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[レビュー]景の海のアペイリアの感想
2017-11-02 Thu 00:00
<作品名>     景の海のアペイリア
<製作会社名>   シルキーズプラスDOLCE


景の海のアペイリア
公式ホームページ
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キャラクター・シナリオ : 【 S++ 】
近未来の東京を舞台として主人公が偶然に自我を持ったAI(強いAI)である『アペイリア』を作ってしまうことから物語が始まる。
主人公たちがアペイリアの機能を使って作られてしまう完全没入型VRMMO「セカンド」がデスゲームになり、主人公はなぜかタイムリープに巻き込まれてしまう。そんな中で数少ないヒントからアペイリアを狙う存在に気が付く――魔法あり科学ありの仮想世界と現実世界で繰り広げられるAIと人間と時間の戦い。

作品は三羽√→ましろ√→久遠√→アペイリア√(TRUE)の順番に構成されており、選択肢等は出現するものの、上記の順番が変わることはない。
一本道の√ではあるものの、上記√はそれぞれしっかりと作られており、全体的なボリュームは一般的な作品とさほど変わりないといえる。

今回の作品で特徴的ともいえる要素が3つある。

一つ目が今作の主人公「零一」。公式的に変態と認定されており、エロに従順で基本的にどのシーンであってもエロ関係の話題でふざけていることが多いことから、基本的な会話は非常にバカっぽく、戦闘シーンの一部でも声があったりと力が入ってはいるのだが、どこかバカバカしいやり取り描かれているのは確か。仮想世界では複数のヒロインやそれ以外の女性キャラと関係をもつこともある。
しかしながら頭脳は非常に優れており、AI関連の知識はもちろんの事、状況把握や作品のメインともいえる頭脳戦のメインを担っていた。

二つ目がシナリオである。
正確に言うとテーマとなっている時間素行やそれに類する伏線で、作品の性質としてシュタインズゲートのような本格派の科学ADVに近い側面を持っている。
これらは非常に高いレベルで作られており、与えられた一つの状況で二転三転する現実を楽しめるのもこの作品の良いところである。
特に時間素行(タイムリープ)に関しても、「そういうもの」として置いておくことなく、量子論等を使った独自の解釈で、できるだけ現実の現象と齟齬がないようにじっくりと説明しており、それに付随した状況説明も作中では多く行われていた。
しかしそれだけに、内容が非常に難しくなっており、特に後半は解説用の図があるといえども理解には何度も読み返す必要があり非常に時間がかかる。

そして最後が魅力的なヒロインたちの存在である。
ある意味これは二つ目と被っている部分も多いのだが、秘密を抱えるヒロイン達と過ごしていき、そして協力して問題を乗り越えるシーン。そしてそのあとに待ち受ける展開。
変態的な主人公ではあるものの、恋愛描写はしっかりと描かれており、よく作られていた伏線と合わせて感動的なシナリオでは思わず泣いてしまうこともあるほど。

総じてすべてのレベルが高いということは言うまでもない。
しかしながら絶望的に相性が悪い要素があったのも事実。
科学ADVとしての側面が強かったところ、主人公がすぐにふざけるため力が抜け、すぐにヒロインたちの感動的なシーンに流れたりもする。
感情の起伏も非常に激しく、とくに冗長となりがちな説明部分で気持ちが置いて行かれる人も多くいるだろう。

上記の点を含めたうえでもシナリオがよくできていることを否定はしないが、最後の広げ過ぎた風呂敷のたたみ方を含めて、改善点は多くあり、泣きゲーとしては高く評価していないというのが今回の総じての感想ともいえる。


【推奨攻略順 : 無し 】
選択肢はあるが1本道の作品。


CG : 【 S 】
線が細く濃い塗りの絵。
枚数に関してはHCGが多めに用意されて入るものの、一般CGもある程度用意されており十分と言える。質もかなり高めで戦闘用のものから、日常シーンのものまで幅広いジャンルのものが多彩に描き出されている。


音楽 : 【 S 】
BGM38曲、Vo曲2曲(OP/ED)という構成。
BGMは数多く用意されており、現実世界と仮想世界という二つの世界に対応したものが用意されており、他にもAIをテーマとした「アペイリア」を代表とする不思議なBGMなどがあり、特に戦闘シーンや思考シーン等の暗めのBGMが多かった印象。
Vo曲はOPの「アペイリア」が印象的。BGMの同名曲とは違い、暗い雰囲気から始まる走るような旋律は非常にかっこいい。
対してのED「信じられるよ」はゆったりとした曲調。


