自作の壁紙や泣きゲーレビュー公開しているブログ。チャットルームや自作小説もあります そんな鍵っ子小説家のブログです。
☆★☆★ 毎日0時の定期更新中。現在は壁紙制作・泣きゲーレビューが主活動 ★☆★☆





 


[レビュー]景の海のアペイリアの感想
2017-11-02 Thu 00:00
<作品名>     景の海のアペイリア
<製作会社名>   シルキーズプラスDOLCE


景の海のアペイリア
公式ホームページ
↑クリックすると公式HPに飛びます。

キャラクター・シナリオ : 【 S++ 】
近未来の東京を舞台として主人公が偶然に自我を持ったAI(強いAI)である『アペイリア』を作ってしまうことから物語が始まる。
主人公たちがアペイリアの機能を使って作られてしまう完全没入型VRMMO「セカンド」がデスゲームになり、主人公はなぜかタイムリープに巻き込まれてしまう。そんな中で数少ないヒントからアペイリアを狙う存在に気が付く――魔法あり科学ありの仮想世界と現実世界で繰り広げられるAIと人間と時間の戦い。

作品は三羽√→ましろ√→久遠√→アペイリア√(TRUE)の順番に構成されており、選択肢等は出現するものの、上記の順番が変わることはない。
一本道の√ではあるものの、上記√はそれぞれしっかりと作られており、全体的なボリュームは一般的な作品とさほど変わりないといえる。

今回の作品で特徴的ともいえる要素が3つある。

一つ目が今作の主人公「零一」。公式的に変態と認定されており、エロに従順で基本的にどのシーンであってもエロ関係の話題でふざけていることが多いことから、基本的な会話は非常にバカっぽく、戦闘シーンの一部でも声があったりと力が入ってはいるのだが、どこかバカバカしいやり取り描かれているのは確か。仮想世界では複数のヒロインやそれ以外の女性キャラと関係をもつこともある。
しかしながら頭脳は非常に優れており、AI関連の知識はもちろんの事、状況把握や作品のメインともいえる頭脳戦のメインを担っていた。

二つ目がシナリオである。
正確に言うとテーマとなっている時間素行やそれに類する伏線で、作品の性質としてシュタインズゲートのような本格派の科学ADVに近い側面を持っている。
これらは非常に高いレベルで作られており、与えられた一つの状況で二転三転する現実を楽しめるのもこの作品の良いところである。
特に時間素行(タイムリープ)に関しても、「そういうもの」として置いておくことなく、量子論等を使った独自の解釈で、できるだけ現実の現象と齟齬がないようにじっくりと説明しており、それに付随した状況説明も作中では多く行われていた。
しかしそれだけに、内容が非常に難しくなっており、特に後半は解説用の図があるといえども理解には何度も読み返す必要があり非常に時間がかかる。

そして最後が魅力的なヒロインたちの存在である。
ある意味これは二つ目と被っている部分も多いのだが、秘密を抱えるヒロイン達と過ごしていき、そして協力して問題を乗り越えるシーン。そしてそのあとに待ち受ける展開。
変態的な主人公ではあるものの、恋愛描写はしっかりと描かれており、よく作られていた伏線と合わせて感動的なシナリオでは思わず泣いてしまうこともあるほど。

総じてすべてのレベルが高いということは言うまでもない。
しかしながら絶望的に相性が悪い要素があったのも事実。
科学ADVとしての側面が強かったところ、主人公がすぐにふざけるため力が抜け、すぐにヒロインたちの感動的なシーンに流れたりもする。
感情の起伏も非常に激しく、とくに冗長となりがちな説明部分で気持ちが置いて行かれる人も多くいるだろう。

上記の点を含めたうえでもシナリオがよくできていることを否定はしないが、最後の広げ過ぎた風呂敷のたたみ方を含めて、改善点は多くあり、泣きゲーとしては高く評価していないというのが今回の総じての感想ともいえる。


【推奨攻略順 : 無し 】
選択肢はあるが1本道の作品。


CG : 【 S 】
線が細く濃い塗りの絵。
枚数に関してはHCGが多めに用意されて入るものの、一般CGもある程度用意されており十分と言える。質もかなり高めで戦闘用のものから、日常シーンのものまで幅広いジャンルのものが多彩に描き出されている。


