自作の壁紙や泣きゲーレビュー公開しているブログ。チャットルームや自作小説もあります そんな鍵っ子小説家のブログです。
☆★☆★ 毎日0時の定期更新中。現在は壁紙制作・泣きゲーレビューが主活動 ★☆★☆





 


[レビュー]シンソウノイズ ~受信探偵の事件簿~の感想
2017-02-18 Sat 00:00
<作品名>    シンソウノイズ ~受信探偵の事件簿~
<製作会社名>  Azurite

シンソウノイズ ~受信探偵の事件簿~

シナリオ構成
S++
全7章構成の作品。
1-2章は共通ルートで3章からは各章でキャラ分岐が発生する形となっている。
基本的にキャラ√1h程度と短めになっている。
原則として各章で一つの事件が発生するため、全体的なボリュームは十二分と言えるだろう。

【推奨攻略順 : ひかり→夏希→沙彩→百合子→萌花BAD→萌花→さくら→TRUE 】
攻略順に指定はないのだが、物語の形状通り、発生した分岐キャラ√をこなしていくのがよいだろう。

CG
S
線と塗りが濃く、肉感の強い絵。
立ち絵やイベントCGは完成度が高く見入ってしまうほどとは言えないものの、独特の質感の絵はエロシーンを含む肌が多く出るシーンで本領を発揮している。
多くはないのだが、バトルシーンだけすこし毛色の違う雰囲気になっているのも特徴的だろうか。

音楽
S++
BGM34曲、Vo曲2曲(OP/ED)という構成。
幅広くそろえているBGMの中で目を引くのはやはり探偵シーン関連の物。
特に推理シーンを代表とする「真相推理」や犯人決定シーン用の「犯人はお前だ!」などは特有の物だろう。各所で鳥肌物だった「決意の時」も特に素晴らしいBGMとして追記しておく。
Vo曲は高音がクセになるOPやEDのシックでかっこいい雰囲気に誰しもが虜になるだろう。
ちなみにEDに関しては萌花VerとさくらVerがある。

お勧め度
S++
SF推理サスペンスをメインとした青春学園物。
心が読める主人公がとある事件を発端として探偵として数々の事件を解決していくこととなる作品で、推理物、サスペンス物が好きな人には是非にお勧めしたい。
特殊能力も出てくるが、バトル等は基本的にないと思ってよい。

総合評価
S++

公式ホームページ
↑クリックすると公式HPに飛びます。

生まれつき他人の心を読んでしまうという能力をもった人物が主人公の今作。
学校行事のために班を組まされることで出会った6人。
感じの悪い委員長系女子、クラスのマドンナ、自称霊感少女、お調子者、スポーツバカ、そして前から気になっていた少女――。
彼らと出会うことで物語は始まった。

この作品を簡単に表すなら、巻き込まれた”事件”を心を読む能力を駆使しつつ解決していく青春学園物なのだろう。
現に最初はヒロインの一人の体操服が盗まれるという事件の犯人に間違われるというシチュエーションで力を発揮する。
それが、クイズイベントになり、殺人事件になり…と章を経るごとにヒートアップしていくのは言うまでもない。

心が読めるということで推理者としては少し邪道な部分もあるが、「心の声」を出したのが誰かわからないという制約があるため、実際に誰が犯人なのかわかることは少なく、あくまで「論拠」の一つとして扱われることが多く、実際に問い詰める際には物証等をきちんと用意している。

シナリオとして推理の質は実はそこまで高くないのだが、ゲームのシステムを巧くつかいそのあたりをカバーしていたことに関しては高い評価をしている。
今まで似たような探偵物や推理物があったけれど、これほどまでに巧くプレイヤーを参加者として推理物の魅力を伝えられた作品は類を見ない。
質が高くない、とはいったものの6章のクイズ等、謎解き物としては一般小説に負けないレベルであることは保証したい。また、後半までは選択肢等を間違えても、何度も挑戦できるあたりも個人的にはうれしかったり。

推理(事件)自体も魅力なのだが、主人公がもともと根暗(能力ゆえに)で無気力な人間だったはずなのだが、物語が進むごとに探偵としての信用を勝ち取っていき人間関係を作っていく様をきちんと描けていることに関しては手放しで称賛したい。
個人的には「犯人はお前だ!」を綺麗に言えない主人公に何度も愛おしさを感じたし、だからこそ人間的な主人公がステップアップしていくごとに自分ことのように喜びを覚えた。

