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[レビュー]SPIRAL!!の感想
2019-08-17 Sat 00:00
<作品名>     SPIRAL!!
<製作会社名>   Navel



SPIRAL!!.png
公式ホームページ
↑クリックすると公式HPに飛びます。

キャラクター・シナリオ : 【 S 】
過去作の『SHUFFLE!』シリーズに加わった新作。
設定としては『SHUFFLE!』の物語が始まる前のシナリオとなっており、神界の姫が人間界に向かっても平気かどうか潜入調査する…という内容の物。

設定として大きく引き継いでいるのは、人間界、魔界そして神界の三世界が存在しており、少し前にそれらの世界の交友が始まったという事。
キャラクターにはストーリーや性格に関連した花言葉を持つ花の名前がついていたりと、の伝統の設定等を一部受け継いでいたりと、ひっそりとシリーズとしての伝統が息づいているものの、、シナリオに大きく影響しているものはあまりない。
各キャラ√においても上記の三世界…とくに人間界と神界の関係や神界の話などは多くでており、『SHUFFLE!』をプレイした人間にとっては世界観の補強となっている一方、まったく新しくプレイした人にとっては新鮮に読めるように工夫されている。

問題は各キャラ√のシナリオの短さだろう。
4キャラと言う人数はともかく、全体的なボリュームがハーフプライス作品に迫るほどの短さであるというのは、シナリオにおいて大きな痛手といえる。
幸いにも物語自体は難しくなく、短くよくまとまっているので読みやすい、という利点がある。
物語自体も各ルートで大きく差がついているため、飽きずに最後まで読めるのだが、それだけに各キャラについての描写や掘り下げが足りないのは確かであり、どうしても中身を薄く感じてしまう。

『SHUFFLE!』のシリーズとして物語を書く必要性などなど、気になる所はもう少しあるものの、登場したキャラクター達も魅力は十二分にあったし、シナリオも全く楽しめないわけではない。そのため、どうしても上記の点がこの作品の評価を大きく下げた部分ではないのかなと思っている。


共通√【 S 】  2h
主人公が転入性として入学する4月から潜入機関の終わりとなる6月あたりまでが描かれている。
『学園潜入物』として描かれた作品ではあるが、そうした描写はこの部分ではあまりなく、どちらかと言うと異世界の人間が人間界を新鮮な気持ちで楽しむ、、明るい学園物として描かれているシーンがメインとなっている。
シナリオ量としてはわりと短いため、各個別にいたるまでに各キャラとの絡みのシーンもあまりないのが難点といえ、特にヒロイン同士がが会話するシーンがかなり少ない。

ちなみに設定やヴィジュアルだけを見ると女装潜入もののように見えるが、基本的に女装要素はほとんどない。
(主人公が嫌がりながらも、周りにさせられるシーンはあるが)

SPIRAL スパイラル オフィシャルウェブサイト
半田 珊瑚√【 S 】  2-3h
主人公のクラスメイト。
面倒見が良く世話好きなので転校してきた主人公を良く気にかけてくれている。
正義感の強い委員長タイプなのでクラスの中心人物になるタイプなのだが、「異種族」が苦手な事でも有名。

個別√では前半に珊瑚との甘い日々が描かれている一方で、秘密を隔して付き合う『罪悪感』が募ってゆく主人公の心情も描かれている。
しかしながら、後半からは様子が一変し、今まで謎だった珊瑚や彼女の母親についてやクロムの『潜入捜査』の理由が明らかになる中で、最後にはクロムの正体が絡んだりと、サスペンス要素アリな展開の中で、今までの伏線を回収してゆくスタイルとなっている。
もちろん彼女の抱える異種族への苦手意識がテーマとして入っているものの、全体的には今作のGRAND√のような内容になっている。


SPIRAL スパイラル オフィシャルウェブサイト (1)
門御 茨子√【 S 】  h
クロムと同じクラスの少女。
自他ともに認める『人間嫌い』であり、その為他人に対してもキツい言葉を使うことがあるが、基本的にはクールなキャラとして受け入れられている。
人間らしくないクロムに対しては比較的好意的に接してくれている。

