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[レビュー]景の海のアペイリア ~カサブランカの騎士~の感想
2018-04-26 Thu 00:00
<作品名>     景の海のアペイリア ~カサブランカの騎士~
<製作会社名>   シルキーズプラスDOLCE



景の海のアペイリア ~カサブランカの騎士~
公式ホームページ
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シナリオ : 【 S 】

現実世界へ帰って来た零一のその後を描いた話となっており、前作ではサブキャラクター扱いだった沙羅と七海がメインヒロインとなっている。
前作でヒロインだった4人に関してはかなり搭乗時間が少なくなっているため、その点だけは注意が必要となっている。

共通部分は3-4h、各キャラシナリオも2h程度しかなく全体的なボリュームとしては比較的少なめだが、FDとしてみれば十分量。

内容としては、前作同様の科学SF物となっており、短いシナリオも手伝ってか非常にわかりやすく、それでもしっかりとしたロジックが組まれている。
また、ギャグシーンに関しても割と力を出してきている印象が強く、ギャグゲーとしての要素もある作品と言える。
作中では重要人物であるシンカーが出てきたりはするものの、前作の不明だった点の補足シナリオという意味合いはそこまで強くなく、沙羅と七海を中心としてそれぞれの抱える問題にスポットを当てつつ、前作で『ハーレム』という選択肢を選んだ主人公に対しての作品ととらえるのが妥当だろう。


【推奨攻略順 : 沙羅→七海 】
途中の選択肢により各ルートに分岐するが、最終的に二つとも選ぶことになっており、シナリオ自体は一本道。


CG : 【 S 】
線は細く塗りの淡い絵。
追加枚数は多いとまでは言えないものの、1枚1枚の質がシッカリとしているのが特徴的と言える。


音楽 : 【 S 】
基本的には前作のBGMを使用することが多いため、追加BGM数は不明。
Vo曲としては2曲ほど追加されているが、質自体は悪くないはずなのだが、作品中で目立つシーンが後半に固まっているためか印象としては薄い。


お勧め度 : 【 S 】
ゲームを始める際にも出てくるが、前作『景の海のアペイリア』のプレイが必須になる作品であり、単品で楽しむのは不可能と言ってよいだろう。
前作のシナリオロジックや雰囲気が気に入った方には十二分にお勧めできるが、前作の補足を求めてプレイする方には注意が必要である事だけは付け加えておく。


総合評価 : 【 S 】
シナリオ自体は良くできている部分がある反面、物足りないものもある。FDであるということも前提であるため抑えめでこの評価に。


(ぶっちゃけコーナー)
取りあえず、単体で手に取ることなかれってことだね。
まぁFDらしいFDというべき作品なのかもなぁ、前作の雰囲気というか強みである近未来を舞台とした科学SF系の設定を活かしつつ、あまり難しくないロジックを展開させたのは素直に好感が持てるし、時折入るギャグシーンでも結構笑えた。
あんまり上の方では書いてないけれど、各ヒロインパートも意外に深いところまで書かれていたりして、沙羅と七海が好きだった人にとっては特にいい作品かも。
どうしても、前作の最後の方はさくっと終わってしまっているシーンもあって、物足りない人もいるだろうしそのへんの補足は結構ほしい所なんだけど、ただまぁ…どうしてもアペイエリアがいると無敵感がでるし、前作のシナリオがしっかりとしていた分、期待値は高くなっちゃうから続編という考え方は難しいのかも?
そういう意味では無難なFDという印象もある。
出来は良かったけどね。
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レビュー]ゴールデンアワーの感想
2017-11-23 Thu 00:00
<作品名>     ゴールデンアワー
<製作会社名>   NIKO


ゴールデンアワー
公式ホームページ
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キャラクター・シナリオ : 【 S 】
今作は東京の都心を舞台とした恋愛学園物。
サッカー一本で頑張ってきた主人公が事故に遭い、腐っていたところを不思議な少女ユキとの出会いをきっかけに、学園のマドンナである広瀬夏未との恋を成就するために頑張る…という内容の物。

新ブランドNIKOからの作品となっているが、MORE系列の作品と思っても問題ない。
作中のCGでは「ヒマワリと恋の記憶」の登場キャラクターのCGが使われていたりと、一部世界観を共通しているような描写もあった。