お勧め度 : 【 S+ 】
時間遡行をテーマとした科学ADV、仮想現実を舞台とした剣と科学のファンタジー、そして恋と青春の物語。
要素としてはかなり含まれているが、もっとも評価できるのは科学ADVとしての側面であり、科学・近未来系、時間系の理論がしっかりと説明されている作品が好きな方にこそお勧めしたい作品。

逆にシナリオを深く読み込むのが苦手の方や、キャラの可愛さなどをしっかりと楽しみたい方にはお勧めしにくい作品。


総合評価 : 【 S+ 】
総じてシナリオはよくできているものの、全体的なバランスがとれておらず、改善点も見られる、泣きゲー重視の評価としてはこの程度。


(ぶっちゃけコーナー)
まず、凄い良く作られてるよね。
スリット実験とかはやっぱりその分野に少しでも興味を持っていた人間ならワクワクするし、ここまでしっかりとタイムリープについて考えていた作品もあんまりないと思う。
ただ、それだけにすごい理解が疲れたけどね。。。
何処に触れてもネタバレしそうだけど1点だけ。
上でも触れてたんだけど、簡単に言うと展開が不自然(というか早い?)。
というか、そうならざるを得ないんだけど、登場ヒロインや主人公たちの心は良く描写出来てはいたんだけど、すごく現実離れした場面だからこそ想像が追い付かないし、その「感情」に根差した「行動」というものにつながりを感じにくかったのかも。
そのへんをもっとはっきりとした…いや、はっきりと書いてはいるんだけど、もうすこしだけプレイヤー側に持ってきてほしかったのかも。
そういう意味では主人公が一番現実離れしてたかも。
まぁ、今回の主人公は感情移入するべきかどうかというのも一つの問題か。。。
時間・仮想世界・人間・AI…いろんなものが詰まった作品だから、最後の終わり方からも色々な解釈ができそうだし。
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[レビュー]your diary +Hの感想
2017-10-12 Thu 00:00
<作品名>     your diary +H
<製作会社名>   CUBE


your diary _H
公式ホームページ
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キャラクター・シナリオ : 【 S++ 】
主人公・智希を「幸せ」にするため、ゆあという神様ががんばる作品。
この作品はどのルートであっても人と人とのつながりが非常に強く、響きや香穂(無印時代はヒロインではなかったので)といったキャラクターもかなり物語に深くかかわってくる。
だからこそ、ともいえるが神様として主人公の幸せを願うゆあだけではなく、誰もがとても優しく、本気になって他の人の事を考えて行動している事が伝わる。
その上それぞれ一人ひとりの心理描写がかなりわかりやすく書かれているため、このゲームの暖かい世界観に浸りやすく、プレイ中の出来事の一つ一つに心を動かされる。
良い作品として必要になる要素が十二分に詰まった素晴らしい作品と言えるだろう。



共通√ 【 S 】  3-4h
紗雪先輩への告白失敗シーンから始まり、ゆあとの出会い、中間テストを超え、屋内プールイベントあたりまでが描かれている。
「+」シリーズ以降の新規攻略キャラ用の選択肢がいくつか追加されているものの、その影響もかなり少ない。
キャラクターの魅力を十二分に生かせるイベントが多く含まれており、各選択肢ではどのキャラの好感度が上がるかのマークがついている丁寧な仕様。
イベント内容としてはそこまで完成度が高いわけではなく、あくまで作品の本質が個別ルートにある事だけは確か。

your diary H ゆあ
ゆあ√ 【 S+ 】  3-4h
古本屋で出会った「幸せの神様」。
力が全く無く、見た目だけではなく言動も幼いことがあり失敗するとひどく落ち込むこともあるが、常にだれかの幸せを考えており、主人公の幸せの記憶で「日記」を埋めるために日々努力している。

