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[レビュー]月影のシミュラクル -解放の羽-の感想
2017-04-15 Sat 00:00
<作品名>    月影のシミュラクル -解放の羽-
<製作会社名>  あっぷりけ

月影のシミュラクル -解放の羽-

シナリオ構成
S++
シナリオは一本道、TRUEENDを含めると全14ENDのミドルプライス作品。
全体的なプレイ時間は10h程度と値段対比を見れば十分量

【推奨攻略順 : 一本道(選択肢はアリ) 】
基本的に各ENDを見なければ新しい選択肢が出現しないつくりになっているので、その範囲内であれば好きな順番で良いだろう。

CG
S
あっぷりけらしい、しっかりとした線と淡い塗りの絵。
全体的に癖が強い絵ではあるものの、シナリオ二影響するほどではないだろう。
流血CGが複数枚に含まれているため、注意が必要。

音楽
S+
BGM21曲、Vo曲2曲(OP/ED)という構成。
全体的に和テイストでまとめられているBGMは作品に重要となる「妖しさ」を十二分に引き立ててくれていた用に思う
Vo曲に関しては、OP・EDともに少し影の薄い印象を受けたと言うのが正直なところ。
挿入歌の用に使ったりと工夫は見られたのだが、今一歩破壊力が足りず。

お勧め度
S++
日本伝奇物としてこれほど綺麗にまとまっている作品は珍しく、ミドルプライスと言う事を置いても、広くプレイしやすい作品となっている。
特に今回は14ENDのうち、序盤の2ENDを「月影のシミュラクル」で無料で公開する「ライトヴィジュアルノベル」という新しい形式での発表を行っており、作品の雰囲気をつかみやすいと言う意味でもお勧め。

総合評価
S++

公式ホームページ
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田舎の儀式に参加するために、幼い頃を過ごした伊沢に戻ってきた主人公。
親戚にあたる如月の家でお世話になる事になっているのだが、その屋敷には『生き人形』の伝説があり――という、いかにもな日本伝奇物。

今回の主人公は殺人現場を目撃する事で急速に物語へと巻き込まれる事になるのだが、本当に簡単に死ぬ。14個のエンディングのうち、幸せになれたのは片手で数えられるほどで、基本的にBADルートが多いのがこの作品の特徴だろう。
また、BAD(DEAD)ENDであったとしても唐突な終わりとしてだけではなく(※そういうENDもあるが)きちんと後日談描ききる事で、ひとつの物語の終わり方として完成させている姿勢に関しては賞賛せざるを得ない。

今回、やはり注目すべきは「ライトヴィジュアルノベル」という形式――多くの無料部分を見せた後の販売というころ――というのが会社の言い分だろう。
早い話が大ボリュームの体験版がある作品だと思えば分かりやすい。
10h程度短い作品のうち、1-2h程度を見せると言うのは正直なところ勇気のいる決断ではあるが、実際のシナリオとして2ENDだけでは作品の真髄の1%にも触れていない。
同系統の販売方法として思い当たる「ココロ@ファンクション」においては、体験盤が2G超えの1ルート分丸々の公開だったことは記憶に新しいが、これと比べると遥かにハードルが低く、初めての試みとは言いがたい。
しかしながら、長い体験版でつかむ事ができる文のリズムや物語の雰囲気などは購入作品を選ぶ際の重要なファクターのひとつとして機能するだけではなく、18禁要素の抜けた作品として体験版を発表する事ができると言うのは、プレイ人口を広げると言う意味においても重要な役割を果たしたと言え、結果はともかく評価できる点と言える。