彼女の個別√では、共に過ごすことで茨子の中に目覚めた「恋心」を確認するためにお試しの恋人関係になることから物語が始まってゆく。
その様子は非常に初々しく、茨子のクーデレっぽい一面はもちろんの事、クロムと過ごす日々は予想以上に様々な表情を見せてくれている。
物語の後半は彼女の『人間嫌い』についての話となっており、短めではあるものの彼女のルーツに迫るシナリオとしてまとまりも良く、読後感の良いものになっていた。


SPIRAL スパイラル オフィシャルウェブサイト (2)
白金 みずき√【 S 】  2-3h
天真爛漫で純粋無垢、いつも元気いっぱいな笑顔を見せてくれる女の子。
特に「魔法」が大好きで魔法研究部、通称『まほけん』に所属しており、自分の興味のある事には猪突猛進になる事も。
クロムを「魔法が使える人間」と勘違いしており、尊敬している。

個別シナリオでは、ぐいぐいと引っ張る様なみずきが積極的にアピールシーンや、恋仲になった後、その溢れんばかりの幸せな笑顔と甘いやり取りがふんだんに描かれている。
中盤からは彼女の大好きな「魔法」というのが一つの大きなテーマとして挙げられており、彼女が「魔法」を好きで、それを「人助け」に使いたいと願っているその理由、そして彼女の正体、それらが絡んだシナリオは少なからず驚きのある話となっている。


SPIRAL スパイラル オフィシャルウェブサイト (3)
大津 ローズ√【 S 】  2-3h
主人公と同時期に立バーベナ学園から交換留学生としてやってきた。
人族、神族や魔族といった区別、はては性別の壁をも感じさせないほどフレンドリーであり、誰とでもすぐ仲良くなれる。
どんな時も慌てず笑顔で余裕のある振る舞いをするので大人っぽくみられることも多い。

いつも微笑み、落ち着いたふんわりとしたイメージのローズ、個別√ではごく真っ当に惹かれ合った二人の甘い日々が描かれている。
全体的に平和な作品なのだが、後半の一部ではローズについての驚きの事実が判明するほか、『SHUFFLE!』ではあまりテーマにならなかった世界間のしがらみのような要素が入ったサスペンスっぽい展開となっている。


SPIRAL スパイラル オフィシャルウェブサイト (4)
[ 主人公 ]芦野目 クロム
神界の諜報局に所属するエージェント。
今作では人間界を調査するため人間しか通えない『学園』に潜入することとなった。
中性的な顔立ちをしており女性と見間違えられることも多いため、女装を強いられることもあるが、本人的にはあまり乗り気ではない。


【推奨攻略順 : ローズ→みずき→茨子→珊瑚 】
攻略順にロック等はないものの、珊瑚などはグランドルートに近いため最後に回したほうが楽しめるかもしれない。


CG : 【 S 】
線が細く淡い塗りの絵。
全体的に美麗で癖も少ない絵なので広く受け入れやすい。
枚数に関してはHシーンが多めの構成なので、一般のCGが少なく感じるのは確か。
シナリオとの分量を考えるとある意味一般的ともいえる。


音楽 : 【 S 】
BGM不明、Vo曲2曲。
音楽鑑賞画面がないためBGMの数は不明、いくつかいいものはあるものの、印象的なものと言われると上げにくい。
Vo曲はOPの橋本みゆき「BLOOM」が爽やかで疾走感のある安定した良曲と言える。


お勧め度 : 【 S 】
『SHUFFLE!』シリーズではあるものの、世界観の設定のみを引き継いでいるほか、一部設定が仄めかされる程度な為、単体のプレイは十二分過ぎるほど可能。
どちらかと言うと、フルプライス作品としてのボリューム不足やシナリオの内容の方が減点する部分としては大きい。
『SHUFFLE!』をプレイしている人にとってだけ、少し見方が変わるシーンなどもあるにはあるが、"シリーズ"物としておすすめできるとは言いにくい。


総合評価 : 【 S 】
キャラの可愛さやシナリオも含めて全体的に安定した作品ではある。
しかし、『これ』といえるポイントがないのも確かで、平均的なこの評価。


(ぶっちゃけコーナー)
物語は平凡に感じる人にとっては平凡かも。
この辺は個人差だけど、確かに「名作だ!」って言える内容ではなかったのは確か。
ただまぁ、『SHUFFLE!』自体もハーレム物であることを覗けば、割と普通の学園日常物だったんですよね。
この辺を悪しき風習と思うか否かなのですが、『SHUFFLE!』自体はその「普通の学園物」をテーマにした作品であり、あの物語の中に多くのヒロインがいて、それぞれが思いを抱えている…そうした思いが世界を織り上げている…みたいなところがいい所でした。
そういう観点で見ると、今作が『SHUFFLE!』シリーズである必要がったか、と聞かれると答えに困ってしまう。