本命であるユキ√に向かって各ヒロイン√が分岐する形となっており、相も変わらず個別√の出来は高くない。
また作中では文章や立ち絵表示のミスが多くみられ、作品の進行を阻害するほどではなかったといえど少々気になるレベルではあった。

この会社の作品の最大の魅力である音楽(挿入歌)を活かしたシナリオは健在。
特に挿入歌「車窓の歌」が流れるシーンは思わず鳥肌が立つほどで、音楽とシナリオの融和性の高さを感じられた。

しかし残念なのは全体的な完成度の低さ。
シナリオ展開が強引な所も多くみられたし、急に説明口調になってしまったりする主人公を含めた登場キャラクターの性格や口調がしっかりと固まっていないため、ブレブレなキャラクターたちが気になるところもあった。
現代をの恋愛学園物テーマとした作品ということもあって、緻密な描写が必要となる部分で弱みを見せてしまったのは痛かったところ。
また全体的にまとまりがないせいなのかもしれないが、演出の下手さも目立つところ。
特にこの会社の系列作品での終盤演出は最も重要といえるが、今回はそのあたりにも粗が目立っていた。
そのせいで、いつもは感動できていた泣きシーンでも泣けないシーンがいくつかあった。

しっかり感動させるところは感動させ、締めるところでは締め、余韻を感じさせたいところではぼかす、とそのシーンごとでやりたいことは違うはずなので、そのあたりを意識して作ってほしかったというのが正直なところ。
鬱屈としたシーンから畳み込むような展開は方法を変えれば、個別√だけでなくユキ√であったとしてもさらにワンランク上の名シーンになっていたように思う。
もちろん現状でも泣きシーンでは涙を流せはしたのだが、テーマや下地、音楽などの素材も合わせれば感動させる要素がこれでもかとそろっていただけにひどく残念。


共通√ 【 S+ 】  2-3h
ユキとの出会いから始まるこの作品。
本編√から各ヒロイン分岐が出現する形をとっているため、メインと言えるのはOPが流れるあたりだろう。
ユキを機転としてサクサクと物語が動いて行くのはかなり新鮮で舞台背景などをいろいろと推察しつつも、様々な予測や展開への期待ができる出来。
特に挿入歌が流れる告白シーンは見もので、ほんのもうひと押しされていれば泣いていた自信がある。


Character ? ゴールデンアワー (2)
七北田 瑠璃√【 S-- 】  1-2h
主人公とは同じクラスでサッカー部のマネージャーだったが全国大会地方予選敗退を機に引退した。その時からサッカー部キャプテンの手塚と付き合っている
好きな人のためになら何でもする、どんなふうにでも変わる…という気質の子。

言わずもがな主人公の事が好きだったが、諦めるために手塚と付き合ったという子で、個別√は言い方を悪くすれば寝取り√となっている。
そのため気の休まることがほとんどなく、居心地の悪いまま展開されていく。
それ以外のシナリオはまったく共通部分と同じとなっており、個別√部分だけをピックアップして考えると肉欲で爛れた日々のみを思い出す。
瑠璃の切ないまでの一途な言動と合わせてみると割と青春まっしぐらの√ではある。


Character ? ゴールデンアワー (5)
砂押 リサ√ 【 A 】  0.1h
サブヒロイン枠の子、すずと同じ読者モデルだが、自分より後輩のすずの人気に嫉妬しており、今回は完全なる悪役として動いている。
この子の√は実質BADEND、特に語ることもない。


Character ? ゴールデンアワー (3)
名取 すず√ 【 S- 】  1-2h
昔は地味でオタク気質だったが、今は人気の読者モデル。
サッカー観戦が趣味のため、モデルになる前から主人公とはサッカーの話で盛り上がっており、たまに主人公の試合や練習の観戦もしていた。

彼女の魅力は控えめな性格とそこに溢れた愛情。主人公の目に留まるようにと努力する姿は何ともいじらしい。
個別√のシナリオとしては本編の流れとは完全に外れ、すずがプロのモデルを目指し、主人公はそれを公私ともに支えてゆく√となっている。
ただ、わりと平坦で特筆すべき点がない√でもある。


