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[レビュー]アイよりアオい海の果ての感想
2017-10-05 Thu 00:00
<作品名>     アイよりアオい海の果て
<製作会社名>   AXL



アイよりアオい海の果て

公式ホームページ
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キャラクター・シナリオ : 【 S+ 】
温暖化等で陸上での文明が滅び、大きな母艦の上で生き延びているという設定の作品。
ある日、入ってはいけないとされていた機関室のさらに奥で多くの秘密とそしてコールドスリープ状態であった少女「アイ」と出会うところから物語は始まる。
アイドルという謎の職業を自称するアイと共に失われてしまった「文化的な生活」を復活させるため、主人公たちは奔走することになる。

資源の限定化と作業の効率化が進むうえで廃れていってしまった娯楽という名の「文化」を再度根付かせていく…という作品趣旨。
特に今回は舞台がSF的世界観ということもあり、また物語には秘密にされている重大な事実などもあって、テーマとしても描写としても難しいところも多くあるように思えたが、そのあたりを非常に巧く表せていた事に高い評価をつけている。



共通√ 【 S 】  4-5h
アイとの出会いから文化祭開催までが描かれている。
AXLらしい軽い笑いとテンポで物語が進んでいき、各キャラとのイベントもそれぞれ2回ほどあって、物語の設定や伏線をちりばめつつキャラクターの魅力を伝えるという意味ではある意味見本ともいえる内容になっている。


『アイよりアオい海の果て』ヒロイン
アイ√ 【 S+ 】  2-3h
機関部の奥でコールトスリープしていた少女。
自称「アイドル」を名乗っており、多くのひとを笑顔にするのが好き。歌や踊りが得意でで大昔の『文化』の記憶を持ってはいるが、その他の多くの記憶を失っている。
非常に前向きな性格をしており、どんなときにもめげずにまっすぐ目標に向かって頑張ることができる少女。
個別ルートでは主人公に対して恋愛感情を持つ自分の気持ちと、アイドルとしての立場で板挟みになる様子が描かれており、物語後半ではトラブルに見舞われた船団の中で明かされる真実とそれに立ち向かう主人公、そしてすべてが絶望に覆われる中でも常に前を向き続けるアイの姿が描かれている。
唯一アフターストーリーが他のキャラクターと違うテイストという特徴もあり、AXLらしさの中でも光るものを見たということで高い評価にしている。
この√でだいたいの謎が空かされてはいるものの、詳細は他の√で明かされる真実を含めることで、やっと作品の背景設定がはっきりとする。


『アイよりアオい海の果て』ヒロイン (1)
七海 ナタネ√ 【 S 】  2-3h
唯一、手動操船できる「セブンスター号」の持ち主。
普段は漁業などをしているが、自称「海賊」を名乗るほど自由に海を渡ることにあこがれを持っている。いわゆる元気系キャラクターだが、すこしだけツンデレ要素を持つ。
個別ルート序盤では両想いになり、それまでは意識しなかった「女の子らしさ」という部分について考えたりするシーンが暖かく描かれている。
√後半では他の船団の情報や過去にあった出来事の真相なども明かされ、ナタネの夢とも絡んだ話となっており、ナタネの夢を守るために必死になる主人公が見られる√となっており、ある意味一番AXLらしい√ともいえる。


『アイよりアオい海の果て』ヒロイン (2)
真備 シオン√ 【 S+ 】  2-3h
この船の船団長の一人娘で、その手伝いをしている。
規律を重んじ、時には厳しいことを言ってしまう事も多いが、主人公の前だけでは甘えてしまう正統派ツンデレ、CV青山ゆかり。
個別ルートでは病に倒れた船団長の代わりに仕事をするシオンとそれをサポートする主人公の姿が描かれており、物語後半では明かされる主人公たちの出生の秘密に交えて、船団長とシオンとの親子の絆が描かれた話となっている。
語られる物語は非常に暖かく、特殊な設定ながらも普遍的な内容であり、高い評価にした。