3世界の設定こそ引き継いでいて、ちゃんと物語に活かしているんですが、似たような設定で物語の再現はできるので、個人的には必要性はあんまり感じてなかったり…。

本当に個人差なのかもしれないけれど、やっぱりこの作品に対して物足りなさを感じた人は多いはず。
『SHUFFLE!』の時代…黎明期に近い時代とは違って、多くの特殊な作品がある中でこの作品の魅力みたいなものを明確に表現できていればまた違った評価になるのかもしれない。
シリーズとしてさらに続けていくならば、この辺りの評価も一気に変わるかもしれないので、続編があるならばそういった意味での注目度は高そう?

そういえば、音楽鑑賞画面は普通に欲しかった…。
私が見つけれてないだけなのかな? あるんだったら教えてほしい…。
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[レビュー]乙女が結ぶ月夜の煌めきの感想
2019-04-18 Thu 00:00
<作品名>     乙女が結ぶ月夜の煌めき
<製作会社名>   ensemble



乙女が結ぶ月夜の煌めき 乙女シリーズ 女装主人公ミニゲーム New Stage
公式ホームページ
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キャラクター・シナリオ : 【 S 】
ある日、主人である蘭に呼び出された冬弥はいつもの無茶ぶりによって一定期間を条件に女学園に女装して入学することになる。さらには蘭の苦手な科目では彼女に変装して授業を受けることになり、女学園を舞台にしたでの二重変装生活が始まる――。

そんないつもの女装物にプラスアルファの設定がある今作。
その中でもさらにお嬢様学校における資産家出身の生徒(ブライト)と一般家庭出身の生徒(クレセント)による学内での不和をテーマとした作品である。
この問題に関してはどのルートでも大きく取り上げられており、「お披露目会」(という名の文化祭)までの短い期間の中でいかにしてその問題を取り除いていくか…というのがこの作品の根幹にもなっている。

基本的にシナリオに関しての過度な期待は禁物、特に複数シナリオライターの弊害なのか、キャラの設定などが各√間でブレている所があり、そのあたりに関してはもうすこしブラッシュアップの必要を感じた。

一方で、複雑そうな設定の中にも見える安定感はさすがと言える。
ともすれば混乱しやすそうな内容ではあるものの、状況を分かりやすくするのが上手なのか混乱することはあまりなく、今までの作品とは少し違う雰囲気を演出している。
その中でも特にキャラクターを描くという事に関しては非常に安定感があった。
各ルートにおける展開はある程度平凡ではあるものの、各ヒロインをしっかりと差別化しつつ、女装というコンテンツを加えることで、日常では引き出しずらいそれぞれのキャラの表情を切り出しているのはこのジャンルの作品ならではと言える。

シナリオに関して付け加えるなら、各ルートにおける要所要所の演出や、終盤におけるシナリオできちんと伏線回収をしたところも褒めておきたい。
作品の趣旨としてはどうしてもシナリオ寄りではないのだが、その中で最大限のものを作ろうという努力は見られ、思わず涙を流しそうなシーンもいくつか見られた。
演出やそのシーンに至るまでの描き方、泣きシーンにおける描写の工夫次第で、まだまだ感動できる要素はあるはずだが、内容的には非常に良いものもあったので、今後にも期待が持てるものとなっている。


共通√【 S 】  3-4h
蘭と優紀の転校から数週間程度の話ではあるが、共通ルートとしては比較的短く、基本的には各キャラクターの雰囲気や学園の状況説明に終始している。
その為、内容の評価という意味では可も不可もなく...というどっちつかずなもの。
ただ特筆しておきたいのは、注意したいのは最初の選択肢であり、それぞれが各ヒロインとの個別エピソードとなっているので、個別√前には見ておきたい。