音楽 : 【 S 】
BGM38曲、Vo曲2曲(OP/ED)という構成。
BGMは数多く用意されており、現実世界と仮想世界という二つの世界に対応したものが用意されており、他にもAIをテーマとした「アペイリア」を代表とする不思議なBGMなどがあり、特に戦闘シーンや思考シーン等の暗めのBGMが多かった印象。
Vo曲はOPの「アペイリア」が印象的。BGMの同名曲とは違い、暗い雰囲気から始まる走るような旋律は非常にかっこいい。
対してのED「信じられるよ」はゆったりとした曲調。


お勧め度 : 【 S+ 】
時間遡行をテーマとした科学ADV、仮想現実を舞台とした剣と科学のファンタジー、そして恋と青春の物語。
要素としてはかなり含まれているが、もっとも評価できるのは科学ADVとしての側面であり、科学・近未来系、時間系の理論がしっかりと説明されている作品が好きな方にこそお勧めしたい作品。

逆にシナリオを深く読み込むのが苦手の方や、キャラの可愛さなどをしっかりと楽しみたい方にはお勧めしにくい作品。


総合評価 : 【 S+ 】
総じてシナリオはよくできているものの、全体的なバランスがとれておらず、改善点も見られる、泣きゲー重視の評価としてはこの程度。


(ぶっちゃけコーナー)
まず、凄い良く作られてるよね。
スリット実験とかはやっぱりその分野に少しでも興味を持っていた人間ならワクワクするし、ここまでしっかりとタイムリープについて考えていた作品もあんまりないと思う。
ただ、それだけにすごい理解が疲れたけどね。。。
何処に触れてもネタバレしそうだけど1点だけ。
上でも触れてたんだけど、簡単に言うと展開が不自然(というか早い?)。
というか、そうならざるを得ないんだけど、登場ヒロインや主人公たちの心は良く描写出来てはいたんだけど、すごく現実離れした場面だからこそ想像が追い付かないし、その「感情」に根差した「行動」というものにつながりを感じにくかったのかも。
そのへんをもっとはっきりとした…いや、はっきりと書いてはいるんだけど、もうすこしだけプレイヤー側に持ってきてほしかったのかも。
そういう意味では主人公が一番現実離れしてたかも。
まぁ、今回の主人公は感情移入するべきかどうかというのも一つの問題か。。。
時間・仮想世界・人間・AI…いろんなものが詰まった作品だから、最後の終わり方からも色々な解釈ができそうだし。
拍手する
別窓で開く | ゲームのレビュー | この記事へコメントをする:0 | トラックバック:0 | top↑
[レビュー]サクラノモリ†ドリーマーズ2の感想
2017-10-26 Thu 00:00
<作品名>     サクラノモリ†ドリーマーズ2
<製作会社名>   MOONSTONE


サクラノモリ†ドリーマーズ2
公式ホームページ
↑クリックすると公式HPに飛びます。

キャラクター・シナリオ : 【 S 】
『サクラノモリ†ドリーマーズ』(以下「1」)の個別√分岐地点からの続編を描いた作品となっており、公式曰くファンディスクではない。
シナリオはその続編部分とまどか√とが交互に描かれる形をとなっている。

シナリオは一本道で攻略時間も6-7時間とかなり短めで全部攻略後に各キャラ(+ハーレム)のHシーンが解放される。
それを含めても10時間もあれば終わってしまう作品なので、ボリュームとしてはかなり乏しいといってよいだろう。
主人公やヒロインの数に増減もないのだが、まどか以外は各個別√というものも存在せず、まどか以外のヒロインにおいてはあまり活躍シーンがない。

内容はもちろんホラー・グロ方面の話で、全て片付いたはずの桜之杜であらたな事件が発生するところから始まっており、前作同様お得意のホラー・グロシーンも多くある。
前作まででは「ボダッハ」や「いにしえのもの」といった、ある種の自然災害のようなものとの闘いという側面も強かったが、今回は人災と言える部分が多い。
また上記の点に付け加えて、こちらにも戦力があるので『仄暗き時の果てより』のような死に掛けの緊迫感や訳の分からない怖さのようなものは抑えられている。