『アイよりアオい海の果て』ヒロイン (3)
一刈盛 サンゴ√ 【 S 】  2-3h
少しだけ年上のお姉さん的存在。
おっとりとした性格をしており、主人公に対しては何かと世話を焼きたがる傾向も。
殆どにおいてドジではあるが、料理と包丁さばきに関してだけは引けを取らず、ナタネがとってきた魚をさばくことが多い。
個別ルート前半ではどうしても弟扱いしてしまうサンゴに対して主人公が熱烈にアタックするシーンが主に描かれており、後半ではサンゴ自身の秘密やそれに関連した船団の過去、そしてそれらを知ったサンゴの決断などがあり、割と重めの話になっている。


[ 主人公 ]静馬 アオ
船では師匠である『じっちゃん』と共に道具の修理・制作を担当している。
機械いじりが趣味で、作業に熱中すると周りの音が聞こえなくなるほどで、特に大昔の遺物である「ロストテクノロジー」には強い関心を抱いている。
リーダー的存在ではないが、温厚でまじめな性格から多くの人からは頼りにされている。


【推奨攻略順 : ナタネ→サンゴ→シオン→ノーマル→アイ 】
どのルートもある程度のネタバレがあるため、攻略順は好きなキャラからでよい。
アイ√とノーマル√のみ、1√攻略後に出現。


CG : 【 S 】
いつのAXLらしい絵。
CGの枚数や質も十二分で全体的なレベルの高さ(安定度)は言うまでもない。
ネタとなるSD絵が豊富なことも魅力の一つだろう。


音楽 : 【 S+ 】
BGM27曲、Vo曲3曲(OP/ED/挿入歌)という構成。
バリエーションの豊富なBGMはコミカルなものから陰鬱なものまで、各シーンに合わせたものがそろっているがどれも印象は薄い。
どちらかというとVo曲の質が高くなっていることが印象的で、各ED用曲がなくなっており数こそ少なくはなっているものの、茶太さんのクセになるテンポのOPやiyunaさんがしっとりと歌い上げた「melody star」は作中で流されていれば思わず涙してしまいそうなほどの出来。
挿入歌では各キャラが歌っており、こちらも必聴。


お勧め度 : 【 S+ 】
今回はSFを基盤とした物語となっていてAXLとしては…というより、物語としても割と珍しい物になっていたが、いつものAXLらしい元気の出る前向きな作品。
AXLファンはもちろんだが、各ルートのシナリオももしっかりと作られており、物語の内容を重視の人でも楽しめるように作られている。


総合評価 : 【 S+ 】
AXLの作品として十二分に良作と言える範囲の作品であり、全体的なレベルの高さは言うまでもない。曲やシナリオはAXLらしさを残しつつ新しい印象を与えるものになっており、その点を高く評価した。


(ぶっちゃけコーナー)
今回、実は評価に関しては結構悩んだ。
シナリオはよくできていたんだけど、泣けたかというとそういうわけでもない。
やっぱり、AXLではファンタジーとかの世界で繰り広げられる暖かい話が結構好きだったりするんだけど、今回はSFでも飛び切りの終末世界設定。
設定もよく作られていたなぁというのが正直な印象で、明かされていない事実や謎の部分、矛盾点も多少あるけれども、作品趣旨として「文化」を根付かせるため学校を作ったり、学園祭と称してライブをやったりと、狭い世界観の中でよく動く作品だった。
特にヒロイン達やサブキャラたちがよく登場し動いてるからこそ、寂しい世界観のなかでもAXLらしい明るさが常にあったように思う。
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[レビュー]Harmoniaの感想
2017-08-24 Thu 00:00
<作品名>     Harmonia
<製作会社名>   Key