乙女が結ぶ月夜の煌めき 公式サイト CHARACTER:四條蘭
四條 蘭√【 S 】  2h
様々な分野で非凡な才能を見せるが、逆に一部の分野に関しては素人以下の実力しかなく、その点を優紀にサポートしてもらっていた。
マイペースで常に唯我独尊を貫くお嬢様であり、優紀を振り回しては困らせていることが多い。しかし時折本質を見抜く力があったり、鋭い視点や言動をすることも。

センターヒロインということもあり、シナリオの内容もこの作品の正道ともいえる流れを辿っている蘭√なのだが、やはり彼女の魅力はデレてから。
当たり前のことではあるが、優紀に対していつもと違う接し方をする蘭が見られるのはこの√だけであり、また作中ではスポットの当たりにくい『主従関係』を気持ちよく描いたシナリオといえる。


乙女が結ぶ月夜の煌めき 公式サイト CHARACTER:佐倉こころ
篠森 涼花√【 S 】  2h
学園の副会長を務める心優しいお嬢様。
高貴な家の出身ではあるが、誰にでも平等に慈愛の心をもって接することができる少女であり、だからこそ現在の学園の状況を憂いている。
会長が不在の生徒会を支えてきたが、無理がたたって1度体調を崩している。

『お嬢様』というよりは年上のお姉さんとして、彼女の包容力の大きさを魅力として感じさせるシーンが多かった涼花√だが、恋愛描写においても蘭との掛け合いなどで笑いの多いものとなっていたのも意外といえる。
シナリオ自体に関しては、言い方は悪いが展開もシナリオの都合に合わせた物になりがちだったが、それでも終盤は少しだけ感動できそうなシーンもあったりもする。


乙女が結ぶ月夜の煌めき 公式サイト CHARACTER:冷泉雫音
冷泉 雫音√【 S 】  2h
日本有数の財閥の息女であり、母は明月学園の理事長でもある。
そんな高貴な生まれもあってか自分を厳しく律しており、成績は優秀であり物腰も落ち着いている、その一方で世俗の事にはめっぽう疎い一面もある。
とても優しい子なのだが、周囲の人間から誤解されがちなところも。

個別√では生徒間の不和を緩和するため、明月学園に残る『主従』の関係を利用することとなり、蘭の一計により、雫音が"従者"となって主人公に仕える展開に。
他の√ではあまり絡みがないだけに印象がどうしても薄い雫音√でもあったので、彼女が本来持つ魅力をいかんなく発揮する。
特に世俗に疎く、ショッピングを楽しむ様子などの違う一面が見れるのも良い所。


乙女が結ぶ月夜の煌めき 公式サイト CHARACTER:藤咲渚
藤崎 渚√【 S 】  2h
家庭科部の部長を務めている少女。
人好きのする柔らかい笑顔が特徴であり、学園内にも多くの友人が存在している。
また、世話焼きな性格ため相談役になることも多く、彼女のいる家庭科部だけはブライトとクレセントの垣根がない特殊な関係を築いている。

彼女の個別√では「ブライトとクレセントの融和」を目指すというテーマを主軸としている部分は他の√と変わりないものの、ひょんな切っ掛けから冬弥と優紀という別の人間として彼女と接する特殊な関係を築くこととなる。
百合っぽさがある優紀との関係自体も割と稀有なのだが、その上に冬弥からの視点という二重の関係を描いた個別√では渚の内面的な魅力も良く描き出しており、シナリオの展開自体も面白くしている印象がある。


乙女が結ぶ月夜の煌めき 公式サイト CHARACTER:佐倉こころ (1)
佐倉 こころ√【 S 】  2h
家庭科部に所属する学園の1年生。
引っ込み思案でおとなしい性格でテンパることも多いが、自分の好きな事や趣味の話になると押しが強くなり、時折暴走してしまうこともある。
渚と幼馴染であり、学園に入学した理由も彼女を追っての事らしい。

とあるきっかけによりこころの秘密を知る事で二人の仲が急接近してゆく。
ネタバレ事項は共通ルート時点で割とはっきりしてるためシナリオ的な面白さはあまりないのだが、いつもは後輩として控えめなこころだが、特定の状況においてその性格を一変させる様子は一つの魅力ともいえるだろう。
また扱った内容も最近の流行を意識したテーマであり、そのあたりも新鮮な話となっている。