2ということで、「1」の内容を把握していることは最低限(シナリオ内でも軽く回想はあるが、それでもすべてを把握することはできない)で、中には「1」からのキャラだけではなく、「仄暗き時の果てより」のキャラも登場したりもするため、発言の真意を理解するためにはそちらのプレイも必要となるだろう。
「1」からの登場キャラの背景設定なんかも出てきてたりはするので、続編的立ち位置ともいえるのだが「まどか救済措置」「ハーレームゲー化」という要素が強いのは確か。


【推奨攻略順 : 無 】
シナリオが一本道です。


CG : 【 S 】
独特の塗りの絵。
一般的なCGや立ち絵にかんしてはちょっと固めの筆質で書かれており、その出来も少々上下があるのが特徴的(特に男に関しては)。
ホラー&グロCGに関しては手放しでほめられる質となっている。


音楽 : 【 S 】
BGMは前作からのものを多く多用しており、どれが使われていなかったのかは判別不可能。
Vo曲にかんしては前作からのものも一部使われているが、OPとEDがそれぞれ1曲ずつ追加。
世界観にあわせた妖しい雰囲気の曲である。


お勧め度 : 【 S+ 】
残念ながらグロ・流血耐性の無い方、ホラーが苦手な方はプレイを推奨しない。
また、前作『サクラノモリ†ドリーマーズ』をプレイしていない方のプレイも推奨はしにくいだろう。
あくまで前作を気に入った方がプレイすると、という評価。
上記でも述べたが中には『仄暗き時の果てより』の登場人物も出てくるため、プレイしておいて損はないかもしれない。


総合評価 : 【 S 】
全体的な完成度は高いのだが、いかんせんFD的要素が強すぎて評価としてはこの程度。


(ぶっちゃけコーナー)
ホラーゲーってあんまりないジャンルだから、普通にプレイしていて面白いよね。
ただ本編は面白いんだけど、相変わらず個別√が光らない。
「仄暗き時の果てより」では結構いい感じの分岐があったように思えたんだけど、この内容だとどうなんだろう…。
まぁ、グリザイアみたいにシリーズにするのもええのかもしれんけどなぁ。
それにしてもあの終わり方は…少しふざけてるのかと思ったくらいだわ。
陰鬱な雰囲気こそすべて! とまではいかないけれど、なんか最後強引に「萌え?」にもっていってた気がして、そのへんが気になったなぁ。
一応伏線はいろいろ残してたし、土台的には3をやることもできるんだけど、どうなんだろうなぁ…「2」を作ってること自体びっくりだったし、「1」ではまどかがかわいそうだったから、その救済措置としての「2」はまだ受け入れられるんだけどこれ以上はさすがに冗長かなぁ…という想いもなくない。
拍手する
別窓で開く | ゲームのレビュー | この記事へコメントをする:0 | トラックバック:0 | top↑
[レビュー]アイよりアオい海の果ての感想
2017-10-05 Thu 00:00
<作品名>     アイよりアオい海の果て
<製作会社名>   AXL



アイよりアオい海の果て

公式ホームページ
↑クリックすると公式HPに飛びます。

キャラクター・シナリオ : 【 S+ 】
温暖化等で陸上での文明が滅び、大きな母艦の上で生き延びているという設定の作品。
ある日、入ってはいけないとされていた機関室のさらに奥で多くの秘密とそしてコールドスリープ状態であった少女「アイ」と出会うところから物語は始まる。
アイドルという謎の職業を自称するアイと共に失われてしまった「文化的な生活」を復活させるため、主人公たちは奔走することになる。

資源の限定化と作業の効率化が進むうえで廃れていってしまった娯楽という名の「文化」を再度根付かせていく…という作品趣旨。
特に今回は舞台がSF的世界観ということもあり、また物語には秘密にされている重大な事実などもあって、テーマとしても描写としても難しいところも多くあるように思えたが、そのあたりを非常に巧く表せていた事に高い評価をつけている。



共通√ 【 S 】  4-5h
アイとの出会いから文化祭開催までが描かれている。
AXLらしい軽い笑いとテンポで物語が進んでいき、各キャラとのイベントもそれぞれ2回ほどあって、物語の設定や伏線をちりばめつつキャラクターの魅力を伝えるという意味ではある意味見本ともいえる内容になっている。