個別ルート前半ではゆあと主人公が「幸せ」を探すうちに距離が近くなっていき、ゆあが主人公に対して嫉妬心を抱いてしまうことから仲が進展する。
ゆあを特別溺愛している紗雪を巻き込んでの騒動を経て、二人は「神様」と「人間」が恋をするという問題に立ち向かってゆくことになる。
この√ではゆあの存在理由などがかなり詳しく語られており、物語の根幹ともいえる部分ともなっている。
もちろんいろいろなところに見どころはあるのだが、他の人の幸せを一番に願うゆあの気持ちとその気持ちを汲んで行動する主人公はこの√でしか見られず、だからこそ応援しながら見たくなる物語となっている。
本当に大切なものを見ることができるゆあから見た「幸せ」というテーマについてを描いたこの作品を代表すべき暖かい√と言える。


your diary H 綾瀬紗雪
綾瀬 紗雪√ 【 S+ 】  3-4h
主人公の先輩で図書委員長。全国模試トップの学力を持つが一人でいることが多い。
才色兼備を地でいく人だが、非常に奥ゆかしい性格をしていて、何かと遠慮してしまう。
冒頭シーンでは主人公が『同情』で告白をしそうになったが、その前に紗雪さんが泣き出してしまい有耶無耶になっている。
どのルートでもゆあに釣られて行動する様子が見られる。

付き合うまでに大きな問題のあるヒロインで個別ルートではそこが焦点となっており、その話の関連でゆあの過去や設定が少し明かされたりとゆあの株があがる√でもあるが、その一連の展開では智希の以外のキャラクターが問題解決に協力してくれており、泣きシーンもある素晴らしい√と言える。
付き合った後の後半では、主人公に依存気味の紗雪先輩がみられて少々心配にもなるが、幸せな未来へと進んでいく様子が描かれ、個別ルートとしてもゆあとの話としてもクライマックスを迎えやはり泣ける物となっている。。

このキャラ√はおそらく作中で最も注力されており、この作品のテーマでもある「本当の幸せ」についてを考えさせる√である。
主人公や紗雪からの視点だけではなく、その周りの友人からの視点でこの物語のシーン一つ一つを見たときに受ける印象はまた大きく違い、特にゆあ視点から考えるこの二人というのは言葉や文字に表しきれないものがある。


your diary H 深菜川夕陽
深菜川 夕陽√ 【 S+ 】  3-4h
主人公のクラスメイトであり幼馴染。
母親を亡くしており、主人公の下宿先でもある「夕顔亭」では店の手伝いから家事全般までを幅広くこなし、学校での成績も良い。不平不満をまったく言わず、世話をするのが趣味と言っていいほど尽くしており、主人公へ好意を寄せているが素直に表すことができず、その様子を香穂や響に冷やかされることも多い。

個別ルート序盤ではとある出来事で智希が一歩を踏み出すことで付き合うという真っ当な美少女ゲームの幼馴染√といった体で作られており、物語のクライマックスと言える後半は「夕陽」という理想や完璧に近い存在がただ一人の「女の子」であるというテーマのもと作られている。
完成度こそ高いが冒険した√というわけではなく、あくまで手堅い内容になっている。
もちろん過去回想を含めて泣けるシーンはあり、ハッピーエンドで終わる個別ルートとしての読後感も非常に良い。

この√における「夕陽」とその他の√における「夕陽」という存在はその在り方が決定的に違っているように思う。
失恋シーンであったり、背中を押すシーンだったり、温かく見守るシーンだったりと、攻略キャラでスタンスが変わってはいるものの、どのルートにおいても夕陽の願いは変わらず一つで、だからこそそれが叶わないとわかった後の夕陽の行動と言葉には説得力と感動があるように思う。夕陽にとっては不本意ではあるだろうが、不幸だからこそ輝くキャラクターなのかもしれない。


your diary H 広崎かなで
広崎 かなで√ 【 S++ 】  3-4h
性格が非常におとなしい1年生ヒロイン。奈月の親友でもあり、二人で行動することも多い。主人公の親友である響の妹だが、とある理由によって冷たく接する響の代わりに兄として接していた。主人公たち2年生グループとはどうしても距離ができがちな1年生。主人公からは完全に妹扱いを受けている。

血縁関係どころか義妹ですらないのだけど、わけあって典型的な妹キャラ。基本的におとなしくて、おどおどしているのだけど、主人公の事が好きってことが淡く伝わるという素直にかわいいと言えるキャラクター。
個別ルートでは幼くも真っすぐな愛の言葉を呟く様子に何度もやられることになる。