推理論拠の一つとして扱われている「心の声」を各キャラの心理描写として使用しているシーンがあるのも魅力の一つだろう。
一対一での会話などで心の声を聴かせるシーンは作中に多くあり、作品自体が持つ設定を巧く使いキャラクターを作りこめており、だからこそ作中に出てくる班のメンバーすべてに愛着を持つことができる。
作品には魅力的なキャラクターが驚くほど多く出てくるが、その中でも班メンバーはやはり別格といってもよく、そういう雰囲気に持っていけたからこそ、終盤には泣きシーンを作れた部分もあるのだろう。

推理物というと謎解きがメインのように思えたが、セットである「犯行動機」が物語で重要になるようにこの作品では「心」をとても大切に取り扱った作品であり、楽しくもあり、悲しくもある非常に読み応えのある作品に仕上がってたといえる。

コンフィグ等にかんしては基本的な部分についてそろっており、プレイに支障なし。

【総括】
本格的な推理アリの青春学園サスペンス物として不動の地位を築いたといっても過言ではない名作の一つであると自信を持って保証する。

(ぶっちゃけコーナー)
推理物って小説でも結構苦手な部類になるんだけど、これはほんとにおもしろい。
純粋に面白いと思えた作品はそういう意味では久しぶりなのかも。
推理要素以外にも面白いところが多かったのが振り返った感想でもある。
主人公が好きになる作品はやっぱり面白くなりやすいなぁ。
そういえば推理物というと過去にはあかべぇさんとかが作ってたけど、推理の質も違うし、古式迷宮みたいな変な選択肢制度でもないからすごくプレイしやすい。
あとエンドあとに各キャラの声優コメントが聞けるんだが、皆適当なこと言いすぎて笑ってた。くすはらゆいさんが最後の最後まで本当のことを言わな過ぎた…。
スポンサーサイト
拍手する
別窓で開く | ゲームのレビュー | この記事へコメントをする:0 | トラックバック:0 | top↑
[レビュー]銀色、遥かの感想
2016-12-03 Sat 00:00
<作品名>    銀色、遥か
<製作会社名>  tone work's

銀色、遥か

シナリオ構成
S++
攻略キャラは5キャラ。共通ルートもかなり長く、各ルートも4h程度となっているため、全体的なボリュームを換算すると過去の作品を含めてもかなり長めの大ボリューム作品となっている。

【推奨攻略順 : 椛→雛多→雪月→瑞羽→ベスリー 】
攻略順に指定はなく、またネタバレもほとんどないため好きなキャラからの攻略で問題ないだろう。

CG
S
立ち絵、イベントCG、背景は品質の変わらない高レベルなものが勢ぞろい。
今までのものと比べると特に目元に特徴が出やすい傾向があるものが多い。
各キャラの構図数はもちろんなのだが差分の数も多いことが特徴的。

音楽
EX--
Vo曲12曲(OP1/挿入歌1/各キャラ用楽曲2)、BGM34曲(inst含)という驚異的なボリューム。
BGMに関しては一部は私の大好きな水月陵さんも参加しており、数は少ないものの「繋がる心」や「小さな足跡」など物語としてのキーポイントで流される大切な曲を作成している。他にもどんまるさん作曲の「雪解け」や「雪降る街」など舞台とした北国をイメージとした曲たちも効果的に作品の世界を作り出していたといえる。
Vo曲については言わずもがな、各曲有名な歌手を起用し各キャラをイメージした曲を作成してもらっているためはずれがなく、いずれも良曲。クリア後にじっくりと聞いてもらいたい曲ばかりがそろっている。

お勧め度
EX--
いままでの「tone work's」作品が好きだった方には安心して進められる作品。他に新規であっても、しっかりとした恋愛学園物が好きな方にはもれなくおすすめできる作品となっている。ボリュームがあるので、物語を読みなれてない初心者等にはお勧めしにくいのは確かなのだが、物語に入ってしまえばしっかりと引き込まれる作りにはなっているので、広く手に取ってほしい作品の一つと言えるだろう。

総合評価
S++

公式ホームページ
↑クリックすると公式HPに飛びます。

今回は北国、幌路(札幌)を舞台とした作品。
タイトルからもわかる通りあくまでメインとして扱われる季節は冬なのだが、物語は大まかに3つの章【中学編→(キャラ分岐)→学園編→大学・社会編(アフター)】という風に分かれており、特に中学編の選択肢によってクリアするキャラクターが変わるというシステムを採用したのは選択式の物語でどうしても発生してしまう不自然さをカバーできるという観点でも見事というほかない。

