてよい。


CG : 【 S 】
細い線に淡い塗り。
所々に拙い部分は見られるものの、全体的に質は安定している。
枚数に関しても一般的数量と言えるだろう。
SD絵も数枚存在している。


音楽 : 【 S++ 】
BGM12曲、Vo曲2曲(OP/ED)という構成
数が少ないBGMに関しては最低限の各シーンを用意した物ではありそうだが、どれも強い旋律で作られており印象には残りやすい。
何より評価したいのはOPとED。
単体としての評価はもちろん、シナリオと重ねた時の破壊力の高さは随一であり、この作品の価値を数倍にまで高めた理由の一つである。
この作品あってのこの楽曲であり、この楽曲あってのこの作品と言っても過言ではない。


お勧め度 : 【 S+ 】
シナリオは全般的に完成度が低い。
その為、楽曲としてのEDの「空恋」やOPの「sign」に価値を感じた人にこそやるのをお勧めしたい。
シナリオプレイ後、この楽曲を聞いたときの印象が大きく変わることと、さらに好きになれることだけは約束する。


総合評価 : 【 S 】
作品自体の完成度は低いので評価はしにくい…しかし、物語としてのの主張はしっかりとあり、楽曲と合わせての評価はしたい。


(ぶっちゃけコーナー)
ネタバレ無しでこの作品の良さを伝えろっていうのは難しいわ。

取りあえずこの作品をプレイすることにしたのなら、OPとEDの歌詞は読むな!
そしてプレイ後にじっくり読んでくれ…その時涙腺が崩壊するはず!

…という事だろうか、あとはソラ√を最後にプレイする事かな…。
他の√の攻略は本当にしんどいけどね。
それならソラ√をロックしておいてくれ、という注文もありそうだが…w

とりあえず、手放しでほめられないシナリオだよ。
本当にヤマナシオチナシみたいなところもあるし、正直ソラ√もそこは変わらない。
内容も予想できるし…それが楽曲を含めたときにやっと逆転するんだよね…。
だから全体の評価はどうしても高くできないんだけど、それでもこの作品が伝えたかった主張性みたいなものはバシバシ感じるんですよね。

そういうものがない作品と比べると、シナリオゲーとしてはほかの作品より頭一つ飛び抜けている部分もあって…本当に評価の別れる作品だと思う。
だからこそ埋もれている名作になったのかもしれないけれど。

何度も繰り返しになるけれど、楽曲との親和性がすごく高い作品。
楽曲自体のレベルがすごく高いから、この作品の評価が高い…って、そんな曲におんぶして貰っているわけじゃなくて、しっかりとこの作品にも主張性がある上で、それを満たした楽曲なったからあの内容なんだろうな。
素直にそう思える作品になっている。
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