『アイよりアオい海の果て』ヒロイン
アイ√ 【 S+ 】  2-3h
機関部の奥でコールトスリープしていた少女。
自称「アイドル」を名乗っており、多くのひとを笑顔にするのが好き。歌や踊りが得意でで大昔の『文化』の記憶を持ってはいるが、その他の多くの記憶を失っている。
非常に前向きな性格をしており、どんなときにもめげずにまっすぐ目標に向かって頑張ることができる少女。
個別ルートでは主人公に対して恋愛感情を持つ自分の気持ちと、アイドルとしての立場で板挟みになる様子が描かれており、物語後半ではトラブルに見舞われた船団の中で明かされる真実とそれに立ち向かう主人公、そしてすべてが絶望に覆われる中でも常に前を向き続けるアイの姿が描かれている。
唯一アフターストーリーが他のキャラクターと違うテイストという特徴もあり、AXLらしさの中でも光るものを見たということで高い評価にしている。
この√でだいたいの謎が空かされてはいるものの、詳細は他の√で明かされる真実を含めることで、やっと作品の背景設定がはっきりとする。


『アイよりアオい海の果て』ヒロイン (1)
七海 ナタネ√ 【 S 】  2-3h
唯一、手動操船できる「セブンスター号」の持ち主。
普段は漁業などをしているが、自称「海賊」を名乗るほど自由に海を渡ることにあこがれを持っている。いわゆる元気系キャラクターだが、すこしだけツンデレ要素を持つ。
個別ルート序盤では両想いになり、それまでは意識しなかった「女の子らしさ」という部分について考えたりするシーンが暖かく描かれている。
√後半では他の船団の情報や過去にあった出来事の真相なども明かされ、ナタネの夢とも絡んだ話となっており、ナタネの夢を守るために必死になる主人公が見られる√となっており、ある意味一番AXLらしい√ともいえる。


『アイよりアオい海の果て』ヒロイン (2)
真備 シオン√ 【 S+ 】  2-3h
この船の船団長の一人娘で、その手伝いをしている。
規律を重んじ、時には厳しいことを言ってしまう事も多いが、主人公の前だけでは甘えてしまう正統派ツンデレ、CV青山ゆかり。
個別ルートでは病に倒れた船団長の代わりに仕事をするシオンとそれをサポートする主人公の姿が描かれており、物語後半では明かされる主人公たちの出生の秘密に交えて、船団長とシオンとの親子の絆が描かれた話となっている。
語られる物語は非常に暖かく、特殊な設定ながらも普遍的な内容であり、高い評価にした。


『アイよりアオい海の果て』ヒロイン (3)
一刈盛 サンゴ√ 【 S 】  2-3h
少しだけ年上のお姉さん的存在。
おっとりとした性格をしており、主人公に対しては何かと世話を焼きたがる傾向も。
殆どにおいてドジではあるが、料理と包丁さばきに関してだけは引けを取らず、ナタネがとってきた魚をさばくことが多い。
個別ルート前半ではどうしても弟扱いしてしまうサンゴに対して主人公が熱烈にアタックするシーンが主に描かれており、後半ではサンゴ自身の秘密やそれに関連した船団の過去、そしてそれらを知ったサンゴの決断などがあり、割と重めの話になっている。


[ 主人公 ]静馬 アオ
船では師匠である『じっちゃん』と共に道具の修理・制作を担当している。
機械いじりが趣味で、作業に熱中すると周りの音が聞こえなくなるほどで、特に大昔の遺物である「ロストテクノロジー」には強い関心を抱いている。
リーダー的存在ではないが、温厚でまじめな性格から多くの人からは頼りにされている。


【推奨攻略順 : ナタネ→サンゴ→シオン→ノーマル→アイ 】
どのルートもある程度のネタバレがあるため、攻略順は好きなキャラからでよい。
アイ√とノーマル√のみ、1√攻略後に出現。


CG : 【 S 】
いつのAXLらしい絵。
CGの枚数や質も十二分で全体的なレベルの高さ(安定度)は言うまでもない。
ネタとなるSD絵が豊富なことも魅力の一つだろう。


音楽 : 【 S+ 】
BGM27曲、Vo曲3曲(OP/ED/挿入歌)という構成。
バリエーションの豊富なBGMはコミカルなものから陰鬱なものまで、各シーンに合わせたものがそろっているがどれも印象は薄い。
どちらかというとVo曲の質が高くなっていることが印象的で、各ED用曲がなくなっており数こそ少なくはなっているものの、茶太さんのクセになるテンポのOPやiyunaさんがしっとりと歌い上げた「melody star」は作中で流されていれば思わず涙してしまいそうなほどの出来。
挿入歌では各キャラが歌っており、こちらも必聴。