話としてもかなり完成度の高い個別ルートで、前半では「親友の妹」という立場から「恋人」へ変化するという部分に対して、真っ向から描き切っている。
また後半では主人公とかなでの関係に対して奈月をからめた展開になっており、その際に様々なキャラクターから得られる言葉は思わず涙を流してしまうほど。


your diary H 榎本香穂
榎本 香穂√ 【 S+ 】  2-3h
主人公と同じクラスの女の子で夕陽の親友。「+」シリーズ以降でヒロインに昇格した。
基本的に元気系キャラで夕陽の気持ちを知っているため、響と協力してくっつけようと画策していることがおおく、その性格が災いして各ルートでは騒動の火種になることも。
ことあるごとに夕陽の胸をもむ悪癖と、智希に話しかけるときに顔を異常に近づけてしまう癖がある。

個別ルート前半は、とある事故でお互いに意識し始めるが夕陽の存在を気にして一歩を踏み出せずにいる香穂が描かれている。
夕陽の失恋シーンもあり、涙なしでは見られないこの√の最大の見せ場ともいえる。
個別ルート後半では香穂が過去に部活で行っていたソフトボールをテーマとした少し熱い話になっている。
エピローグもあっさりとしており、非常に読後感の良い話。


your diary H 藤村奈月
藤村 奈月√ 【 S+ 】  2-3h
かなでと同じクラスの感情をあまり表に出さない1年生。かなでとは親友でサブヒロインだったが、「+」以降からはヒロインに追加された。
友人想いでかなでの気持ちを知る奈月は主人公とくっつけるために色々と協力をしている。

個別ルート序盤では転校してしまう奈月をどうにかして阻止するという内容になっており、かなでを始めとして友人同士の暖かいやり取りが描かれており、中盤ではかなでの気持ちを知りつつも主人公のことを好きになってしまった奈月が描かれている。
このときのかなでと奈月のやり取りは涙なしでは見られない。
後半は奈月が「普通の恋愛」というものを目指して試行錯誤する様子が描かれている。
内容的にかなで√や紗雪√の一部の内容が含まれているため、攻略後を推奨したい。


your diary H 一ノ瀬ほとり
一之瀬 ほとり√ 【 S+ 】  2-3h
主人公の隣のクラスの女の子。「+」シリーズ以降でヒロインに追加。妹がいるためか面倒見がよくよく頼みごとをされており、容姿も相まって学園内での人望が非常に厚い。
「シューちゃん」という水色のセキエイインコを飼っている。

物語は殆ど接点のなかったほとりと主人公の仲が「シューちゃん」を通じて深まっていく様子が描かるところから始まっており、その後の展開においてもすれ違いながらもお互いへの想いを深めていく様子がしっかりと描かれた、一般的萌えゲー√。
特徴のない√かと思いきや、クライマックスではゆあと紗雪をからめたシーンなどもあり、その他の√と同じく十二分に感動できる√。
そんな内容のため紗雪√の攻略後に攻略することをお勧めしたい。



[ 主人公 ] 智希
両親の仕事の都合で夕陽の家に下宿しており、その恩返しということで喫茶店でバイトをしていることも多い。
両親との時間がなかったことや、幼い頃に転校した記憶から人とのつながりを大事に考える節があり、そのため良識派ではあるが自分の信念には背かず、親友のために殆どの友達と絶交したり、√によっては停学レベルの騒ぎを起こすことも。
基本的に恋を知らず好意には鈍感だが、意図して無視をしている部分もある。



【推奨攻略順 : 夕陽→香穂→ゆあ→紗雪→ほとり→かなで→奈月 】
基本的にロック等はないので好きな順番からの攻略が可能。
しかしながら、物語の伏線を把握するためにもメインの中の3人(ゆあ、夕陽、紗雪)の3人を早めにプレイすることをお勧めしたい。

CG : 【 S 】
線が細く淡い塗りで全体的に幼さを感じる絵。
完成度は高く枚数に関してもシリーズを通してなのでかなりの枚数になる。
無印との差という意味ではキャラ追加分+数枚程度。
SD絵にも追加がある。