Harmonia.png
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キャラクター・シナリオ : 【 S+ 】
チャプター0からチャプター8までで構成され、選択肢等は一切なくただ読み進めていく小説形式の全8章の作品。
終末世界のような荒廃した世界で人とフィロイド――機械人形のふれあいを描いた作品。
主人公のレイはフィロイドであり、最初に出会った人間シオナと共に生活し、町の人々と接していくことで失われた感情を取り戻していくことになる。
文章はすっきりとしており読みやすく、物語自体もそこまで長くないのでサクサクと読める物になっている。
その分泣きシーンに関しても弱くはなっており、完成度は割と高めではあるのだが心を動かせるかというと非常に苦しいところ。
世界観も相まって全体的な作りは非常に簡素に感じるため、そういう意味でも小説的な作品という表現が正しいだろう。
タイトルの「Harmonia」とはギリシア語で『調和』を意味しており、テーマとしては人間とフィロイドの調和ということで「planetarian」に近い作品となっている。
プレイ時間は非常に短い4-5h程度。

【推奨攻略順 : なし 】


CG : 【 S 】
基本CG数は15枚。
安定のいたる絵、慣れれば問題ない。


音楽 : 【 S+ 】
BGM15曲、Vo曲2曲という構成。
折戸さん、水月さんの両名がBGMを担当しており、個人的な大好物。
上げだすとキリがないが「Terrarum」「Oppidum」のようなこの世界感の根幹を現した曲が秀逸。寂しさの中にやはり温かさがあるそんな雰囲気。
Vo曲で特に印象に残ったのは霜月はるかさんの歌う「永遠の星へ」。
透き通るような声で歌いあげられるサビは作中で思わず涙を流してしまう人もいるのではないだろうか。


お勧め度 : 【 S 】
Key15周年記念ということで制作された作品。
短くサクッとプレイすることができ、よくできたSF作品なので、そういった理解のもの購入すべきだろう。
昔のKeyを想像して購入…という方にとってはやはり厳しく、特定深度のKeyのファンが購入するという物になってしまっている印象。


総合評価 : 【 S 】
個人的な感想としてはもう少し高くしていいような気もするのだが、やはり一般的な視点から見るとこのぐらいの評価。


(ぶっちゃけコーナー)
やっぱBGMとVo曲のレベルは高いよなぁ。
麻枝さんが参加してないので、ぐっと心に攻め込んでくるようなBGMこそないけれど、水月さんや折戸さんの音楽も個人的には好きだからね。
シナリオ的にはどうなんだろうなぁ…最近は結構真剣なSFっぽい作品に逃げがちな印象のあるKeyなんだけど、そこで押していくのが正解ではなさそうな気がするしなぁ…。
ただある日常が面白くて、そこに感動する話が詰まってる…という王道中の王道作品を高品質で書いていくのはかなり難しいとは思うけれど。。。
麻枝さんがシナリオから撤退した穴を埋めつつ、今までのKeyを保つには…という戦いがまだまだ続く気がする。
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[レビュー]ニュートンと林檎の樹の感想
2017-08-03 Thu 00:00
<作品名>    ニュートンと林檎の樹
<製作会社名>  Laplacian


ニュートンと林檎の樹
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キャラクター・シナリオ : 【 S 】


共通√ 【 S 】
タイムスリップ後にニュートン(アリス)と出会い、そしてその仲間たちと親交を深めつつつ、変わってしまった歴史や自分の時代への帰還という二つの目標の達成に対して行動する主人公たちの姿がメインで描かれている。
主軸として上記の物語があり、その物語から各キャラ√が分岐する形を取っている。
ギャグテイストの文章で非常に読みやすく、サクサクと進む部分が多いのだが、タイムスリップの原理関係の話題が出ると、どうしても難しくなる部分があるのは確かで、
展開力自体はあるのだが、泣きシーンへの導入がかなり強引でサクッと終わってしまうことなど、不自然さが多く物語り全体がぎこちなくなっている。


nyu- (2)
一二三 四五√ 【 S 】  1.5h
主人公の幼馴染で測量が趣味。
知識量も主人公が羨望するほど豊富なのだが、感情すら「定義」してしまうほど融通のきかないタイプでもある。
個別√では彼女が秘めていた主人公への想いという物にフォーカスを当てている。
主人公を最初から想っており、立ち位置や過去の約束なども含めるとメイン中のメインキャラクターとも言えるのだが、どちらかと言うとBADENDのようなルート。
主人公の挫折の理由なども語られており、わりと短いルートではあるが重要な要素が語られている。
本人√よりも他ヒロインの√での姿に心動かされることも多いキャラクター。