さて、作品のシナリオ自体にもう少しだけ言及しておきたいが、伝奇物としての他にサスペンス物としての側面も持つ今回の作品。
和テイストなBGMも含めて妖しい雰囲気が漂う序盤空漂っており、雰囲気作りにおいては完璧だったといえる。
短い物語、また状況も特殊において、各キャラクターの登場回数が限られる中で描ききったそれぞれの登場人物たちも驚くほど良く描かれているのがプレイ後に分かった事のひとつである。
本来なら個別ルートをしっかりと作ってほしい所なのかもしれないが、作品本体の時間が短い事を考慮すれば、ある意味この程度の踏み込みでおいておいたのはファインプレイと言えるだろう。
タイトルに入る「シミュラクル」等の設定も十分に練られており、時間を忘れてプレイし飽きも来ないままエンディングを迎えられたのは本当に久しいといえる。
ぎっしりと濃縮に詰まったシナリオの中で、『心』を大切に扱い丁寧に描写↓この作品は、涙こそ流せないものの、多くの人に読んでほしい作品となっている。

コンフィグは十二分にそろっており、プレイするのに不都合はない。

【総括】
ミドルプライス作品としてはかなりの良作と言ってもよく、特に日本伝奇物としてはフルプライス作品に十二分に対抗できる作品であり、この評価とした。

(ぶっちゃけコーナー)
最初はかなり侮っていた、と言うのが正直なところ。
2ENDだけは終わらせていたけど、かなり展開も強引なように感じていたし、あんまり続きが気になるようなものでもなかった。
だけど、中盤以降から転がるように物語が展開していくのがこの作品の面白いところ。
特にループ物のように、主人公が繰り返すことによって知識を得ていくわけではなく、「一度きりの生」の中で得た展開だからこそ描ける雰囲気は昨今の作品ではなかなか見られないな。
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[レビュー]シンソウノイズ ~受信探偵の事件簿~の感想
2017-02-18 Sat 00:00
<作品名>    シンソウノイズ ~受信探偵の事件簿~
<製作会社名>  Azurite

シンソウノイズ ~受信探偵の事件簿~

シナリオ構成
S++
全7章構成の作品。
1-2章は共通ルートで3章からは各章でキャラ分岐が発生する形となっている。
基本的にキャラ√1h程度と短めになっている。
原則として各章で一つの事件が発生するため、全体的なボリュームは十二分と言えるだろう。

【推奨攻略順 : ひかり→夏希→沙彩→百合子→萌花BAD→萌花→さくら→TRUE 】
攻略順に指定はないのだが、物語の形状通り、発生した分岐キャラ√をこなしていくのがよいだろう。

CG
S
線と塗りが濃く、肉感の強い絵。
立ち絵やイベントCGは完成度が高く見入ってしまうほどとは言えないものの、独特の質感の絵はエロシーンを含む肌が多く出るシーンで本領を発揮している。
多くはないのだが、バトルシーンだけすこし毛色の違う雰囲気になっているのも特徴的だろうか。

音楽
S++
BGM34曲、Vo曲2曲(OP/ED)という構成。
幅広くそろえているBGMの中で目を引くのはやはり探偵シーン関連の物。
特に推理シーンを代表とする「真相推理」や犯人決定シーン用の「犯人はお前だ!」などは特有の物だろう。各所で鳥肌物だった「決意の時」も特に素晴らしいBGMとして追記しておく。
Vo曲は高音がクセになるOPやEDのシックでかっこいい雰囲気に誰しもが虜になるだろう。
ちなみにEDに関しては萌花VerとさくらVerがある。

お勧め度
S++
SF推理サスペンスをメインとした青春学園物。
心が読める主人公がとある事件を発端として探偵として数々の事件を解決していくこととなる作品で、推理物、サスペンス物が好きな人には是非にお勧めしたい。
特殊能力も出てくるが、バトル等は基本的にないと思ってよい。

総合評価
S++

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生まれつき他人の心を読んでしまうという能力をもった人物が主人公の今作。
学校行事のために班を組まされることで出会った6人。
感じの悪い委員長系女子、クラスのマドンナ、自称霊感少女、お調子者、スポーツバカ、そして前から気になっていた少女――。
彼らと出会うことで物語は始まった。

この作品を簡単に表すなら、巻き込まれた”事件”を心を読む能力を駆使しつつ解決していく青春学園物なのだろう。
現に最初はヒロインの一人の体操服が盗まれるという事件の犯人に間違われるというシチュエーションで力を発揮する。
それが、クイズイベントになり、殺人事件になり…と章を経るごとにヒートアップしていくのは言うまでもない。