音楽 : 【 S++ 】
BGM22曲、Vo曲4曲(OP2/ED2)
「+」シリーズになってVo曲が2曲追加されており、安定のDucaソングはこのゲームの雰囲気にももちろん合致。
しかしながらやはり前作からあるBGMが素晴らしい。
「ソルフェージュ」のような何気ない日常シーン用BGMのレベルの高さもさることながら、過去回想に使われる「あの頃」の純朴さや、悲しいシーン用の「伝えたいよ」やしっとりとした気持ちにさせる「雨を待っている」、〆シーン用の「若葉のころに」「ありがとう」などなどのBGMは何度も涙を搾り取ってくれた。
自己主張が激しいわけではないが、テキストと合わさってこそ実力を発揮する類のもので、この優しい世界観にマッチした素晴らしいBGMといえる。

お勧め度 : 【 S++ 】
今だからこそ再度お勧めしたい純粋な泣きゲー。
優しい世界観を持ったこの世界をプレイすればもう少しだけ優しくなれる、そんな暖かい作品。
初心者の導入としてはもちろんだが、最近のゲームばかりやってる玄人にこそお勧めしたい。
無印をプレイしたことがある人にとっては少し複雑ではあるが、前回プレイしたのがだいぶ前で内容を忘れているなら、一考の予知があるだろう。

総合評価 : 【 S++ 】
無印をプレイしている方には少しだけ物足りなさを感じるが、取りあえず単体としての評価は非常に高い。


(ぶっちゃけコーナー)
昔とだいぶ印象が違うなぁ…というのも、ある程度設定を覚えているから、2週目のプレイでは少しだけ感想が変わるってのがあるのかもしれない。
昔はプレイ順を順不同にしていたが、そういう意味ではかなり受ける印象が変わってしまうゲームなので、今回は私の順番を提案させてもらっている。
それにしてもキャラクターがすごくかわいいなぁ…攻略されている最中はもちろんだけど、特に他のキャラの攻略時にみえる言動に心を動かされることが多い。
それは可愛さという点もだが、何よりも「ああいう風に思っている」という前提があって、今の行動につながっていることを考えると思わず泣いてしまうシーンもある。
主人公やヒロインだけではなくて、その場その場において視点を変えて物語を眺めてみると感じる感動がまた変わってくる。
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[レビュー]アイよりアオい海の果ての感想
2017-10-05 Thu 00:00
<作品名>     アイよりアオい海の果て
<製作会社名>   AXL



アイよりアオい海の果て

公式ホームページ
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キャラクター・シナリオ : 【 S+ 】
温暖化等で陸上での文明が滅び、大きな母艦の上で生き延びているという設定の作品。
ある日、入ってはいけないとされていた機関室のさらに奥で多くの秘密とそしてコールドスリープ状態であった少女「アイ」と出会うところから物語は始まる。
アイドルという謎の職業を自称するアイと共に失われてしまった「文化的な生活」を復活させるため、主人公たちは奔走することになる。

資源の限定化と作業の効率化が進むうえで廃れていってしまった娯楽という名の「文化」を再度根付かせていく…という作品趣旨。
特に今回は舞台がSF的世界観ということもあり、また物語には秘密にされている重大な事実などもあって、テーマとしても描写としても難しいところも多くあるように思えたが、そのあたりを非常に巧く表せていた事に高い評価をつけている。



共通√ 【 S 】  4-5h
アイとの出会いから文化祭開催までが描かれている。
AXLらしい軽い笑いとテンポで物語が進んでいき、各キャラとのイベントもそれぞれ2回ほどあって、物語の設定や伏線をちりばめつつキャラクターの魅力を伝えるという意味ではある意味見本ともいえる内容になっている。


『アイよりアオい海の果て』ヒロイン
アイ√ 【 S+ 】  2-3h
機関部の奥でコールトスリープしていた少女。
自称「アイドル」を名乗っており、多くのひとを笑顔にするのが好き。歌や踊りが得意でで大昔の『文化』の記憶を持ってはいるが、その他の多くの記憶を失っている。
非常に前向きな性格をしており、どんなときにもめげずにまっすぐ目標に向かって頑張ることができる少女。
個別ルートでは主人公に対して恋愛感情を持つ自分の気持ちと、アイドルとしての立場で板挟みになる様子が描かれており、物語後半ではトラブルに見舞われた船団の中で明かされる真実とそれに立ち向かう主人公、そしてすべてが絶望に覆われる中でも常に前を向き続けるアイの姿が描かれている。
唯一アフターストーリーが他のキャラクターと違うテイストという特徴もあり、AXLらしさの中でも光るものを見たということで高い評価にしている。
この√でだいたいの謎が空かされてはいるものの、詳細は他の√で明かされる真実を含めることで、やっと作品の背景設定がはっきりとする。