とにかく以前の作品から続いていることであるが、本当に描写が丁寧。
各キャラに関してのことはもちろん、十年単位の物語の中で起こる各イベントについても注力するところはしっかりと注力し、省くところはさっぱりと省く。
だからこそ一つ一つのイベントにゆったりと浸ることができる。その中で垣間見えるキャラクターの魅力というものに触れていく上で感情移入が高くなるので、どうあっても感動等が起こりやすいというのも、この作品の特徴なのだろう。

学園編やアフターに関しては各ルートで驚くほど共通点がないのも印象的。
攻略対象としたキャラクターによって物語の展開や中心となる人物は様変わりしていき、無駄な使いまわし等がない。また、各キャラクターの進路や展開についても少々変更され手織り、だからこその物語に不自然さがなく、続いての付き合いができている。
物語として扱うテーマも根本に関しては同じテイストではあるのだが、伝え方を変えて各キャラの人生の縮図ともいえるキャラのシナリオを描き上げている。

ネタバレを防ぐためにもすべての√について語るわけにはいかないが、ここまでバラエティあふれる作品をプレイしたのはそれこそ前作の「星織ユメミライ」以来だろう。
今までの作品もそうなのだが、選択式の恋愛(学園)物としてはほぼ完成の域に達しているといってもいい。その中でこの作品をどう差別化するかというのがこの作品の問題ともいえたのだが、今までの作品と比べるとシナリオ扱っている時間が長く、テーマとして「夢」というものに現実的な肉付けができている。
今までの多くの作品は「アフター」というとどうしてもたくさんの時間が飛ばされ、結果だけを描写されてしまうことが多いが、この作品はその「アフター」にたどり着くまでをしっかりと描き出した作品なのである。
さらにその夢を目指すに至る最初の夢の芽生えやきっかけを描き出すために中学編を追加したことでそれらの感情にリアリティが追加されて、俄然物語としての完成度が高くなっている。
それらは「アフター」へたどり着くためには人間として必要なものであり、それを描き切るからこそ、ボリュームが多くなるのは当然と言える。
無駄なことを多く語ってしまっているが簡潔にまとめると人綴りの人生が凝縮された良い作品という事。

ヒロインたちだけではなく、今回主人公も多種多様な立ち回りをしていた。
だからこそ少しだけ存在感を大きくしてほしいなと思ったのが今回唯一の改善希望が出た場所。割と特殊な環境で過ごした彼なのだが、少しだけ過去の遺恨への振れ方がソフトで、もう少し各ルートで少し触れて扱いを大きくしてもいいのかな、と思った。

ここまで語ったが、意外にも泣きシーンという意味では少ない。
勘違いしてほしくないのは、泣けるところはたくさんあるのだがそのレベルがそこまで高くないというのが正直なところ。
というのも、今回の作品は先ほども語った通り「人生」や「夢の実現」という長いものをテーマとした作品であるため、どしても一つのイベントだけではなく大局的に表現する部分が多く、丁寧に書かれてはいるものの一発の感動という意味ではあまり大きな波を起こせていない。
その代りに読後感や引き込まれる感覚はほかの作品の比ではなくなっている。


システム等に問題はなく、プレイを快適に行えるレベルがそろっている。

【総括】
全体的なレベルが高く、この評価だけではなくそれ以上の評価を付けてもよいのではないかと思ったほど完成度としては高い。

(ぶっちゃけコーナー)
本当に振り返ると各ルートたくさんのことがあったなぁ。
驚いたのはその舞台が幌路だけに収まっていないことで、ベスリーやとあるキャラではその舞台が海外にまで及び、しかも結構書き込まれているという事。
ベスリー√で少し思たが、留学生としっかりと恋に落ちる作品を描いていたのも印象的。
国際結婚の手続きとかね。あとありがちな瑞羽√も他の作品と比べられやすいスポーツものだったけど、うまく自分のテリトリーに持ってきていいシナリオにしていた。
フィギュアという表現の難しいスポーツもED使ったりして効果的に表現してたしな。
あとハルはまじめに学園編当たりから死ぬのかなぁ…って思ってたごめんなさい。安易な泣きに逃げなかったのは本当に評価したいとともに、それに思い至った私は反省します。。。
まだまだ書きたいことがあるけど、これくらいにしておこう。。。
拍手する
別窓で開く | ゲームのレビュー | この記事へコメントをする:0 | トラックバック:0 | top↑
[レビュー]生命のスペアの感想
2016-11-12 Sat 00:00
<作品名>    生命のスペア
<製作会社名>  あかべぇそふとすりぃ