心が読めるということで推理者としては少し邪道な部分もあるが、「心の声」を出したのが誰かわからないという制約があるため、実際に誰が犯人なのかわかることは少なく、あくまで「論拠」の一つとして扱われることが多く、実際に問い詰める際には物証等をきちんと用意している。

シナリオとして推理の質は実はそこまで高くないのだが、ゲームのシステムを巧くつかいそのあたりをカバーしていたことに関しては高い評価をしている。
今まで似たような探偵物や推理物があったけれど、これほどまでに巧くプレイヤーを参加者として推理物の魅力を伝えられた作品は類を見ない。
質が高くない、とはいったものの6章のクイズ等、謎解き物としては一般小説に負けないレベルであることは保証したい。また、後半までは選択肢等を間違えても、何度も挑戦できるあたりも個人的にはうれしかったり。

推理(事件)自体も魅力なのだが、主人公がもともと根暗(能力ゆえに)で無気力な人間だったはずなのだが、物語が進むごとに探偵としての信用を勝ち取っていき人間関係を作っていく様をきちんと描けていることに関しては手放しで称賛したい。
個人的には「犯人はお前だ!」を綺麗に言えない主人公に何度も愛おしさを感じたし、だからこそ人間的な主人公がステップアップしていくごとに自分ことのように喜びを覚えた。

推理論拠の一つとして扱われている「心の声」を各キャラの心理描写として使用しているシーンがあるのも魅力の一つだろう。
一対一での会話などで心の声を聴かせるシーンは作中に多くあり、作品自体が持つ設定を巧く使いキャラクターを作りこめており、だからこそ作中に出てくる班のメンバーすべてに愛着を持つことができる。
作品には魅力的なキャラクターが驚くほど多く出てくるが、その中でも班メンバーはやはり別格といってもよく、そういう雰囲気に持っていけたからこそ、終盤には泣きシーンを作れた部分もあるのだろう。

推理物というと謎解きがメインのように思えたが、セットである「犯行動機」が物語で重要になるようにこの作品では「心」をとても大切に取り扱った作品であり、楽しくもあり、悲しくもある非常に読み応えのある作品に仕上がってたといえる。

コンフィグ等にかんしては基本的な部分についてそろっており、プレイに支障なし。

【総括】
本格的な推理アリの青春学園サスペンス物として不動の地位を築いたといっても過言ではない名作の一つであると自信を持って保証する。

(ぶっちゃけコーナー)
推理物って小説でも結構苦手な部類になるんだけど、これはほんとにおもしろい。
純粋に面白いと思えた作品はそういう意味では久しぶりなのかも。
推理要素以外にも面白いところが多かったのが振り返った感想でもある。
主人公が好きになる作品はやっぱり面白くなりやすいなぁ。
そういえば推理物というと過去にはあかべぇさんとかが作ってたけど、推理の質も違うし、古式迷宮みたいな変な選択肢制度でもないからすごくプレイしやすい。
あとエンドあとに各キャラの声優コメントが聞けるんだが、皆適当なこと言いすぎて笑ってた。くすはらゆいさんが最後の最後まで本当のことを言わな過ぎた…。
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[レビュー]銀色、遥かの感想
2016-12-03 Sat 00:00
<作品名>    銀色、遥か
<製作会社名>  tone work's

銀色、遥か

シナリオ構成
S++
攻略キャラは5キャラ。共通ルートもかなり長く、各ルートも4h程度となっているため、全体的なボリュームを換算すると過去の作品を含めてもかなり長めの大ボリューム作品となっている。

【推奨攻略順 : 椛→雛多→雪月→瑞羽→ベスリー 】
攻略順に指定はなく、またネタバレもほとんどないため好きなキャラからの攻略で問題ないだろう。

CG
S
立ち絵、イベントCG、背景は品質の変わらない高レベルなものが勢ぞろい。
今までのものと比べると特に目元に特徴が出やすい傾向があるものが多い。
各キャラの構図数はもちろんなのだが差分の数も多いことが特徴的。