Character ? ゴールデンアワー (1)
北上 まりか√ 【 S- 】  2-3h
主人公の幼馴染で元カノ。
主人公がヨーロッパへ行ったことをきっかけに自然消滅してしまっており、以前は気まずい関係だったが、事故の後からは何かと心配をしてくれている。

まりか√も本編から離れたものとなっており、主人公が過去に付き合っていたということや夏未の存在などをテーマとした恋愛学園物となっている。
複雑に絡み合う登場人物の心模様はテーマとして十二分にいいものと言えるだろう。


Character ? ゴールデンアワー
広瀬 夏未√ 【 S 】  1-2h
主人公のクラスメイトで学園のマドンナ。

夏未の個別√ではとある理由により一般的な学園物となっている。
主人公も心機一転大学を目指すことになり、夏未の受験勉強と合わせて過ごす時間が増えるにつれ、深まっていく二人の様子が描かれている。
関係が密になるにつれて心の中の引っ掛かりを覚える二人がそれでも、とお互いを想い合うシーンがメインと言える。
なお共通√で一時登場していたサブキャラクターの梅田千尋が登場しており、終盤では物語のネタバレにつながるような設定を匂わせるシーンがある。


Character ? ゴールデンアワー (4)
ユキ√ 【 S 】  3-4h
街中で何かを感じた主人公に呼び止められた。
なんだかんだで主人公と夏未の恋を手伝ってくれることになった。
本人曰く音楽科所属。

個別√ではユキの魅力ともいえるなかなか素直になれない所や意外と尽くしてくれる意外な一面が少し悲しい雰囲気で描かれている。
ある意味この作品の本体ともいえる√でもあり、この√のための作品と言ってもよい。
内容はさすがに伏せるが、主人公の過去やユキの設定に触れた内容になっており、この√をクリアすることで今までの不自然な点がすべて解決することになる。
もちろん泣きシーンはあり破壊力は作品中で随一と言える。


[ 主人公 ] 石森 雄也
サッカー部のエースで世代別代表に選出されるほどの実力だったが、事故に遭ってけがをしてからはサッカーをやめてゲーセンに入り浸る日々を過ごしていた。
理由は分からないが広瀬夏未の事を何故か気にしてしまう。

【推奨攻略順 : 瑠璃→リサ→すず→まりか→夏未→ユキ 】
シナリオの攻略順はほぼこれで固定。
最悪ユキ√は最後に攻略することをぜひおすすめしたい。


CG : 【 S 】
全体的に固めの質感の絵。
ゴールデンアワーの名のごとく、夕暮れ時のCGが多い印象を受ける。
全体的な質がかなり上下するのだが、これぞという1枚の破壊力が高い。


音楽 : 【 S++ 】
BGM15曲、Vo曲3曲という構成。
全体的に良い意味での古さを感じられるBGMがそろっている中で、タイトルシーンにも使われた「Insomnia」は文章と合わせて思わず涙腺に来る物になっている。
そして何よりも評価したいのは3曲のVo曲。
OPシーンでも使われた「Change The World」はすばらしいイントロが印象的な良曲で唐突に流れると一瞬にして舞台の雰囲気を一掃する。
一部キャラのEDに使われた「ラストタイム」はしっとりと歌われており、攻略後にもういちどじっくりと聞きこんでほしい曲となっている。
中でも最も評価をしたいのがどこか懐かしさを感じる「車窓の歌」。
「あれからどれくらい経ったんだろう」というフレーズから始まる遠い所に住む好きな人に会いに行くための歌は曲単体で泣けてしまう。
各シーンでの挿入歌としても使われていたが、この曲をもう少しうまく使われていたら全体的にもう数ランク上の評価を付けていたと自信をもって言えるほどの良曲。


お勧め度 : 【 S+ 】
正直なところ個人的な好みになる作品で、今までのMORE作品が好きな人でもこれを好きになれるかは微妙な所。
それくらい人によっては(私個人としても)評価が分かれるだろう作品。
しっかりと読み込むタイプの恋愛学園物で、一部暗い雰囲気の作品ではあるのでそういった雰囲気が好きな方にお勧めしたい。