nyu- (4)
ラビ・ジエール√ 【 S 】  1.5h
テンプリッジ大学に居座っているつかみどころのない科学者。
母親が現代日本以上の科学力を持っていっために魔女扱いされ、共に亡命してきた過去を持っている。
理解力は高く、好奇心も旺盛で、いわゆるマッドサイエンティスト。
個別√はラビの母親に関連したエピソードをきっかけに付き合うことになる。
物語の展開としては「タイムスリップ作品のBAD√」といった物になっており、お世辞にも後味は良くない。また、彼女だけ2週目の攻略において一部の台詞が変化する。
個別√で流れる動画の「コレジャナイ」感は半端ない。
ちなみに彼女の正体はアリス√の後半で判明する。

nyu- (3)
九十九 春√ 【 S 】  1.5h
同じ日本の血が流れる天文学を専門とした優しい年上のお姉さん。
アリスの親友でもあり、いつか日本を見ることを夢見ている。
個別ルートにいたるまでは春の未来での正体やアリス(ニュートン)との関係、プリンキピアの出版経緯に絡んだ問題が析出する。
ここにラビの影響が強くかかわっていることもかなり印象深く、四五など、攻略後のヒロインに関してもしっかりと行動させているあたりは好印象。
しかし個別ルートに入った後はいつも通りイチャイチャしつつ、すこし引っかかりを覚える終わり方をする。


nyu- (5)
エミー・フェルトン√ 【 S 】  1h
アリスたちの暮らす寮の管理をしているメイドであり、無類のイモ好き。
時折論文等を読んでいることから科学的な素養もあるらしい。
個別ルートにいたるまでにアリス自身について非常に掘り下げられる所であり、科学者としての面だけではなく、人間的な闇の部分にも言及している。また、割と衝撃の事実が判明する。
エミー√に入ってからはいつも通りの流れでエミー自身については書くべきところがほとんどないのだが、四五との別れ方が印象的。


nyu- (1)
アリス・ベッドフォード√ 【 S+ 】  1.5h
修二と四五がタイムスリップして初めて出会う少女であり、ニュートンというペンネームで論文をいくつも寄稿していた物語の中心ともいえる人物。
ニュートンの人物像はほとんどが想像であり、実際は生意気な金髪ロリっ子
彼女の個別ルートではもともとの目的であった「歴史改変」「現代への帰還」という二つの目標を達成するための√。
基本的にはギャグ路線のこの作品ではあったが、彼女の√にかんしてはどうしても悲しさが漂い、挿入される動画もどちらかというとそういった作りになっている。
このルートのために作られた作品でもあるため、思わず涙してしまう場面もあり、つくりとしても全体的にみれば突出している。
しかしながら、素材としてもうすこしの展開を期待していた部分もあり、表かとしては抑えめ。攻略後に「強くてニューゲーム」という半ばパロディーアフター√がある。


nyu- (6)
[ 主人公 ]
ノーブル物理学賞(※正確には違う)を受賞した祖父をもつ青年。
昔は祖父の下で四五と共に科学を学んでいたが、とある出来事により挫折、音楽の道へと進んでいたが、お世辞にもうまくいってはいなかった。
基本的には対応力が高く好奇心旺盛なのだが、どこか自分の能力に対してネガティブなところがある。


【推奨攻略順 : 四五→ラビ→春→エミー→アリス 】
1周目で攻略可能なのが四五とラビ、ラビ攻略後にほかのキャラクターが攻略可能となる。
シナリオの構成的にも基本的にこの順番が堅い。

CG : 【 S 】
細い線、濃い塗りに薄く特殊なエフェクトをかけている絵。
質に関しても総じて綺麗なのだが、どことなくバランスに危うさがある部分も。
全体的にはアップのCGよりは引いて描かれたもののほうが綺麗な印象。
SD絵も多数存在している。