お勧め度 : 【 S+ 】
今回はSFを基盤とした物語となっていてAXLとしては…というより、物語としても割と珍しい物になっていたが、いつものAXLらしい元気の出る前向きな作品。
AXLファンはもちろんだが、各ルートのシナリオももしっかりと作られており、物語の内容を重視の人でも楽しめるように作られている。


総合評価 : 【 S+ 】
AXLの作品として十二分に良作と言える範囲の作品であり、全体的なレベルの高さは言うまでもない。曲やシナリオはAXLらしさを残しつつ新しい印象を与えるものになっており、その点を高く評価した。


(ぶっちゃけコーナー)
今回、実は評価に関しては結構悩んだ。
シナリオはよくできていたんだけど、泣けたかというとそういうわけでもない。
やっぱり、AXLではファンタジーとかの世界で繰り広げられる暖かい話が結構好きだったりするんだけど、今回はSFでも飛び切りの終末世界設定。
設定もよく作られていたなぁというのが正直な印象で、明かされていない事実や謎の部分、矛盾点も多少あるけれども、作品趣旨として「文化」を根付かせるため学校を作ったり、学園祭と称してライブをやったりと、狭い世界観の中でよく動く作品だった。
特にヒロイン達やサブキャラたちがよく登場し動いてるからこそ、寂しい世界観のなかでもAXLらしい明るさが常にあったように思う。
拍手する
別窓で開く | ゲームのレビュー | この記事へコメントをする:0 | トラックバック:0 | top↑
[レビュー]Harmoniaの感想
2017-08-24 Thu 00:00
<作品名>     Harmonia
<製作会社名>   Key



Harmonia.png
公式ホームページ
↑クリックすると公式HPに飛びます。


キャラクター・シナリオ : 【 S+ 】
チャプター0からチャプター8までで構成され、選択肢等は一切なくただ読み進めていく小説形式の全8章の作品。
終末世界のような荒廃した世界で人とフィロイド――機械人形のふれあいを描いた作品。
主人公のレイはフィロイドであり、最初に出会った人間シオナと共に生活し、町の人々と接していくことで失われた感情を取り戻していくことになる。
文章はすっきりとしており読みやすく、物語自体もそこまで長くないのでサクサクと読める物になっている。
その分泣きシーンに関しても弱くはなっており、完成度は割と高めではあるのだが心を動かせるかというと非常に苦しいところ。
世界観も相まって全体的な作りは非常に簡素に感じるため、そういう意味でも小説的な作品という表現が正しいだろう。
タイトルの「Harmonia」とはギリシア語で『調和』を意味しており、テーマとしては人間とフィロイドの調和ということで「planetarian」に近い作品となっている。
プレイ時間は非常に短い4-5h程度。

【推奨攻略順 : なし 】


CG : 【 S 】
基本CG数は15枚。
安定のいたる絵、慣れれば問題ない。


音楽 : 【 S+ 】
BGM15曲、Vo曲2曲という構成。
折戸さん、水月さんの両名がBGMを担当しており、個人的な大好物。
上げだすとキリがないが「Terrarum」「Oppidum」のようなこの世界感の根幹を現した曲が秀逸。寂しさの中にやはり温かさがあるそんな雰囲気。
Vo曲で特に印象に残ったのは霜月はるかさんの歌う「永遠の星へ」。
透き通るような声で歌いあげられるサビは作中で思わず涙を流してしまう人もいるのではないだろうか。


お勧め度 : 【 S 】
Key15周年記念ということで制作された作品。
短くサクッとプレイすることができ、よくできたSF作品なので、そういった理解のもの購入すべきだろう。
昔のKeyを想像して購入…という方にとってはやはり厳しく、特定深度のKeyのファンが購入するという物になってしまっている印象。