総合評価 : 【 S+ 】
個人的にもう少し下げてしまいたいというのが正直な感想だが、シナリオだけではなくVo曲のレベルの高さや扱ったテーマの良さなどを鑑みてこの評価。


(ぶっちゃけコーナー)
「この恋、青春により。」以来のMORE作品。
まぁあれはSLGでADVではないからそういう意味では「ヒマワリと恋の記憶」以来というべきなのかもしれないが、どちらにしろ1本の√が本命で挿入歌と合わせて感動させる! というつくりは変わってないね。
ただ、威力という意味では落ちたような気がするんだよね。
まぁ、扱っている内容は今までの作品と似たような感じなんだけど、それにしても挿入歌を今回はうまく使いこなせてなかった印象が強い。
もちろん、今回もある程度は泣けたんだけど、今回は「あれ、これで終わり?」ってなった気分が強い。
今までは本当に一気にそこで評価が変わるレベルの作品が多かったからなぁ。
個別√が割と壊滅的なのも似た傾向。
今回は夏未√やまりか√など工夫すれば泣けそうな√もあったし、そのための素材もいろいろとそろっていた事を考えるともったいないという気持ちもある。
かなりの場所で誤字脱字、立ち絵の表示ミスや漢字・セリフで微妙なニュアンスが変な所とかいくらでも見つけられたから、落ち着いて物語全体を見直すとともにそういう細かいところも見直してほしいな、というのが正直なところ。
もちろん個別√を含めて全体的な改善もしてくれるとありがたいけど。
Vo曲はいつも通りレベルが高いな。
「Change The World」はユキ、「ラストタイム」は夏未、「車窓の歌」はまりか、とそれぞれの√のEDで流れる曲はそれぞれのイメージソングともなっていて、攻略後に歌詞を聞きこむとまたイメージが変わるかも。
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[レビュー]景の海のアペイリアの感想
2017-11-02 Thu 00:00
<作品名>     景の海のアペイリア
<製作会社名>   シルキーズプラスDOLCE


景の海のアペイリア
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キャラクター・シナリオ : 【 S++ 】
近未来の東京を舞台として主人公が偶然に自我を持ったAI(強いAI)である『アペイリア』を作ってしまうことから物語が始まる。
主人公たちがアペイリアの機能を使って作られてしまう完全没入型VRMMO「セカンド」がデスゲームになり、主人公はなぜかタイムリープに巻き込まれてしまう。そんな中で数少ないヒントからアペイリアを狙う存在に気が付く――魔法あり科学ありの仮想世界と現実世界で繰り広げられるAIと人間と時間の戦い。

作品は三羽√→ましろ√→久遠√→アペイリア√(TRUE)の順番に構成されており、選択肢等は出現するものの、上記の順番が変わることはない。
一本道の√ではあるものの、上記√はそれぞれしっかりと作られており、全体的なボリュームは一般的な作品とさほど変わりないといえる。

今回の作品で特徴的ともいえる要素が3つある。

一つ目が今作の主人公「零一」。公式的に変態と認定されており、エロに従順で基本的にどのシーンであってもエロ関係の話題でふざけていることが多いことから、基本的な会話は非常にバカっぽく、戦闘シーンの一部でも声があったりと力が入ってはいるのだが、どこかバカバカしいやり取り描かれているのは確か。仮想世界では複数のヒロインやそれ以外の女性キャラと関係をもつこともある。
しかしながら頭脳は非常に優れており、AI関連の知識はもちろんの事、状況把握や作品のメインともいえる頭脳戦のメインを担っていた。

二つ目がシナリオである。
正確に言うとテーマとなっている時間素行やそれに類する伏線で、作品の性質としてシュタインズゲートのような本格派の科学ADVに近い側面を持っている。
これらは非常に高いレベルで作られており、与えられた一つの状況で二転三転する現実を楽しめるのもこの作品の良いところである。
特に時間素行(タイムリープ)に関しても、「そういうもの」として置いておくことなく、量子論等を使った独自の解釈で、できるだけ現実の現象と齟齬がないようにじっくりと説明しており、それに付随した状況説明も作中では多く行われていた。
しかしそれだけに、内容が非常に難しくなっており、特に後半は解説用の図があるといえども理解には何度も読み返す必要があり非常に時間がかかる。