音楽 : 【 S 】
BGM11曲、Vo曲2曲(OP/ED)+αという構成。
非常に少ないBGMは物語へのバリエーションという意味では不足だった。
「贅沢な日々」などに代表される、華やかで時代を感じさせる音楽が印象的な他、「ノブレス・オブリージュ」や「抱きしめたその手で」のような、誇らしくも一抹の悲しさが残るBGMが印象的であった。
曲として特筆しておきたいのはイントロが非常に素晴らしいOPの「風の唄」。
また、「+α」に関しては、各キャラに専用の動画が用意されており、その中で軽いラップ…のような音楽があるため、このような表記とした。

お勧め度 : 【 S+ 】
物理学史にとって重要な1687年にタイムスリップするという、「コミカル・タイムトラベル」作品。
基本的にはエロを交えたギャグテイスト中心の作品となっており、難しいことや矛盾には一切手を触れないように作られているため、真剣にタイムスリップ作品をプレイしたい人は注意が必要。
笑えて、すこし泣けて…という宣伝には偽りなし。


総合評価 : 【 S 】
ギャグ中心の作品でありながらストーリーもそこそこ作りこまれており、評価としては安定しているがあと一歩が足りないのも確か。

(ぶっちゃけコーナー)
全部終わった後に「まぁ、史実がこんなのでも面白いかもな」と思わせてくれる程度にはよくできている作品。
それだけに、やはりもう一歩踏み込んだものを作ってほしかったのも確か。
ストーリーとギャグのバランスが難しかったのもある。
ギャグ自体にそこまで破壊力がないのでストーリーで補っているのだが、そのせいでギャグが寒くなっていたり、逆にギャグのせいでストーリーに集中できなかったり。。。
個別ルートが適当だったのもやはりつらいところ。
展開として不器用で強引なところがあるのを見逃しておくとしても、、短いし展開として似すぎている。
四五やラビ、アリスなどは心の描写をもっと深めていけば全然違うテイストで重要シーンには入れていたんじゃないかなぁ…。
この作品に出てくるサブキャラも含めて意外と面白いんだから、そのへんは活かしてほしかったかも。BGMのバリエーションの少なさも気になるし…。
動画のテイストも「そうじゃないんだよな…」という感じが否めない。
あれは民安さんの歌唱力があってこそだったんだよ…。
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[レビュー]トリノラインの感想
2017-06-15 Thu 00:00
<作品名>     トリノライン
<製作会社名>   minori



トリノライン

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キャラクター・シナリオ : 【 S 】
RCCという研究所があり、実験的にアンドロイド等の先進技術の研究がおこなわれている島が舞台の作品。
作品としての要素はたくさんあるのだが、全体を通してみてみるとはよくあるSF小説みたいな内容。
序盤に関しては展開に強引なところも見られ、登場人物に感情移入するのが難しいところが多くみられるが次第と改善されていき、各ルートごとではしっかりと伝えたい話は存在しており、物語自体もうまく組み立てられているため、読んでいて苦痛になることは少ないはず。
物語としての完成度が高いのは頷けるのだが、しっかりと纏まりすぎていて延長性や人の心に踏み込んでくる「なにか」がないのもまた事実であり、この作品ならではの魅力というものに少し欠けてきているのではないかとも思う。


【 主人公 】七波 舜
幼い頃…とは言えなくなってきた頃に妹「白音」を亡くしたことにより、時折落ち込む様子をみせてはいるものの、それ以外では平均的な少年。
割と優柔不断で心が弱い面が描かれており、シロネにいわせると「非常に人間らしい」。
しかしながら、やはり魅力に欠ける主人公という表現に否定はできず、人によって非常に好き嫌いが激しそうなキャラクターではある。