音楽
EX--
Vo曲12曲(OP1/挿入歌1/各キャラ用楽曲2)、BGM34曲(inst含)という驚異的なボリューム。
BGMに関しては一部は私の大好きな水月陵さんも参加しており、数は少ないものの「繋がる心」や「小さな足跡」など物語としてのキーポイントで流される大切な曲を作成している。他にもどんまるさん作曲の「雪解け」や「雪降る街」など舞台とした北国をイメージとした曲たちも効果的に作品の世界を作り出していたといえる。
Vo曲については言わずもがな、各曲有名な歌手を起用し各キャラをイメージした曲を作成してもらっているためはずれがなく、いずれも良曲。クリア後にじっくりと聞いてもらいたい曲ばかりがそろっている。

お勧め度
EX--
いままでの「tone work's」作品が好きだった方には安心して進められる作品。他に新規であっても、しっかりとした恋愛学園物が好きな方にはもれなくおすすめできる作品となっている。ボリュームがあるので、物語を読みなれてない初心者等にはお勧めしにくいのは確かなのだが、物語に入ってしまえばしっかりと引き込まれる作りにはなっているので、広く手に取ってほしい作品の一つと言えるだろう。

総合評価
S++

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今回は北国、幌路(札幌)を舞台とした作品。
タイトルからもわかる通りあくまでメインとして扱われる季節は冬なのだが、物語は大まかに3つの章【中学編→(キャラ分岐)→学園編→大学・社会編(アフター)】という風に分かれており、特に中学編の選択肢によってクリアするキャラクターが変わるというシステムを採用したのは選択式の物語でどうしても発生してしまう不自然さをカバーできるという観点でも見事というほかない。

とにかく以前の作品から続いていることであるが、本当に描写が丁寧。
各キャラに関してのことはもちろん、十年単位の物語の中で起こる各イベントについても注力するところはしっかりと注力し、省くところはさっぱりと省く。
だからこそ一つ一つのイベントにゆったりと浸ることができる。その中で垣間見えるキャラクターの魅力というものに触れていく上で感情移入が高くなるので、どうあっても感動等が起こりやすいというのも、この作品の特徴なのだろう。

学園編やアフターに関しては各ルートで驚くほど共通点がないのも印象的。
攻略対象としたキャラクターによって物語の展開や中心となる人物は様変わりしていき、無駄な使いまわし等がない。また、各キャラクターの進路や展開についても少々変更され手織り、だからこその物語に不自然さがなく、続いての付き合いができている。
物語として扱うテーマも根本に関しては同じテイストではあるのだが、伝え方を変えて各キャラの人生の縮図ともいえるキャラのシナリオを描き上げている。

ネタバレを防ぐためにもすべての√について語るわけにはいかないが、ここまでバラエティあふれる作品をプレイしたのはそれこそ前作の「星織ユメミライ」以来だろう。
今までの作品もそうなのだが、選択式の恋愛(学園)物としてはほぼ完成の域に達しているといってもいい。その中でこの作品をどう差別化するかというのがこの作品の問題ともいえたのだが、今までの作品と比べるとシナリオ扱っている時間が長く、テーマとして「夢」というものに現実的な肉付けができている。
今までの多くの作品は「アフター」というとどうしてもたくさんの時間が飛ばされ、結果だけを描写されてしまうことが多いが、この作品はその「アフター」にたどり着くまでをしっかりと描き出した作品なのである。
さらにその夢を目指すに至る最初の夢の芽生えやきっかけを描き出すために中学編を追加したことでそれらの感情にリアリティが追加されて、俄然物語としての完成度が高くなっている。
それらは「アフター」へたどり着くためには人間として必要なものであり、それを描き切るからこそ、ボリュームが多くなるのは当然と言える。
無駄なことを多く語ってしまっているが簡潔にまとめると人綴りの人生が凝縮された良い作品という事。