そして最後が魅力的なヒロインたちの存在である。
ある意味これは二つ目と被っている部分も多いのだが、秘密を抱えるヒロイン達と過ごしていき、そして協力して問題を乗り越えるシーン。そしてそのあとに待ち受ける展開。
変態的な主人公ではあるものの、恋愛描写はしっかりと描かれており、よく作られていた伏線と合わせて感動的なシナリオでは思わず泣いてしまうこともあるほど。

総じてすべてのレベルが高いということは言うまでもない。
しかしながら絶望的に相性が悪い要素があったのも事実。
科学ADVとしての側面が強かったところ、主人公がすぐにふざけるため力が抜け、すぐにヒロインたちの感動的なシーンに流れたりもする。
感情の起伏も非常に激しく、とくに冗長となりがちな説明部分で気持ちが置いて行かれる人も多くいるだろう。

上記の点を含めたうえでもシナリオがよくできていることを否定はしないが、最後の広げ過ぎた風呂敷のたたみ方を含めて、改善点は多くあり、泣きゲーとしては高く評価していないというのが今回の総じての感想ともいえる。


【推奨攻略順 : 無し 】
選択肢はあるが1本道の作品。


CG : 【 S 】
線が細く濃い塗りの絵。
枚数に関してはHCGが多めに用意されて入るものの、一般CGもある程度用意されており十分と言える。質もかなり高めで戦闘用のものから、日常シーンのものまで幅広いジャンルのものが多彩に描き出されている。


音楽 : 【 S 】
BGM38曲、Vo曲2曲(OP/ED)という構成。
BGMは数多く用意されており、現実世界と仮想世界という二つの世界に対応したものが用意されており、他にもAIをテーマとした「アペイリア」を代表とする不思議なBGMなどがあり、特に戦闘シーンや思考シーン等の暗めのBGMが多かった印象。
Vo曲はOPの「アペイリア」が印象的。BGMの同名曲とは違い、暗い雰囲気から始まる走るような旋律は非常にかっこいい。
対してのED「信じられるよ」はゆったりとした曲調。


お勧め度 : 【 S+ 】
時間遡行をテーマとした科学ADV、仮想現実を舞台とした剣と科学のファンタジー、そして恋と青春の物語。
要素としてはかなり含まれているが、もっとも評価できるのは科学ADVとしての側面であり、科学・近未来系、時間系の理論がしっかりと説明されている作品が好きな方にこそお勧めしたい作品。

逆にシナリオを深く読み込むのが苦手の方や、キャラの可愛さなどをしっかりと楽しみたい方にはお勧めしにくい作品。


総合評価 : 【 S+ 】
総じてシナリオはよくできているものの、全体的なバランスがとれておらず、改善点も見られる、泣きゲー重視の評価としてはこの程度。


(ぶっちゃけコーナー)
まず、凄い良く作られてるよね。
スリット実験とかはやっぱりその分野に少しでも興味を持っていた人間ならワクワクするし、ここまでしっかりとタイムリープについて考えていた作品もあんまりないと思う。
ただ、それだけにすごい理解が疲れたけどね。。。
何処に触れてもネタバレしそうだけど1点だけ。
上でも触れてたんだけど、簡単に言うと展開が不自然(というか早い?)。
というか、そうならざるを得ないんだけど、登場ヒロインや主人公たちの心は良く描写出来てはいたんだけど、すごく現実離れした場面だからこそ想像が追い付かないし、その「感情」に根差した「行動」というものにつながりを感じにくかったのかも。
そのへんをもっとはっきりとした…いや、はっきりと書いてはいるんだけど、もうすこしだけプレイヤー側に持ってきてほしかったのかも。
そういう意味では主人公が一番現実離れしてたかも。
まぁ、今回の主人公は感情移入するべきかどうかというのも一つの問題か。。。
時間・仮想世界・人間・AI…いろんなものが詰まった作品だから、最後の終わり方からも色々な解釈ができそうだし。
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[レビュー]ニュートンと林檎の樹の感想
2017-08-03 Thu 00:00
<作品名>    ニュートンと林檎の樹
<製作会社名>  Laplacian