生命のスペア

シナリオ構成
S+
選択肢無の一本√、攻略時間は約8時間程度。
ミドルプライスということを鑑みると妥当なボリュームだろう。

【推奨攻略順 : 選択肢無 】

CG
S
硬い線質のCG。
全体的な完成度が高く美麗なのは言うまでもない。
量に関してもシナリオ量に見合った分量はあるといえる。

音楽
S+
Vo曲1曲(OP)、BGM20曲という構成。
やはり特筆すべきは霜月さんのOP「Liblume」。作品を現して余りある2番からの歌詞はゲームクリア後に涙腺必死の必聴ものとなっている。
BGMもどちらかというと綺麗、せつない系の物で統一されている。そんな中個人的に推したいのは「陽だまりの隙間」というBGM。
名前の通り、この作品では珍しい日常系の明るい曲なのですが、物語に付きまとうどうしても悲しい雰囲気もこの曲を聴いているときだけは忘れられました。

お勧め度
S+
不治の病という覆りようのない現実を通して感じる死生観をテーマにした作品。
基本的に希望のない悲しいお話なので、読後感が非常にいい! などとは口を避けても言えない。
それでも丁寧に綴られた心理描写等はプレイヤーをしっかりと物語の世界へとサポートしてくれており、しっかりとしたシナリオと合わせて初心者を中心におすすめしたい作品。

総合評価
S+

公式ホームページ

↑クリックすると公式HPに飛びます。

桜紋病――かかると胸に浮かび上がる桜の模様が特徴で、時折激痛がはしりその痛みで自傷行為を行ってしまうほどの不治の病。この物語は桜紋病に侵された彼女たちの残された時間を見届ける物語である。

今回のメインヒロイン恵璃は幼い頃に桜紋病に侵された少女であり、その妹である璃亜は姉の”スペア”として生まれたデザイナーズベイビー。
ストーリーのネタバレは避けたいので物語の核心的な展開部分については語ることはしないが、心臓移植を行うことで治るとされている桜紋病において、妹の存在は姉の命に等しく、それがこの物語のキモともいえる部分だろう。そして妹の「私の命は姉の物であって当然」という考えもそれを手伝う。こういった物語の作品に慣れている人物ならばある程度のシナリオが予想できるかもしれないが、大筋においてはその路線を抜けることはない。

物語の序盤、約1年前の出会いの出来事もクロスオーバーしヒロインである恵璃との恋を深めていくシーンにフォーカスが当たる。
当然であるが、重要な事としてすごく魅力的なヒロインを描き出していた。
性格を一言で表すなら古き良きツンデレ。皆の前ではクールビューティとされるが、二人になるとデレてくれる何ともいじらしく、思わず好きになれずにはいられない。

中盤は一言では表せないが、一つ上げるなら家族に触れられなかった主人公が病気を通して、恵璃の家族たちからそのぬくもりを受けるというシーンでもあるだろう。
この作品に「家族」のタグをつけたのもそれが理由の一つでもある。
ここの部分に関してはあまり文字にして直接書かれる部分はなく、主人公の家族周辺の状況がポツポツと出てくるその対比で掘り下げられるような分野なので、どこまで感じることができるかはプレイヤー次第と言えるだろう。

終盤は終わる命に向けて、ある意味この作品でのメインコンテンツともいえる、病気との闘いとそして目前に迫っている死を通しての生きることを想うこと。
この部分に関しては果てしてどこまで迫って書けば正解なのか、どこまで書けば”ありきたりな物語”になってしまうのかというボーダーが難しいところ。

今回に関してはどうしても駆け足になった部分が目立ったというのが正直なところ。
もちろん終盤だけの話ではなく、中盤から終盤にかけては起こる出来事の大きさが大きすぎてどうしてもプレイヤー側も心の動きが追い付けなかった。
もう少し丁寧に演出を考えて泣かせてほしい部分のスルーや状況説明(心理描写)などの不足点も見られる。泣かせる勢いのあるBGMやVo曲などはそろっていたのでそのあたりでもう少し工夫してほしかったところ。