トリノライン1
七波 シロネ 【 S+ 】
主人公の妹の記憶を引きついぎ高度人工知能「トリノ」を持つ存在。
沙羅に作られ「主人公を幸せにする」という目的のもと、主人公の元へやってきた。
主人公の事は「お兄ちゃん」と呼んでいる。
個別ルートのテーマは「永遠の命」と「恋」。
「トリノ」というアンドロイドとしての恋を真正面から描くと共に、その想いの所在や記憶との関連性など、このテーマの作品では欠かせない部分をメインとして取り上げている。
後半にかけて非常に盛り上がる内容となっており、アンドロイドの目線から描く特に永遠に続く恋については同時に非常に考えさせられる物となっていた。
シナリオとしても物語としても完成度が高く、思わぬところで涙してしまうこともある。
終盤やエピローグに関しては賛否両論が出そうではあるが、雰囲気ゲーともいわれるこの作品においてはとても親和性の高い、そして相性の良い内容であった。

トリノライン2
宮風 夕梨 【 S 】
主人公の幼馴染であり1歳年下の後輩、序盤から確実に主人公の事が好きな雰囲気を醸し出しており、笑顔が多く明るく元気なキャラクターとして描かれている。
個別ルートでは主人公に忘れられた立場を利用して恋仲になるなど、非常に押しの強い展開となっているが、彼女自身の問題が露呈した後の中盤~後半にかけては驚くほど雰囲気が変化する。
もちろん人工知能である「トリノ」を利用した展開もあり、この√に非常に深くかかわった内容となり、後半で主人公が語った「ユウリは自分自身である」という言葉は、この√のテーマ以上に深く根差した主題の一つと言える。

トリノライン3
柚木 沙羅 【 S 】
主人公の幼馴染の一人であり、白音が亡くなった後は連絡が取りづらくなっていたが、ある日シロネを連れて主人公の前に現れた。
現在は主人公の父親である七波博士を師と仰ぎ、そのたぐいまれなる才能でアンドロイドに関する画期的な発明を次々と発表している。
白音√や夕梨√では完璧で冷徹(?)な研究者として描かれている。
個別ルートでは今までにもましてSF小説の体を深めた作品となっており、陰謀なども登場しつつアンドロイド及び人工知能についてを中心的なテーマとして扱った物語なのだが、ある意味使い古された内容のリピート…と取れる部分もあり、評価としては抑えめになる。


【推奨攻略順 : 夕梨→シロネ→沙羅 】
沙羅√はほかの2キャラの√クリア後なので、夕梨とシロネのクリア順のみの自由度。
どちらでも構わないが、物語の深度的にシロネが後ろの方がいいかも…?

CG : 【 S 】
前作に引き続き、並んでの登校シーンや振り向きシーンなど一部で動画のような演出を多用しており、立ち絵だけではなく、イベントシーンにいたっても目パチ口パク。
イベントCG・立ち絵に関しては非常に完成度が高く、枚数も多い。
非常に美麗で動く部分も多いイメージ、業界内でも屈指と言えるだろう。
しかし同会社作品と比較して演出方法の進歩があまり見られないのも確か。

音楽 : 【 S 】
BGM50曲、Vo曲4曲(OP/ED3)という構成。
BGMに関しては「swim」や「forest」等繊細かつ綺麗な旋律の曲が多いイメージであり、同時に「reconciled」等の静かで物悲しい曲も多く、作品の雰囲気づくりに関しては他の会社を寄せ付けないレベル。
Vo曲に関しては原田ひとみさんの歌うOP「Tetra」を代表として、しっとりと情熱的に歌いあげられた曲が多く、質は保証できる。

お勧め度 : 【 S+ 】
SF小説、特にアンドロイドや人工知能物が好きな人には手に取ってほしい作品。
物語としても十二分によくできた作品ではあるので、興味を持った方、または雰囲気が好きだという方はそのままプレイしても後悔することはないだろう。