ニュートンと林檎の樹
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キャラクター・シナリオ : 【 S 】


共通√ 【 S 】
タイムスリップ後にニュートン(アリス)と出会い、そしてその仲間たちと親交を深めつつつ、変わってしまった歴史や自分の時代への帰還という二つの目標の達成に対して行動する主人公たちの姿がメインで描かれている。
主軸として上記の物語があり、その物語から各キャラ√が分岐する形を取っている。
ギャグテイストの文章で非常に読みやすく、サクサクと進む部分が多いのだが、タイムスリップの原理関係の話題が出ると、どうしても難しくなる部分があるのは確かで、
展開力自体はあるのだが、泣きシーンへの導入がかなり強引でサクッと終わってしまうことなど、不自然さが多く物語り全体がぎこちなくなっている。


nyu- (2)
一二三 四五√ 【 S 】  1.5h
主人公の幼馴染で測量が趣味。
知識量も主人公が羨望するほど豊富なのだが、感情すら「定義」してしまうほど融通のきかないタイプでもある。
個別√では彼女が秘めていた主人公への想いという物にフォーカスを当てている。
主人公を最初から想っており、立ち位置や過去の約束なども含めるとメイン中のメインキャラクターとも言えるのだが、どちらかと言うとBADENDのようなルート。
主人公の挫折の理由なども語られており、わりと短いルートではあるが重要な要素が語られている。
本人√よりも他ヒロインの√での姿に心動かされることも多いキャラクター。

nyu- (4)
ラビ・ジエール√ 【 S 】  1.5h
テンプリッジ大学に居座っているつかみどころのない科学者。
母親が現代日本以上の科学力を持っていっために魔女扱いされ、共に亡命してきた過去を持っている。
理解力は高く、好奇心も旺盛で、いわゆるマッドサイエンティスト。
個別√はラビの母親に関連したエピソードをきっかけに付き合うことになる。
物語の展開としては「タイムスリップ作品のBAD√」といった物になっており、お世辞にも後味は良くない。また、彼女だけ2週目の攻略において一部の台詞が変化する。
個別√で流れる動画の「コレジャナイ」感は半端ない。
ちなみに彼女の正体はアリス√の後半で判明する。

nyu- (3)
九十九 春√ 【 S 】  1.5h
同じ日本の血が流れる天文学を専門とした優しい年上のお姉さん。
アリスの親友でもあり、いつか日本を見ることを夢見ている。
個別ルートにいたるまでは春の未来での正体やアリス(ニュートン)との関係、プリンキピアの出版経緯に絡んだ問題が析出する。
ここにラビの影響が強くかかわっていることもかなり印象深く、四五など、攻略後のヒロインに関してもしっかりと行動させているあたりは好印象。
しかし個別ルートに入った後はいつも通りイチャイチャしつつ、すこし引っかかりを覚える終わり方をする。


nyu- (5)
エミー・フェルトン√ 【 S 】  1h
アリスたちの暮らす寮の管理をしているメイドであり、無類のイモ好き。
時折論文等を読んでいることから科学的な素養もあるらしい。
個別ルートにいたるまでにアリス自身について非常に掘り下げられる所であり、科学者としての面だけではなく、人間的な闇の部分にも言及している。また、割と衝撃の事実が判明する。
エミー√に入ってからはいつも通りの流れでエミー自身については書くべきところがほとんどないのだが、四五との別れ方が印象的。


nyu- (1)
アリス・ベッドフォード√ 【 S+ 】  1.5h
修二と四五がタイムスリップして初めて出会う少女であり、ニュートンというペンネームで論文をいくつも寄稿していた物語の中心ともいえる人物。
ニュートンの人物像はほとんどが想像であり、実際は生意気な金髪ロリっ子
彼女の個別ルートではもともとの目的であった「歴史改変」「現代への帰還」という二つの目標を達成するための√。
基本的にはギャグ路線のこの作品ではあったが、彼女の√にかんしてはどうしても悲しさが漂い、挿入される動画もどちらかというとそういった作りになっている。
このルートのために作られた作品でもあるため、思わず涙してしまう場面もあり、つくりとしても全体的にみれば突出している。
しかしながら、素材としてもうすこしの展開を期待していた部分もあり、表かとしては抑えめ。攻略後に「強くてニューゲーム」という半ばパロディーアフター√がある。