????√【 S+ 】  2h
ネタバレになるため一応名前は伏せるが、全キャラ(or特定キャラ?)の攻略後に出現し、各ルートで出現していた問題や伏線が改修される√となっている。
今までの乙女シリーズとは少し違う光る部分が見られた部分であり、この√が用意されていたこと自体を大きく評価している。


乙女が結ぶ月夜の煌めき 公式サイト CHARACTER:塔矢優紀
[ 主人公 ]塔矢 優紀
母の代から四條家に仕える使用人、本名は『結城 冬弥』
普段は蘭のお世話役とお目付け役としてサポートしていたが、今回は彼女たってのお願いにより女学園に入学することとなった。
基本的には一般的な能力しかないが、蘭が苦手な分野に関してはかなりのレベルで習熟しており、学院内で時折入れ替わって――つまり女装+入れ替わりの二重変装――を行って蘭をサポートする。


【推奨攻略順 : こころ→渚→雫音→涼花→蘭→???? 】
基本的には好きな順番でよいだろうが、涼花や蘭√は後半に回したほうがシナリオとしても収まりが良いだろう。


CG : 【 S 】
線が細く淡い塗りの絵。
質に関しては言うまでもなく高品質で、枚数もシナリオに見合った量がある。
女装主人公物ということもあり、主人公が登場するCGが非常に多いのも特徴だろう。

音楽 : 【 S 】
Vo曲2曲(OP/ED)、BGM18曲という構成。
舞台のお嬢様学校に合わせて華やかでありつつも落ち着いた雰囲気のBGMが多いが多少の不足感を感じるのも確か。
対照的に特に印象に残ったのはVo曲。
安定ともいえるDucaさんのOPもちろん素晴らしいのだが、EDは榊原ゆいさんの歌う『Lovin' You』で、これがもしこの作品のあの場所で使う、と最初から想定されていたのだとしたら...と思わせるほど良い。


お勧め度 : 【 S+ 】
今作の乙女シリーズでも恒例の女装主人公が一番かわいいパターンは健在。
他にもいままでの『女装』だけでなく、主人である蘭に変装して学園で過ごすなどの目新しい設定があるのも高評価。
何よりもシナリオ部分に関しては、いつもの『乙女シリーズ』にある平凡な個別√だけではない要素もあり、今までのファンには特にお勧めしたい作品。


総合評価 : 【 S 】
今までにない目新しい要素はあったものの、作品自体の主軸は今まで通りであり、悪く言えば停滞、良く言えば現状維持なので、評価としては抑えめにしている。


(ぶっちゃけコーナー)
個人的にヒロインで驚いたのは渚かなぁ…。
見た目に反して(というのはすごく失礼だけど)、凄く魅力的なキャラクターで、意外性という意味ではナンバーワンと言えるんじゃないだろうか?
彼女の魅力はルートをプレイしないと分からないので、そのあたりは非常に上手なところだなぁと思う。

シナリオに関しては何度も書いているが伏字になっている『????』の√に関して、各ルートで伏線が出ていたので少し気になっていたが、こうなっていたとは…ある程度の驚きがある√となっており、この辺りは今までの乙女シリーズとは少し違う部分かな? と思った。

「所詮いつものensembleなんでしょ?」って言われたら、まぁその通りなんだけど…それとは少し違うこの作品のいいところもあったよ~って言える作品。
強くお勧めはできないけど、このブランドをプレイしてきた人なら上向きになって来た気持ちがわかる…はず、と思いたい。
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[レビュー]処女はお姉さまに恋してる 3つのきら星の感想
2019-02-28 Thu 00:00
<作品名>     処女はお姉さまに恋してる 3つのきら星
<製作会社名>   キャラメルBOX


処女はお姉さまに恋してる 3つのきら星
公式ホームページ
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キャラクター・シナリオ : 【 S+ 】
おとボクシリーズの3作目の今品は今までの聖應から一転、キリスト系の『聖セラール女学院』を舞台とした作品で、結城密はとある大企業の娘を秘密裏に守護するため、男なのに女学院に入学することになる。

と、設定だけ聴くと『恋する乙女と守護の楯』のようである今回の作品だが、「お嬢様学校に潜入する」というような今までの流れや世界観を踏襲している部分もあれば、舞台やコンセプトを変えている所もあり、学園のイベントの中だけではなく、小さなキャラクターとのやり取りに至るまで、随所に新旧の風を感じる。