『アイよりアオい海の果て』ヒロイン (1)
七海 ナタネ√ 【 S 】  2-3h
唯一、手動操船できる「セブンスター号」の持ち主。
普段は漁業などをしているが、自称「海賊」を名乗るほど自由に海を渡ることにあこがれを持っている。いわゆる元気系キャラクターだが、すこしだけツンデレ要素を持つ。
個別ルート序盤では両想いになり、それまでは意識しなかった「女の子らしさ」という部分について考えたりするシーンが暖かく描かれている。
√後半では他の船団の情報や過去にあった出来事の真相なども明かされ、ナタネの夢とも絡んだ話となっており、ナタネの夢を守るために必死になる主人公が見られる√となっており、ある意味一番AXLらしい√ともいえる。


『アイよりアオい海の果て』ヒロイン (2)
真備 シオン√ 【 S+ 】  2-3h
この船の船団長の一人娘で、その手伝いをしている。
規律を重んじ、時には厳しいことを言ってしまう事も多いが、主人公の前だけでは甘えてしまう正統派ツンデレ、CV青山ゆかり。
個別ルートでは病に倒れた船団長の代わりに仕事をするシオンとそれをサポートする主人公の姿が描かれており、物語後半では明かされる主人公たちの出生の秘密に交えて、船団長とシオンとの親子の絆が描かれた話となっている。
語られる物語は非常に暖かく、特殊な設定ながらも普遍的な内容であり、高い評価にした。


『アイよりアオい海の果て』ヒロイン (3)
一刈盛 サンゴ√ 【 S 】  2-3h
少しだけ年上のお姉さん的存在。
おっとりとした性格をしており、主人公に対しては何かと世話を焼きたがる傾向も。
殆どにおいてドジではあるが、料理と包丁さばきに関してだけは引けを取らず、ナタネがとってきた魚をさばくことが多い。
個別ルート前半ではどうしても弟扱いしてしまうサンゴに対して主人公が熱烈にアタックするシーンが主に描かれており、後半ではサンゴ自身の秘密やそれに関連した船団の過去、そしてそれらを知ったサンゴの決断などがあり、割と重めの話になっている。


[ 主人公 ]静馬 アオ
船では師匠である『じっちゃん』と共に道具の修理・制作を担当している。
機械いじりが趣味で、作業に熱中すると周りの音が聞こえなくなるほどで、特に大昔の遺物である「ロストテクノロジー」には強い関心を抱いている。
リーダー的存在ではないが、温厚でまじめな性格から多くの人からは頼りにされている。


【推奨攻略順 : ナタネ→サンゴ→シオン→ノーマル→アイ 】
どのルートもある程度のネタバレがあるため、攻略順は好きなキャラからでよい。
アイ√とノーマル√のみ、1√攻略後に出現。


CG : 【 S 】
いつのAXLらしい絵。
CGの枚数や質も十二分で全体的なレベルの高さ(安定度)は言うまでもない。
ネタとなるSD絵が豊富なことも魅力の一つだろう。


音楽 : 【 S+ 】
BGM27曲、Vo曲3曲(OP/ED/挿入歌)という構成。
バリエーションの豊富なBGMはコミカルなものから陰鬱なものまで、各シーンに合わせたものがそろっているがどれも印象は薄い。
どちらかというとVo曲の質が高くなっていることが印象的で、各ED用曲がなくなっており数こそ少なくはなっているものの、茶太さんのクセになるテンポのOPやiyunaさんがしっとりと歌い上げた「melody star」は作中で流されていれば思わず涙してしまいそうなほどの出来。
挿入歌では各キャラが歌っており、こちらも必聴。


お勧め度 : 【 S+ 】
今回はSFを基盤とした物語となっていてAXLとしては…というより、物語としても割と珍しい物になっていたが、いつものAXLらしい元気の出る前向きな作品。
AXLファンはもちろんだが、各ルートのシナリオももしっかりと作られており、物語の内容を重視の人でも楽しめるように作られている。


総合評価 : 【 S+ 】
AXLの作品として十二分に良作と言える範囲の作品であり、全体的なレベルの高さは言うまでもない。曲やシナリオはAXLらしさを残しつつ新しい印象を与えるものになっており、その点を高く評価した。