nyu- (6)
[ 主人公 ]
ノーブル物理学賞(※正確には違う)を受賞した祖父をもつ青年。
昔は祖父の下で四五と共に科学を学んでいたが、とある出来事により挫折、音楽の道へと進んでいたが、お世辞にもうまくいってはいなかった。
基本的には対応力が高く好奇心旺盛なのだが、どこか自分の能力に対してネガティブなところがある。


【推奨攻略順 : 四五→ラビ→春→エミー→アリス 】
1周目で攻略可能なのが四五とラビ、ラビ攻略後にほかのキャラクターが攻略可能となる。
シナリオの構成的にも基本的にこの順番が堅い。

CG : 【 S 】
細い線、濃い塗りに薄く特殊なエフェクトをかけている絵。
質に関しても総じて綺麗なのだが、どことなくバランスに危うさがある部分も。
全体的にはアップのCGよりは引いて描かれたもののほうが綺麗な印象。
SD絵も多数存在している。

音楽 : 【 S 】
BGM11曲、Vo曲2曲(OP/ED)+αという構成。
非常に少ないBGMは物語へのバリエーションという意味では不足だった。
「贅沢な日々」などに代表される、華やかで時代を感じさせる音楽が印象的な他、「ノブレス・オブリージュ」や「抱きしめたその手で」のような、誇らしくも一抹の悲しさが残るBGMが印象的であった。
曲として特筆しておきたいのはイントロが非常に素晴らしいOPの「風の唄」。
また、「+α」に関しては、各キャラに専用の動画が用意されており、その中で軽いラップ…のような音楽があるため、このような表記とした。

お勧め度 : 【 S+ 】
物理学史にとって重要な1687年にタイムスリップするという、「コミカル・タイムトラベル」作品。
基本的にはエロを交えたギャグテイスト中心の作品となっており、難しいことや矛盾には一切手を触れないように作られているため、真剣にタイムスリップ作品をプレイしたい人は注意が必要。
笑えて、すこし泣けて…という宣伝には偽りなし。


総合評価 : 【 S 】
ギャグ中心の作品でありながらストーリーもそこそこ作りこまれており、評価としては安定しているがあと一歩が足りないのも確か。

(ぶっちゃけコーナー)
全部終わった後に「まぁ、史実がこんなのでも面白いかもな」と思わせてくれる程度にはよくできている作品。
それだけに、やはりもう一歩踏み込んだものを作ってほしかったのも確か。
ストーリーとギャグのバランスが難しかったのもある。
ギャグ自体にそこまで破壊力がないのでストーリーで補っているのだが、そのせいでギャグが寒くなっていたり、逆にギャグのせいでストーリーに集中できなかったり。。。
個別ルートが適当だったのもやはりつらいところ。
展開として不器用で強引なところがあるのを見逃しておくとしても、、短いし展開として似すぎている。
四五やラビ、アリスなどは心の描写をもっと深めていけば全然違うテイストで重要シーンには入れていたんじゃないかなぁ…。
この作品に出てくるサブキャラも含めて意外と面白いんだから、そのへんは活かしてほしかったかも。BGMのバリエーションの少なさも気になるし…。
動画のテイストも「そうじゃないんだよな…」という感じが否めない。
あれは民安さんの歌唱力があってこそだったんだよ…。
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[レビュー]あきゆめくるるの感想
2017-03-25 Sat 00:00
<作品名>    あきゆめくるる
<製作会社名>  すみっこソフト

あきゆめくくる

シナリオ構成
S+
攻略キャラはメイン4人、サブ2人、TRUE√としてエピローグ1本という構成。
共通ルートも比較的量はあるため全体的なボリュームは十分と言えるだろう。

【推奨攻略順 : 柚月(→みはや→ノア)→キス→歩→沙織→TRUE 】
沙織√以降は固定、それ以外は自由。
基本的には沙織√まで自由に攻略してよい作りになっている。