コンフィグに関しては特に何か不満を感じることはない。

【総括】
もしかしたら結末に関しての賛否はあるかもしれないが、作品自体はミドルプライスと考えるとよくできすぎているほどの作品であり、この評価がふさわしい。

(ぶっちゃけコーナー)
現状としてはどうしても「いい話」で終わってしまう作品であり、記憶に残る一作というには何かが足りていない。終盤の二人だけの状況で起こすことのできるイベントも限られているので、どうしても”他者”の存在も重要になっている。
もちろん今回の作品でないがしろにされているわけではないのだが、もう少しかかわらせるようなフルプライス版に迫るような長編話もあっていいのではないかと思ったり。
拍手する
別窓で開く | ゲームのレビュー | この記事へコメントをする:0 | トラックバック:0 | top↑
[レビュー]アマツツミの感想
2016-09-30 Fri 00:00
<作品名>    アマツツミ
<製作会社名>  Purplesoftware

アマツツミ
シナリオ構成
S++
攻略キャラは4キャラ、ほたる1のED後にほたる2EDへの分岐が追加される。
一本の大きな話から各ルートに分岐している形をとっており、共通ルートはかなりの長さになっており、各個別も2-3h程度あるので、全体的なボリュームは十二分と言える。

【推奨攻略順 : こころ→響子→恋→ほたる1→ほたる2 】
ほたる2√以外はロックはないものの、物語の構成上はこの順番に進むのが無難だろう。

CG
S
いつも通りのしっかりと書かれた生々しい肉感を感じさせる絵。
イベントCGでは差分が多いが、各キャラの構図も十二分。立ち絵・イベントCG共に質に関しては言わずもがな、思わず目を止めてしまうものがちらほらと紛れており、クオリティは非常に高い。
背景の水の流れを動的に表すなどの工夫もみられる。

音楽
S++
BGM33曲(Vo曲inst除)、Vo曲3曲(OP/ED/挿入歌)という構成。
BGMでは各キャラのテーマBGMの他幅広い場面に対応できるものをそろえていたイメージだが、Vo曲に対して強く印象に残るものがなかったのが少し残念。
OPの曲名は「こここに響く恋ほたる」とヒロインの名前がすべてはいった曲で、橋本みゆきさんの歌う何かの始まりを感じさせてくれる良曲。挿入歌として扱われた「コトダマ紬ぐ未来」はしっとりとした和テイストの曲で、幾度となく涙腺を刺激してくれた。

お勧め度
S++
シナリオに関しては「言葉」「生と死」をテーマとした作品であり、異能持ちの主人公の恋愛物ということもあり、最初から最後まで非常に読ませる作りになっている他、CGは美麗で、音楽は多彩、と全体的なレベルが高くどの部分でもお勧めしやすい。

総合評価
S++

公式ホームページ
↑クリックすると公式HPに飛びます。

”言霊”という特殊な力を持つ髪の末裔――主人公たち一族はひっそりと山奥の秘境で静かに暮らしていた。しかし頭の中に響く「いきなさい」という言葉に急かされ、許嫁の愛にも告げず主人公は故郷を飛び出したのだった――。

自分の言葉で相手を縛ることができる”言霊”を操る主人公。
「できないことはない」と作中で語ったように、思考そのものが特殊なために浮世離れした行動を多くとり、織部一家の一員となる流れをふくめて、不安と気味の悪さにも似た感情を抱えて見守ることとなる。
序盤こそ物語に入っていけるか不安になるシーンも多かったが、やはりそこはプロなのか織部一家の問題を超え”人”らしくなってからは自然と物語にのめりこむようになっていた。

今回は物語の構造を変えて、よりシナリオに集中できる形にしたためにより”読ませる”シナリオとなっており、各キャラクター編を含め物語の設定と合わせて非常によく作りこまれている印象を受けた。
ネタバレを避けつつも今回のシナリオについてもっと多くの事を語りたいが、キリがないので特徴的なポイントを一つ上げるとすると、精工に作られた主人公・ヒロインたちのキャラクターだろう。
役割をもって生み出されるそれらは、ともすると作り物っぽくなってしまうことが多いが、今回の作品に関しては今までの作品と比べてその点が大きく向上しており、特にほたる√ではその変化が如実に表れていたといえる。