総合評価 : 【 S 】
個人的な感想としてはもう少し高くしていいような気もするのだが、やはり一般的な視点から見るとこのぐらいの評価。


(ぶっちゃけコーナー)
やっぱBGMとVo曲のレベルは高いよなぁ。
麻枝さんが参加してないので、ぐっと心に攻め込んでくるようなBGMこそないけれど、水月さんや折戸さんの音楽も個人的には好きだからね。
シナリオ的にはどうなんだろうなぁ…最近は結構真剣なSFっぽい作品に逃げがちな印象のあるKeyなんだけど、そこで押していくのが正解ではなさそうな気がするしなぁ…。
ただある日常が面白くて、そこに感動する話が詰まってる…という王道中の王道作品を高品質で書いていくのはかなり難しいとは思うけれど。。。
麻枝さんがシナリオから撤退した穴を埋めつつ、今までのKeyを保つには…という戦いがまだまだ続く気がする。
拍手する
別窓で開く | ゲームのレビュー | この記事へコメントをする:0 | トラックバック:0 | top↑
[レビュー]ニュートンと林檎の樹の感想
2017-08-03 Thu 00:00
<作品名>    ニュートンと林檎の樹
<製作会社名>  Laplacian


ニュートンと林檎の樹
公式ホームページ
↑クリックすると公式HPに飛びます。

キャラクター・シナリオ : 【 S 】


共通√ 【 S 】
タイムスリップ後にニュートン(アリス)と出会い、そしてその仲間たちと親交を深めつつつ、変わってしまった歴史や自分の時代への帰還という二つの目標の達成に対して行動する主人公たちの姿がメインで描かれている。
主軸として上記の物語があり、その物語から各キャラ√が分岐する形を取っている。
ギャグテイストの文章で非常に読みやすく、サクサクと進む部分が多いのだが、タイムスリップの原理関係の話題が出ると、どうしても難しくなる部分があるのは確かで、
展開力自体はあるのだが、泣きシーンへの導入がかなり強引でサクッと終わってしまうことなど、不自然さが多く物語り全体がぎこちなくなっている。


nyu- (2)
一二三 四五√ 【 S 】  1.5h
主人公の幼馴染で測量が趣味。
知識量も主人公が羨望するほど豊富なのだが、感情すら「定義」してしまうほど融通のきかないタイプでもある。
個別√では彼女が秘めていた主人公への想いという物にフォーカスを当てている。
主人公を最初から想っており、立ち位置や過去の約束なども含めるとメイン中のメインキャラクターとも言えるのだが、どちらかと言うとBADENDのようなルート。
主人公の挫折の理由なども語られており、わりと短いルートではあるが重要な要素が語られている。
本人√よりも他ヒロインの√での姿に心動かされることも多いキャラクター。

nyu- (4)
ラビ・ジエール√ 【 S 】  1.5h
テンプリッジ大学に居座っているつかみどころのない科学者。
母親が現代日本以上の科学力を持っていっために魔女扱いされ、共に亡命してきた過去を持っている。
理解力は高く、好奇心も旺盛で、いわゆるマッドサイエンティスト。
個別√はラビの母親に関連したエピソードをきっかけに付き合うことになる。
物語の展開としては「タイムスリップ作品のBAD√」といった物になっており、お世辞にも後味は良くない。また、彼女だけ2週目の攻略において一部の台詞が変化する。
個別√で流れる動画の「コレジャナイ」感は半端ない。
ちなみに彼女の正体はアリス√の後半で判明する。

nyu- (3)
九十九 春√ 【 S 】  1.5h
同じ日本の血が流れる天文学を専門とした優しい年上のお姉さん。
アリスの親友でもあり、いつか日本を見ることを夢見ている。
個別ルートにいたるまでは春の未来での正体やアリス(ニュートン)との関係、プリンキピアの出版経緯に絡んだ問題が析出する。
ここにラビの影響が強くかかわっていることもかなり印象深く、四五など、攻略後のヒロインに関してもしっかりと行動させているあたりは好印象。
しかし個別ルートに入った後はいつも通りイチャイチャしつつ、すこし引っかかりを覚える終わり方をする。


nyu- (5)
エミー・フェルトン√ 【 S 】  1h
アリスたちの暮らす寮の管理をしているメイドであり、無類のイモ好き。
時折論文等を読んでいることから科学的な素養もあるらしい。
個別ルートにいたるまでにアリス自身について非常に掘り下げられる所であり、科学者としての面だけではなく、人間的な闇の部分にも言及している。また、割と衝撃の事実が判明する。
エミー√に入ってからはいつも通りの流れでエミー自身については書くべきところがほとんどないのだが、四五との別れ方が印象的。