CG
S
線が細く、濃い塗りの絵。
全体的に綺麗ではあるのだが、作中に使われている絵の中では質の上下がある。
SD絵もいくつか存在している。

音楽
S+
BGM21曲、Vo曲2曲(OP/ED)という構成。
Vo曲はOP・EDともにRitaさんが歌う楽曲、特にOPは作品に不釣り合いと言えるほどテンポの良い明るい歌になっているのだが、特に素晴らしいのは最後のサビに入る前のブリッジであることを付け加えておきたい。
BGMでは”ラブコメ”らしい楽曲がそろっているのだが、緊迫・不安をあおるBGM等が目立つのも作風と言えるだろう。

お勧め度
S+
過去作同様のSF要素たっぷりの”ラブコメ”作品。
とくにコメディ部分においての強化がすさまじく、今までの作品のようなプレイ中の飽きのようなものも殆どなく、それでいてしっかりとSFを感じられるシナリオになっている。
量子力学的な話が作中には出てきますので、しっかりと理解するためにはすこし考える必要がある事に注意。

総合評価
S+

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量子爆弾によってとある1日をループしている「ルルラン市」そこに連れてこられたのは、とある6人の男女。彼らはここから抜け出すために「ラブコメ」をするのだった――。

同会社による四季作品のうちの3作目である「秋」にあたる作品。
OPの冒頭文字にもある「異常な人たちの送る、普通のラブコメ作品」というのはこの作品をサックリと一言で表した言葉と言えるだろう。

異常な回復力を持つ主人公を筆頭として、境遇・性格・性質、そのどれかが(もしくは、どれもが)イレギュラーな人物ばかりが集まっているのも異常事態だが、何よりも特殊なのは場所の異常性。
主人公はそこから抜け出すためにラブコメをするように提案をするところから物語が始まる――というのが繰り返しになるあらすじともいえる部分なのだが、実際作中でラブコメをするシーンは少なく、どちらかというと「ラブコメ」をするために異常な人たちが試行錯誤する作品と言える。
特にノーパンネタを筆頭としてシモネタが多くみられるのも注目点だろうか。
しかしながら、1作目のような「即! 乱交!」のような狂気性はなく、あくまでプレイヤーが付いて行ける程度の逆セクハラ。
だからこそ、というべきなのかはわからないが、笑いに関しては今までよりもかなり洗練されており、おもわず笑ってしまうシーンが多々あった。
そのおかげもあり、作品は最後の最後までスルっとプレイすることが可能。

作品のキモともいえるSF部分に関して、各所で土織キスを中心とした量子力学的な話(思考実験)が挿入されます。
理解するのが少し難しい部分もありそうですが、基本的には全く知らない人でも理解できるように具体例等を挙げて説明してくれているため、読み取りに苦労は必要ですが戸惑う人は少数で、そのあたりも前作までと比べて広く門戸を開いている印象を受けた。

序盤から謎に包まれていたWSPの正体や町の異常の原因、そしてその解決方法などなど、一部キャラのルートでそれらが徐々に明かされつつ、沙織√以降では作品の設定や主人公の異能なども含めた展開がされており、どんでん返しの驚きのようなものはないが、非常にSF作品としても読み応えのある作品となっている。

コンフィグに関しては問題なく、プレイするのに快適と言って問題ない。

【総括】
誰にでも手に取りやすいSF作品としての評価も高く、全体的な完成度も今までの比ではないため、平均以上のこの評価。

(ぶっちゃけコーナー)
「くるる」とあるように、今までの作品同様ループ物ではあるんだけど、どちらかというと今回は最初から町がループしていることを知っていて、あとは量子力学やら多世界解釈やらそういう話が入ってくるからね、あんまり難しいと思うことはなかったかも。
今までの作品は割とハードルが高かった気がするんだけど、そのあたりが下がって、一般的な√もギャグが豊富で面白いし…。

と、エピローグまでプレイした人にだけ、わかると思うのだがOPのタイトル名は「roop ~遠い世界のキミに贈るたったひとつの恋の歌~ 」なのだが、この歌をあの人視点の歌だと思うと凄く切ない純愛の歌になるんですよね…歌詞も含めてぜひプレイ後に聞いていただきたい。
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