総合評価 : 【 S 】
物語の完成度は高く、見どころもあったのだが、されど心動かすものではない。
厳しい評価ではあるが正直な感想としてこの評価。

(ぶっちゃけコーナー)
シロネ√では確かに評価したい部分もあったのだが、それを超えての沙羅√ではやっぱりそれを超えてほしいのがプレイヤー側の意見。
SF小説的なものは世にたくさんあって、その中で戦うというのはもちろん悪い選択ではないのだけれど(王道は素晴らしい)、だからと言ってその中に埋没してしまっては元も子もない。
どうしても話が小さくなりがちな雰囲気があったのは確かだし、主人公の言動も右往左往しすぎだし、感情移入がしにくかったのも原因かも。
雰囲気ゲーといわれていたこの会社の作品であり、今回もその評価にたがわぬ作品ではあったのだが…それ”以上”の実力を持ってるのは確かなので、もう少しいいところを見てみたい…というところもあってこの評価。
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[レビュー]カミカゼ☆エクスプローラー!の感想
2017-05-25 Thu 00:00
<作品名>     カミカゼ☆エクスプローラー!
<製作会社名> クロシェット


カミカゼ☆エクスプローラー!

公式ページ
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シナリオ : 【 S 】
攻略キャラは5キャラ。
共通ルートにも比較的量があるが、各ルート3h程度とボリュームに関しては十二分。
『メティス』という異能が一部の人間に発現したという設定を舞台とした作品。
部活動『アルゴノート』の一員として日々発生する能力由来の問題や事件を解決してゆく話の作品で、メインはキャラゲー・萌えゲー作品なのだが、どのルートにもその能力設定がうまく利用されており、シナリオとしての完成度も驚くほど高い。
特に能力に関してはよく考えられており、異能バトル物ではないものの興味を持つ人が出ても不思議ではないほどしっかりと描かれている。
物語の裏には『とある真相(黒幕)』が隠されており、どのルートも程度や展開の差はあれど、その事実と向き会うことになるのだが特にメインとなっているのは風花・美汐・沙織の3キャラであり、良くも悪くもこの三人のどれかをプレイすることで基本的にすべて把握できてしまう。
物語の裏にあるのは一つの事実ではあるものの、どのルートも展開をしっかりと変えており、どのルートから攻略しても楽しみを残す形としているのは評価したい点。
もちろん、メインと言える恋愛描写等に関しても質の高いものが用意されており、どの分野に関しても期待を裏切られる…ということはない。
メインがそこにある分、シナリオがあまり深刻な展開にならずプレイ後の読後感もすっきりと気持ちいいのも作品の一つの魅力と言えるだろう。

【 主人公 】 速瀬慶司
コピー能力持ちの主人公。
好奇心旺盛で洞察力・観察力にも優れており、特に各能力を巧く使うことに関しては秀でている。
エロに関しても控えはするものの興味はある様子なのだが、恋愛に関しては(無)意識的に”しないように”しているらしい?

カミカゼ☆エクスプローラー! CHARACTER (1)
姫川風花√ 【 S 】
圧縮空気による絶対防御の使い手。天然で少しドジだけど面倒見のいいクラス委員長であり、この作品のメインヒロインともいえる立ち位置にいるキャラクター。
ストーリーに関しては、沙織・美汐√とは違った展開で全登場キャラクター協力のもと黒幕がしっかりと判明・捕縛されており、主人公と風花の能力についてや『メティス』という能力の存在自体にも少しだけ触れた内容になっている。
しかしながらあくまでメインはやはり風花というキャラクターについてであり、意識し始めてから付き合うまでの恋愛描写は王道というべき程オーソドックスでありながら、しっかりと描写されており、この作品の魅力ともいえる部分だろう。
ちなみにタイトル回収√でもある。

カミカゼ☆エクスプローラー! CHARACTER
祐天寺美汐√ 【 S 】
過去にであったことがあるらしい後輩、気弱ななんちゃって女王様。凄腕の炎使い。
大財閥のお嬢様ではあるものの、押しの弱い性格をしているがとある理由により尊大に振るまっており、そのため風紀委員の沙織とは敬遠の仲になってしまっている。
ちなみに、その実情に関しては早瀬兄妹には一瞬でばれている。
ストーリーとしては沙織と同じく物語の真相へしっかりと迫った内容になっており、恋愛方面とあわせて成長していく様子が比較的よく描写されている。