ヒロインたちだけではなく、今回主人公も多種多様な立ち回りをしていた。
だからこそ少しだけ存在感を大きくしてほしいなと思ったのが今回唯一の改善希望が出た場所。割と特殊な環境で過ごした彼なのだが、少しだけ過去の遺恨への振れ方がソフトで、もう少し各ルートで少し触れて扱いを大きくしてもいいのかな、と思った。

ここまで語ったが、意外にも泣きシーンという意味では少ない。
勘違いしてほしくないのは、泣けるところはたくさんあるのだがそのレベルがそこまで高くないというのが正直なところ。
というのも、今回の作品は先ほども語った通り「人生」や「夢の実現」という長いものをテーマとした作品であるため、どしても一つのイベントだけではなく大局的に表現する部分が多く、丁寧に書かれてはいるものの一発の感動という意味ではあまり大きな波を起こせていない。
その代りに読後感や引き込まれる感覚はほかの作品の比ではなくなっている。


システム等に問題はなく、プレイを快適に行えるレベルがそろっている。

【総括】
全体的なレベルが高く、この評価だけではなくそれ以上の評価を付けてもよいのではないかと思ったほど完成度としては高い。

(ぶっちゃけコーナー)
本当に振り返ると各ルートたくさんのことがあったなぁ。
驚いたのはその舞台が幌路だけに収まっていないことで、ベスリーやとあるキャラではその舞台が海外にまで及び、しかも結構書き込まれているという事。
ベスリー√で少し思たが、留学生としっかりと恋に落ちる作品を描いていたのも印象的。
国際結婚の手続きとかね。あとありがちな瑞羽√も他の作品と比べられやすいスポーツものだったけど、うまく自分のテリトリーに持ってきていいシナリオにしていた。
フィギュアという表現の難しいスポーツもED使ったりして効果的に表現してたしな。
あとハルはまじめに学園編当たりから死ぬのかなぁ…って思ってたごめんなさい。安易な泣きに逃げなかったのは本当に評価したいとともに、それに思い至った私は反省します。。。
まだまだ書きたいことがあるけど、これくらいにしておこう。。。
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[レビュー]生命のスペアの感想
2016-11-12 Sat 00:00
<作品名>    生命のスペア
<製作会社名>  あかべぇそふとすりぃ

生命のスペア

シナリオ構成
S+
選択肢無の一本√、攻略時間は約8時間程度。
ミドルプライスということを鑑みると妥当なボリュームだろう。

【推奨攻略順 : 選択肢無 】

CG
S
硬い線質のCG。
全体的な完成度が高く美麗なのは言うまでもない。
量に関してもシナリオ量に見合った分量はあるといえる。

音楽
S+
Vo曲1曲(OP)、BGM20曲という構成。
やはり特筆すべきは霜月さんのOP「Liblume」。作品を現して余りある2番からの歌詞はゲームクリア後に涙腺必死の必聴ものとなっている。
BGMもどちらかというと綺麗、せつない系の物で統一されている。そんな中個人的に推したいのは「陽だまりの隙間」というBGM。
名前の通り、この作品では珍しい日常系の明るい曲なのですが、物語に付きまとうどうしても悲しい雰囲気もこの曲を聴いているときだけは忘れられました。

お勧め度
S+
不治の病という覆りようのない現実を通して感じる死生観をテーマにした作品。
基本的に希望のない悲しいお話なので、読後感が非常にいい! などとは口を避けても言えない。
それでも丁寧に綴られた心理描写等はプレイヤーをしっかりと物語の世界へとサポートしてくれており、しっかりとしたシナリオと合わせて初心者を中心におすすめしたい作品。

総合評価
S+

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桜紋病――かかると胸に浮かび上がる桜の模様が特徴で、時折激痛がはしりその痛みで自傷行為を行ってしまうほどの不治の病。この物語は桜紋病に侵された彼女たちの残された時間を見届ける物語である。