(ぶっちゃけコーナー)
今回、実は評価に関しては結構悩んだ。
シナリオはよくできていたんだけど、泣けたかというとそういうわけでもない。
やっぱり、AXLではファンタジーとかの世界で繰り広げられる暖かい話が結構好きだったりするんだけど、今回はSFでも飛び切りの終末世界設定。
設定もよく作られていたなぁというのが正直な印象で、明かされていない事実や謎の部分、矛盾点も多少あるけれども、作品趣旨として「文化」を根付かせるため学校を作ったり、学園祭と称してライブをやったりと、狭い世界観の中でよく動く作品だった。
特にヒロイン達やサブキャラたちがよく登場し動いてるからこそ、寂しい世界観のなかでもAXLらしい明るさが常にあったように思う。
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[レビュー]Harmoniaの感想
2017-08-24 Thu 00:00
<作品名>     Harmonia
<製作会社名>   Key



Harmonia.png
公式ホームページ
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キャラクター・シナリオ : 【 S+ 】
チャプター0からチャプター8までで構成され、選択肢等は一切なくただ読み進めていく小説形式の全8章の作品。
終末世界のような荒廃した世界で人とフィロイド――機械人形のふれあいを描いた作品。
主人公のレイはフィロイドであり、最初に出会った人間シオナと共に生活し、町の人々と接していくことで失われた感情を取り戻していくことになる。
文章はすっきりとしており読みやすく、物語自体もそこまで長くないのでサクサクと読める物になっている。
その分泣きシーンに関しても弱くはなっており、完成度は割と高めではあるのだが心を動かせるかというと非常に苦しいところ。
世界観も相まって全体的な作りは非常に簡素に感じるため、そういう意味でも小説的な作品という表現が正しいだろう。
タイトルの「Harmonia」とはギリシア語で『調和』を意味しており、テーマとしては人間とフィロイドの調和ということで「planetarian」に近い作品となっている。
プレイ時間は非常に短い4-5h程度。

【推奨攻略順 : なし 】


CG : 【 S 】
基本CG数は15枚。
安定のいたる絵、慣れれば問題ない。


音楽 : 【 S+ 】
BGM15曲、Vo曲2曲という構成。
折戸さん、水月さんの両名がBGMを担当しており、個人的な大好物。
上げだすとキリがないが「Terrarum」「Oppidum」のようなこの世界感の根幹を現した曲が秀逸。寂しさの中にやはり温かさがあるそんな雰囲気。
Vo曲で特に印象に残ったのは霜月はるかさんの歌う「永遠の星へ」。
透き通るような声で歌いあげられるサビは作中で思わず涙を流してしまう人もいるのではないだろうか。


お勧め度 : 【 S 】
Key15周年記念ということで制作された作品。
短くサクッとプレイすることができ、よくできたSF作品なので、そういった理解のもの購入すべきだろう。
昔のKeyを想像して購入…という方にとってはやはり厳しく、特定深度のKeyのファンが購入するという物になってしまっている印象。


総合評価 : 【 S 】
個人的な感想としてはもう少し高くしていいような気もするのだが、やはり一般的な視点から見るとこのぐらいの評価。


(ぶっちゃけコーナー)
やっぱBGMとVo曲のレベルは高いよなぁ。
麻枝さんが参加してないので、ぐっと心に攻め込んでくるようなBGMこそないけれど、水月さんや折戸さんの音楽も個人的には好きだからね。
シナリオ的にはどうなんだろうなぁ…最近は結構真剣なSFっぽい作品に逃げがちな印象のあるKeyなんだけど、そこで押していくのが正解ではなさそうな気がするしなぁ…。
ただある日常が面白くて、そこに感動する話が詰まってる…という王道中の王道作品を高品質で書いていくのはかなり難しいとは思うけれど。。。
麻枝さんがシナリオから撤退した穴を埋めつつ、今までのKeyを保つには…という戦いがまだまだ続く気がする。
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[レビュー]月に寄りそう乙女の作法2.1 E×S×PAR!!の感想
2017-08-17 Thu 00:00
<作品名>     月に寄りそう乙女の作法2.1 E×S×PAR!
<製作会社名>   Navel