nyu- (1)
アリス・ベッドフォード√ 【 S+ 】  1.5h
修二と四五がタイムスリップして初めて出会う少女であり、ニュートンというペンネームで論文をいくつも寄稿していた物語の中心ともいえる人物。
ニュートンの人物像はほとんどが想像であり、実際は生意気な金髪ロリっ子
彼女の個別ルートではもともとの目的であった「歴史改変」「現代への帰還」という二つの目標を達成するための√。
基本的にはギャグ路線のこの作品ではあったが、彼女の√にかんしてはどうしても悲しさが漂い、挿入される動画もどちらかというとそういった作りになっている。
このルートのために作られた作品でもあるため、思わず涙してしまう場面もあり、つくりとしても全体的にみれば突出している。
しかしながら、素材としてもうすこしの展開を期待していた部分もあり、表かとしては抑えめ。攻略後に「強くてニューゲーム」という半ばパロディーアフター√がある。


nyu- (6)
[ 主人公 ]
ノーブル物理学賞(※正確には違う)を受賞した祖父をもつ青年。
昔は祖父の下で四五と共に科学を学んでいたが、とある出来事により挫折、音楽の道へと進んでいたが、お世辞にもうまくいってはいなかった。
基本的には対応力が高く好奇心旺盛なのだが、どこか自分の能力に対してネガティブなところがある。


【推奨攻略順 : 四五→ラビ→春→エミー→アリス 】
1周目で攻略可能なのが四五とラビ、ラビ攻略後にほかのキャラクターが攻略可能となる。
シナリオの構成的にも基本的にこの順番が堅い。

CG : 【 S 】
細い線、濃い塗りに薄く特殊なエフェクトをかけている絵。
質に関しても総じて綺麗なのだが、どことなくバランスに危うさがある部分も。
全体的にはアップのCGよりは引いて描かれたもののほうが綺麗な印象。
SD絵も多数存在している。

音楽 : 【 S 】
BGM11曲、Vo曲2曲(OP/ED)+αという構成。
非常に少ないBGMは物語へのバリエーションという意味では不足だった。
「贅沢な日々」などに代表される、華やかで時代を感じさせる音楽が印象的な他、「ノブレス・オブリージュ」や「抱きしめたその手で」のような、誇らしくも一抹の悲しさが残るBGMが印象的であった。
曲として特筆しておきたいのはイントロが非常に素晴らしいOPの「風の唄」。
また、「+α」に関しては、各キャラに専用の動画が用意されており、その中で軽いラップ…のような音楽があるため、このような表記とした。

お勧め度 : 【 S+ 】
物理学史にとって重要な1687年にタイムスリップするという、「コミカル・タイムトラベル」作品。
基本的にはエロを交えたギャグテイスト中心の作品となっており、難しいことや矛盾には一切手を触れないように作られているため、真剣にタイムスリップ作品をプレイしたい人は注意が必要。
笑えて、すこし泣けて…という宣伝には偽りなし。


総合評価 : 【 S 】
ギャグ中心の作品でありながらストーリーもそこそこ作りこまれており、評価としては安定しているがあと一歩が足りないのも確か。

(ぶっちゃけコーナー)
全部終わった後に「まぁ、史実がこんなのでも面白いかもな」と思わせてくれる程度にはよくできている作品。
それだけに、やはりもう一歩踏み込んだものを作ってほしかったのも確か。
ストーリーとギャグのバランスが難しかったのもある。
ギャグ自体にそこまで破壊力がないのでストーリーで補っているのだが、そのせいでギャグが寒くなっていたり、逆にギャグのせいでストーリーに集中できなかったり。。。
個別ルートが適当だったのもやはりつらいところ。
展開として不器用で強引なところがあるのを見逃しておくとしても、、短いし展開として似すぎている。
四五やラビ、アリスなどは心の描写をもっと深めていけば全然違うテイストで重要シーンには入れていたんじゃないかなぁ…。
この作品に出てくるサブキャラも含めて意外と面白いんだから、そのへんは活かしてほしかったかも。BGMのバリエーションの少なさも気になるし…。
動画のテイストも「そうじゃないんだよな…」という感じが否めない。
あれは民安さんの歌唱力があってこそだったんだよ…。
拍手する
別窓で開く | ゲームのレビュー | この記事へコメントをする:0 | トラックバック:0 | top↑
BACK | 青空の翼と過去の十字架 | NEXT