カミカゼ☆エクスプローラー! CHARACTER (2)
速瀬 まなみ√ 【 S 】
主人公の実妹で極度のブラコン。メティスの局所集中による貫通能力持ち。
ストーリー自体はわりとテンプレな兄弟物で、盛り上がりはしないけれど、評価を下げるほどの展開もなく無難。
実妹であると言うことに関しては比較的親権に向き合うが、それもおまけ程度。
共通で出現した複線を驚くほど回収し手はいるものの、一部は判明しておらずあくまで作品の裏にある大筋の流れに関してのものまでとなっている。
恋愛方面に関しては妹スキーのための√といってよく、キャラゲー・萌えゲーの代表的シナリオと言える。

カミカゼ☆エクスプローラー! CHARACTER (3)

沖原琴羽√ 【 S 】
ツンデレ系幼馴染、水中での活動能力を向上させる能力持ち。
実際は幼い頃から主人公の事が好きで、付き合ってからは前面にそれが出ている。
ストーリーとしては最も事態の真相から遠い内容となっており、そういう意味では彼女との恋愛を楽しみやすい内容にもなっている。もちろん√終盤では能力を生かしたシーンもあり、作品の導入にはふさわしい√ともいえる。

カミカゼ☆エクスプローラー! CHARACTER (4)
宇佐美沙織√ 【 S+ 】
気の強いまじめな先輩風紀委員でツンデレ枠、影から疑似生命を生み出せる能力持ち。
基本的には嫌われているような状態からなりゆきで恋人みたいな関係になっており、恋愛部分においてはそのあたりの描写がメインとなっている。
ストーリーに関しては、沙織の持つ能力と彼女の過去に関連した内容となっている。
特に沙織能力に関しては非常に深く踏み込んでおり、美汐√と並んで物語の真相を別の側面から見つめている。
後半にかけては盛り上がりを見せ、能力と心理描写を絡めたシナリオは泣けはしないものの、非常に読み込める内容の深いものとなっているため、全キャラのなかでも評価を高くしている。

【推奨攻略順 : 琴羽→まなみ→沙織→美汐→風花 】
攻略に際して特にロック等はないので好きな順番での攻略が望ましい

CG : 【 S 】
線質が硬く、濃い塗りの絵。
キャラクターが5キャラではあるものの、1キャラに対して用意されているCGは多く特にHCGに関してはこれだけ揃えていれば十分というほかない。
質に関しても安定して高く、時折目を見張るものも存在しており、作品としての価値を高めている部分と言えるだろう。

音楽 : 【 S 】
BGM20曲、Vo曲3曲(OP1/ED2)という構成。
BGMのバリエーションは物語の量と比較すると驚くほど少なく、いささか残念なところ。
一般的な品ぞろえではあるものの印象に残るものも多く、質は低くない。
Vo曲に関しても特筆すべき点はないが、「believe in love」のサビが「赤いスイートピー」のサビを彷彿とさせる。

お勧め度 : 【 S+ 】
クロシェットの代表的ともいえる作品。
萌えゲー・キャラゲーとしての評価だけでなく、その他の方面に関しても平均してレベルの高い作品となっている。
そのため広くお勧めしやすい作品となっており、特にこの会社の作風を知るうえでは参考になるだろう明るいタイトルとなっている。

総合評価 : 【 S 】
全体的に完成度は高いものの、どうしても個人的な評価方法でキャラゲー・萌えゲーは評価が低くなりがち。
実際はもう少し評価を高くしたいところなので、各評価の詳細をしっかりと見てほしい。

(ぶっちゃけコーナー)
どうしても真相にたどり着いてしまわないと不自然だから、どのルートに進んでもだいたいのことがわかっちゃんだよね。
そういう意味では物語の進め方は自然なんだけど、展開を変えてもストーリーの質として似てしまっているのが残念なところ。
能力を生かした展開等はすごく好きで、ここにもう一つストーリーとして深い部分を作ってくれれば…と思わなくもないけれど、メインは萌え・キャラゲーなんだし、それは酷だよな…。

この作品には関係ないけど今回から評価の分類を少し細分化しました。
各ルートについてもう少し詳しくかけたらいいけど、欠き方が安定するまではちょこちょこ変わるかも。
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