”言霊”というものを扱い、言葉をテーマにした作品だからこそ、一つ一つの文章がよく吟味されていることを感じることができ、感情移入しにくかった序盤はともかくとして後半にかけては思わず挿入歌の「コトダマ紬ぐ未来」と合わせて泣いてしまうシーンや、思わず惚けてしまうような物語の終わりが多かったのが印象的。
他にはない作品という意味では、よく特色を出しつつ高いレベルまで持って行ったというのが正直な感想であり、その点も高く評価したい。

今回の作品の珍しい部分といえば、主人公が複数のヒロインと関係を持っており、また各ルート後も関係を切ることがあまりないというところだろうか。
(愛の存在上仕方がないともいえるが…)
ともかくとして、この会社の売りである「エロさ」に関してもまったく劣っておらず、むしろ新しい境地に達しているのではないかと言えるほどヴァリエーションが豊か。
そのあたりに関してはプレイして体験してみたほしい。

コンフィグに関しては十二分な機能がそろっており使いやすい。

【総括】
少々特殊な設定を存分に生かした設定で、シナリオだけではなく他の部分に至るまで高レベルに仕上げた作品であり、この評価にすることに迷いはない。

(ぶっちゃけコーナー)
在りし日の「家族計画」を思い出すかのような疑似家族というのもこの作品の要素の一つだろうか。しかしまぁ、状況が少し気持ち悪すぎて、最初のあずきさんのあたりは泣き所なんだろうけど、さすがに泣けなかったなぁ…。
もう少し押せる部分が各所にあったから、そういうところで泣かせるようにしてもいいのかなぁ…と思ったけど、まぁ伝奇物ともいえるし、これくらいでいいのかな。
それにしても性に奔放な作品だった…、まぁあれは主人公のせいか…。
あと主人公の名字は結局「カミ…」何だったんだろう…。なんか見逃してるかなぁ…。
拍手する
別窓で開く | ゲームのレビュー | この記事へコメントをする:0 | トラックバック:0 | top↑
[レビュー]恋×シンアイ彼女の感想
2016-09-02 Fri 00:00
<作品名>    恋×シンアイ彼女
<製作会社名>  Us:track

恋×シンアイ彼女

シナリオ構成
S++
攻略キャラは4キャラ。
全編4章仕立てで、共通・個別ルート共に十二分なシナリオ量。
全ルートクリア後に若干短めの終章が存在している。

【推奨攻略順 : 凜香→ゆい→彩音→星奏→終章 】
終章のみロックがかかっているが作品の雰囲気を十二分に味わうためにはこの順番が最も良いだろう。

CG
S
線は細く、微細かつ美麗な塗り。
色彩の鮮やかさを感じることが多く、1枚のイベントCGでため息が出るほどの品質のものが数多く存在していることを含めてかなり高い評価。
本当に多くのことを語りたいのだが、1枚解説をするなら星奏・主人公・彩音が教室で座っているシーンの彼らの表情に注目してほしい、これだけですべての関係性が何となくわかる作品も面白い。

音楽
S++
BGM22曲、Vo曲3曲(OP/ED/挿入歌)
水月陵さんの手がけたBGM22曲はとにかく綺麗。
特に作品のメインテーマはプレイ後に聞いてしまうと泣いてしまうほどの出来。
強く感情に訴えてくるようなものではなく、あくまで優しくイメージされた世界観で包み込むような楽曲たちは作品自体を助けていたのは言うまでもなく、この作品の評価へ強く貢献しているといっても過言ではない。
一つ一つすべてのBGMに対しての感想を述べたいところだが、とりあえず全部聞いてみてほしい。一つたりとも聞き逃しのできない超弩級の品ぞろえである。
Vo曲もOP「記憶×ハジマリ」の爽快感や「GloriousDays」の爽やかなロックの雰囲気、ED「東の空から始まる世界」の切なくも明るくなれるリズム…どれも記憶に残る良曲となっている。
作品中に聞いたBGMは音楽鑑賞画面で作者のコメントが見られる私の好きなシステムが搭載されているのも魅力の一つ。

お勧め度
S++
王道の純粋な恋愛学園物…それ”だけ”を求めている人にはお勧めできない。
作品としての「恋愛学園物」、読み物としてしっかりと受け止められる人々にこそお勧めしたい今回の作品。
基本の王道恋愛学園物の3つのルートに加えて、大きな話のうねりがある今回の作品は好き嫌いが出るかもしれないが、作品を、文学を愛する人にこそ読んでほしい。