月に寄りそう乙女の作法2.1
公式ホームページ
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キャラクター・シナリオ : 【 S+ 】

turi (1)
エスト・ギャラッハ・アーノッツ アフター√ 【 S 】  4h
本編、 エスト・ギャラッハ・アーノッツ
前半ではお互いの両親への紹介や彼女の故郷そして思い出の地を訪ねたりと主従としてだけではなく恋人としてつながりを深め、中盤以降では新学年になったフィリア女学院(日本校)での1年を描いている。
二人にとっての新しいデザイナーとしてのあり方などについてお互いの心理描写を密に描き出し、アフタールートの中でもよりエストとの将来的な関係性について踏み込んで行くような内容となっている。
サブ要素として伊瀬也とジャスティーヌの仲の進展も描かれている。


turi (3)
銀条春心(パル子) アフター√ 【 S+】  2.5h
主に特別編成クラスと一般クラスの和解やパル子らの所属するネットショップ「ぱるぱるしるばー」での活動、そしてパル子の体質についてをメインとして語られている。
Navelとして、ギャクテイストの文章は一切緩めず、笑いながらサクサク進められるつくりとなっており、重要な場面でもうまく雰囲気を切り替えてしっかりと締めるところで締める√。
特に一番最後のED演出はさすがと言う他ない。
パル子の事をもっと好きになれるような、アフタールートらしい作りになっている。

turi (2)
月に寄りそう乙女の作法0 【 S+】  2.5h
「月に寄りそう乙女の作法 」シリーズの原点、大蔵衣遠視点で描かれた彼の学生時代のお話。
八千代の他にジャンやラフォーレなど新旧の関係者が登場する他、新キャラクターを交えて展開される。
1作目の衣遠から伝わる強い意思の原点であり、苛烈な覇道の始まりともいえる部分は全作通してのプレイをしているからこそ描けると言っても過言ではなく、√中では思わず涙を流しそうになるほどのシーンも。
彼の境遇やその心境をより詳細に知れたことによって各作品での彼の行動についての理由が分かり、だからこそ一番最初の衣遠へ対する感情が本当に信じられないほど昇華する事が出来る。
この√をもって皆に愛されるような一つのキャラクターとして完成したといっても過言ではないだろう。

【推奨攻略順 : パル子→エスト→つり乙ゼロ 】
パル子とエストはどちらでも最初に攻略可能。
両ルートを攻略後につり乙ゼロが攻略可能となる。


CG : 【 S 】
FD扱いとなっているこの作品ではあるが、枚数としては割と多い。
背景や新キャラクター等も登場しているため、立ち絵も増えている。
上記の事を考えると十二分と言えるだろう。


音楽 : 【 S++ 】
新規追加BGM4曲、Vo曲2曲(ED)という構成。
BGMでは「こんがり夕焼け色ベルギーワッフル」がつり乙ゼロ√において、泣きシーン等の要所で良い働きをしていた。
何よりも特筆しておきたいのはVo曲2曲。
どちらもテイストの違う曲ではあるものの、特徴的な動画と共に流れるそれは名曲と言わざるを得ず、単体でも十分に価値のあるものとなっている。

お勧め度 : 【 S++ 】
エストとパル子の二人アフタールートをメインに添えた「つり乙2」のアフター作品。
言うまでもなく、完成度は非常に高くFDと言うよりは続編と言ってしまったほうが御幣がない。
ギャグテイストをメインとしながらも各登場キャラクターの心理描写に深く踏み込んだ描き方をするシナリオは健在。
全キャラクリア後に攻略化脳になる「月に寄りそう乙女の作法ゼロ」に関しても、このシリーズのファンなのならばプレイすべき√と言える。
上記の事柄を鑑みて続編ながらもお勧め度を高く評価しておいた。

総合評価 : 【 S+ 】
名作の域、安定して高品質の作品をコンスタントに生み出すメーカーにも賞賛を送りたい。

(ぶっちゃけコーナー)
「つり乙」や「乙りろ」を含めると、今回で5作目。
シリーズ物としても服飾というテーマでの作品としても最終段階といえる作品。
今回も文句のつけどころがないほどの完成度だったので、だからこそ同シリーズの続編を求める心もあるのだが、
やはり心機一転の新シリーズを開始してほしい気持ちもある。
なんにせよずるずると過去の栄光に引っ張られて、惰性で物語を作るだけ。。。と言う危険性もあるため、綺麗な記録のまま保存しておきたい、今回の作品でそんな事を考えました。
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