今回のメインヒロイン恵璃は幼い頃に桜紋病に侵された少女であり、その妹である璃亜は姉の”スペア”として生まれたデザイナーズベイビー。
ストーリーのネタバレは避けたいので物語の核心的な展開部分については語ることはしないが、心臓移植を行うことで治るとされている桜紋病において、妹の存在は姉の命に等しく、それがこの物語のキモともいえる部分だろう。そして妹の「私の命は姉の物であって当然」という考えもそれを手伝う。こういった物語の作品に慣れている人物ならばある程度のシナリオが予想できるかもしれないが、大筋においてはその路線を抜けることはない。

物語の序盤、約1年前の出会いの出来事もクロスオーバーしヒロインである恵璃との恋を深めていくシーンにフォーカスが当たる。
当然であるが、重要な事としてすごく魅力的なヒロインを描き出していた。
性格を一言で表すなら古き良きツンデレ。皆の前ではクールビューティとされるが、二人になるとデレてくれる何ともいじらしく、思わず好きになれずにはいられない。

中盤は一言では表せないが、一つ上げるなら家族に触れられなかった主人公が病気を通して、恵璃の家族たちからそのぬくもりを受けるというシーンでもあるだろう。
この作品に「家族」のタグをつけたのもそれが理由の一つでもある。
ここの部分に関してはあまり文字にして直接書かれる部分はなく、主人公の家族周辺の状況がポツポツと出てくるその対比で掘り下げられるような分野なので、どこまで感じることができるかはプレイヤー次第と言えるだろう。

終盤は終わる命に向けて、ある意味この作品でのメインコンテンツともいえる、病気との闘いとそして目前に迫っている死を通しての生きることを想うこと。
この部分に関しては果てしてどこまで迫って書けば正解なのか、どこまで書けば”ありきたりな物語”になってしまうのかというボーダーが難しいところ。

今回に関してはどうしても駆け足になった部分が目立ったというのが正直なところ。
もちろん終盤だけの話ではなく、中盤から終盤にかけては起こる出来事の大きさが大きすぎてどうしてもプレイヤー側も心の動きが追い付けなかった。
もう少し丁寧に演出を考えて泣かせてほしい部分のスルーや状況説明(心理描写)などの不足点も見られる。泣かせる勢いのあるBGMやVo曲などはそろっていたのでそのあたりでもう少し工夫してほしかったところ。

コンフィグに関しては特に何か不満を感じることはない。

【総括】
もしかしたら結末に関しての賛否はあるかもしれないが、作品自体はミドルプライスと考えるとよくできすぎているほどの作品であり、この評価がふさわしい。

(ぶっちゃけコーナー)
現状としてはどうしても「いい話」で終わってしまう作品であり、記憶に残る一作というには何かが足りていない。終盤の二人だけの状況で起こすことのできるイベントも限られているので、どうしても”他者”の存在も重要になっている。
もちろん今回の作品でないがしろにされているわけではないのだが、もう少しかかわらせるようなフルプライス版に迫るような長編話もあっていいのではないかと思ったり。
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[レビュー]アマツツミの感想
2016-09-30 Fri 00:00
<作品名>    アマツツミ
<製作会社名>  Purplesoftware

アマツツミ
シナリオ構成
S++
攻略キャラは4キャラ、ほたる1のED後にほたる2EDへの分岐が追加される。
一本の大きな話から各ルートに分岐している形をとっており、共通ルートはかなりの長さになっており、各個別も2-3h程度あるので、全体的なボリュームは十二分と言える。

【推奨攻略順 : こころ→響子→恋→ほたる1→ほたる2 】
ほたる2√以外はロックはないものの、物語の構成上はこの順番に進むのが無難だろう。

CG
S
いつも通りのしっかりと書かれた生々しい肉感を感じさせる絵。
イベントCGでは差分が多いが、各キャラの構図も十二分。立ち絵・イベントCG共に質に関しては言わずもがな、思わず目を止めてしまうものがちらほらと紛れており、クオリティは非常に高い。
背景の水の流れを動的に表すなどの工夫もみられる。