総合評価
S++

公式ホームページ
↑クリックすると公式HPに飛びます。

最初にプレイした時の感想は「漠然」というのが正しいのだろうか。
実はネタバレをすでにされてプレイしていたのだが、もしもそうされずにプレイしていたらどれほどのショックを受けただろうか、それほどこの作品の最後に訪れるエンディングは衝撃的、とネタバレを防ぐためにここではこれだけにとどめておく。

今回の作品の主人公はとある出来事から「恋愛」というジャンルだけが書けなくなった小説家を目指す少年。
三つの高校の統廃合によりヒロインたちと出会いそして再開する事で物語は動き出す。

とにかく物語は丁寧。
強引な展開は一切なく、公式が公言しているようにそこには等身大の出来事が細やかな心理描写とともに切実に描き出されている。
そういった描写が小説家の主人公と相性が良かったのもポイントだろう。

作品中のシナリオで大きく分かれているのは凜香・ゆい√と彩音・星奏√。
物語のテーマはそれぞれ大きく違うのだが、前者は新しく出会い、後者は再会を果たしたルートとなり、物語自体の毛色が違う。
新しい一歩として動き出す前者二人のヒロイン√、特にゆい√は家族をテーマとした物語でもあり中盤~終盤にかけては何度も泣けるシーンがある。
シナリオの丁寧さ、BGMの綺麗さ、その融合は決して他の名作たちに劣ることはない。

物語のキモとなるのはやはり過去もリフレインする彩音・星奏√。
ダブルヒロインの作品にありがちな雰囲気が流れるかと思いきや、ほとんど修羅場はなく恋愛場面としてはとても静かに進行する。
とくに恋愛学園物として彩音ルートの各シーンは見どころで、主人公と彩音の気持ちが通じ合うシーンなどは過去も含めて考えると思わず涙があふれた。
個別√自体もしっかりとしたものとなっており、安定して飽きることなく楽しめる。

問題は星奏√、そして終章。
多くの事は語らない(語れない)が、この√があったからこそこの作品はほかの作品とは大きく違う「恋愛学園物」となっている。
公式はこの作品を王道の恋愛学園物と語っており、作品タイトルのシンアイも親愛と解釈するのならばやはりそれだけは大きな間違いだろう。
特に物語の終盤の流れ…その結末については賛否両論あるが、個人的には【物語】的ではなくともあくまでも真摯な【文学】的結末だったといえる。

本当はこの後に少しだけ感想を入れていたのですが、あまりにも個人的過ぎたのでぶっちゃけコーナーへ。
少しネタバレにも抵触しているのでお気を付けください。

コンフィグに関しては十分に機能がそろっていた。
何度も言うがBGMの作者コメントが載っているのは個人的にうれしい。

【総括】
シナリオ・音楽・CGともにすべてトップクラスの安定した作品であることに間違いはなく、また他の作品との差別化もできている物ももつ作品だったためこの評価。

(ぶっちゃけコーナー)
BGM水月さん作は本当にいい…一つ一つが各作品でトップクラスと張り合える出来のBGMはそもそもよかったシナリオを何倍にもよくしてくれていた。
各サブキャラもいい味出してたな、立ち絵のないキャラにまですこし特徴を持たせてたのは好印象だし、あと地味に主人公の天然なボケとかそういう笑いのセンスもよかった。
CGもきれいだったし、初心者もそうだけど玄人こそ、最近こういうまじめな恋愛学園物が少ないから楽しめるかも。

さてさて星奏√についてだけど、おそらくプレイ後には彼女の事を嫌いになる人間も多くいるだろう。たしかに他のヒロイン達とも大きく違う思いの形を持つ人間であり、主人公が評したように「結局自分が可愛いだけ」なのかもしれない。
ただ、この物語で伝えたかったことはそれだけだったのかと考えてしまう。
作中で彼女や主人公が時折口にしていた言葉、『想いを伝えるのは難しい』ということ。
つまり、簡単に受け取った内容は本当に彼・彼女が思っていたことなのか、もしその通りであれば彼はなぜ終章であのような行動をとっていたのか。
私はシンアイを「信愛」という言葉に置き換えると少しわかりやすいのじゃないかという、そういう意見だけを残して今回は締めたいと思います。
拍手する
別窓で開く | ゲームのレビュー | この記事へコメントをする:0 | トラックバック:0 | top↑
| 青空の翼と過去の十字架 | NEXT