音楽
S++
BGM33曲(Vo曲inst除)、Vo曲3曲(OP/ED/挿入歌)という構成。
BGMでは各キャラのテーマBGMの他幅広い場面に対応できるものをそろえていたイメージだが、Vo曲に対して強く印象に残るものがなかったのが少し残念。
OPの曲名は「こここに響く恋ほたる」とヒロインの名前がすべてはいった曲で、橋本みゆきさんの歌う何かの始まりを感じさせてくれる良曲。挿入歌として扱われた「コトダマ紬ぐ未来」はしっとりとした和テイストの曲で、幾度となく涙腺を刺激してくれた。

お勧め度
S++
シナリオに関しては「言葉」「生と死」をテーマとした作品であり、異能持ちの主人公の恋愛物ということもあり、最初から最後まで非常に読ませる作りになっている他、CGは美麗で、音楽は多彩、と全体的なレベルが高くどの部分でもお勧めしやすい。

総合評価
S++

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”言霊”という特殊な力を持つ髪の末裔――主人公たち一族はひっそりと山奥の秘境で静かに暮らしていた。しかし頭の中に響く「いきなさい」という言葉に急かされ、許嫁の愛にも告げず主人公は故郷を飛び出したのだった――。

自分の言葉で相手を縛ることができる”言霊”を操る主人公。
「できないことはない」と作中で語ったように、思考そのものが特殊なために浮世離れした行動を多くとり、織部一家の一員となる流れをふくめて、不安と気味の悪さにも似た感情を抱えて見守ることとなる。
序盤こそ物語に入っていけるか不安になるシーンも多かったが、やはりそこはプロなのか織部一家の問題を超え”人”らしくなってからは自然と物語にのめりこむようになっていた。

今回は物語の構造を変えて、よりシナリオに集中できる形にしたためにより”読ませる”シナリオとなっており、各キャラクター編を含め物語の設定と合わせて非常によく作りこまれている印象を受けた。
ネタバレを避けつつも今回のシナリオについてもっと多くの事を語りたいが、キリがないので特徴的なポイントを一つ上げるとすると、精工に作られた主人公・ヒロインたちのキャラクターだろう。
役割をもって生み出されるそれらは、ともすると作り物っぽくなってしまうことが多いが、今回の作品に関しては今までの作品と比べてその点が大きく向上しており、特にほたる√ではその変化が如実に表れていたといえる。

”言霊”というものを扱い、言葉をテーマにした作品だからこそ、一つ一つの文章がよく吟味されていることを感じることができ、感情移入しにくかった序盤はともかくとして後半にかけては思わず挿入歌の「コトダマ紬ぐ未来」と合わせて泣いてしまうシーンや、思わず惚けてしまうような物語の終わりが多かったのが印象的。
他にはない作品という意味では、よく特色を出しつつ高いレベルまで持って行ったというのが正直な感想であり、その点も高く評価したい。

今回の作品の珍しい部分といえば、主人公が複数のヒロインと関係を持っており、また各ルート後も関係を切ることがあまりないというところだろうか。
(愛の存在上仕方がないともいえるが…)
ともかくとして、この会社の売りである「エロさ」に関してもまったく劣っておらず、むしろ新しい境地に達しているのではないかと言えるほどヴァリエーションが豊か。
そのあたりに関してはプレイして体験してみたほしい。

コンフィグに関しては十二分な機能がそろっており使いやすい。

【総括】
少々特殊な設定を存分に生かした設定で、シナリオだけではなく他の部分に至るまで高レベルに仕上げた作品であり、この評価にすることに迷いはない。

(ぶっちゃけコーナー)
在りし日の「家族計画」を思い出すかのような疑似家族というのもこの作品の要素の一つだろうか。しかしまぁ、状況が少し気持ち悪すぎて、最初のあずきさんのあたりは泣き所なんだろうけど、さすがに泣けなかったなぁ…。
もう少し押せる部分が各所にあったから、そういうところで泣かせるようにしてもいいのかなぁ…と思ったけど、まぁ伝奇物ともいえるし、これくらいでいいのかな。
それにしても性に奔放な作品だった…、まぁあれは主人公のせいか…。
あと主人公の名字は結局「カミ…」何だったんだろう…。なんか見逃してるかなぁ…。
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