踏襲された部分について、最も評価したいのはこのシリーズには欠かせない精緻な心理描写だろう。
その表現力は依然として安定したものであり、特にキャラクターが多くなり混乱しやすい共通ルートにおいては最もそれが顕著に表れていると言える。

逆に踏襲してほしくない部分でいうと個別√の薄さであろうか。
共通ルートに関しては内容も濃く分量もあるのだが、そこを1度プレイしてしまうと、後の個別√は非常に薄く、内容も駆け足になってしまっている部分が多い。
せっかくキャラクターとしては非常に魅力的な人物がそろっているので、そのあたりは非常にもったいなく感じてしまう。

最後にシナリオとして物語の整合性が非常に悪いというのが正直な感想。
あとでも出てくるが、選択肢によっては会話の内容がわからなかったり、とあるシーンが飛ばされていたり、誤字脱字が多かったりと非常に目に余る部分もあり、全体の評価を大きく下げている一旦となっている。
ぜひ落ち着いてプレイをするなどしてブラッシュアップをしてほしかったところ。


共通√【 S+ 】  8h
今までの「おとボク」作品と同様に密の転入から卒業までを描いており、文化祭のような一般的な学園イベントはもちろん、照星選挙のようなシリーズ独自のイベントがメインとして描かれており、中には今までのシリーズをしていたからこそ分かる伝統のようなシーンもいくつか点在している。
また、作中の選択肢によって各種イベントが挿入されたり、内容が変化するようになっており、それに合わせ各話で各キャラクターを絡めた様々な問題が発生する。それに対し密が行動することで各キャラ、そして密自身の在り方を変化させてゆくことになる。

上記で書いた理由もあり、ボリュームもかなりの量となっているのだが、各ヒロイン√がある中でもやはり評価したいのはこの共通ルート。
特に密について語られる後半シーンにおいての、織姫の心の動きや学園を含む周囲の反応は否応なく感動させられるものとなっており、非常に高評価となっている。


ひと月になる所といえば、選択肢によりシナリオの一部が変化するため、多少物語に誤差(『象牙の間』を知っているはずなのに知らない等)が出るシーンがある所であり、これはは共通ルートだけもかなり多くのシーンで見られた。この辺りに関しては物語において非常に重要なシーンも含まれるため、デバックするなどのブラッシュアップがほしいところ。


処女はお姉さまに恋してる 3つのきら星 ~Character~ (1)
風早 織女√【 S 】  1h
世界に名だたる大企業の当主の一人娘であり、次期当主を目されるお嬢様。
その立場に甘えることなく、自身も帝王学を初めとした様々な学習を行っており、成績も密が入学するまでは主席を守っていた優等生。
その忽然とした態度や気品、あふれる優しさも相まって学院での人気がもっともある学生であり、学院では畏敬の念も込めて「姫」と呼ばれている。

おそらく今作ではセンターヒロインに近いキャラクターで、同格であるはずの美玲衣と比べてもその差は歴然。
個別√は鏡子√と展開を一部共有しているが、概ねは織女の実家を絡めたシナリオとなっており、二人の将来に関してを過ごし意外な展開も含めつつ描かれている。
短いシナリオではあるものの密の立ち回りや二人の恋愛描写もきちんとあり、内容自体は詰まっている印象がある。


処女はお姉さまに恋してる 3つのきら星 ~Character~ (2)
正樹 美玲衣√【 S 】  1h
織姫に次いで人気のある3年生。冷静で感情論を排した発言が多いため、冷たい印象を受けることも多く、それゆえ周囲から評価されている所も。
成績では織姫に次いで2位に甘んじていることや、出自の関係もあってか織姫に対して非常に強い対抗心を抱いていたが、密との出会いにより考え方が変わってゆく。

今作のセンターヒロインの一人で、キャラクターとしても意志の強いとても面白味のあるキャラクター。しかしながら、密の女装バレシーンにまつわるシナリオは選択によっては飛ばされることもあったり、エピソード自体も非常に薄かったり、と今作で最も不遇な扱いを受けたキャラと言える。
個別√は彼女の実家を絡めた話であり、密の活躍するような立ち回りのシーンもあるにはある。全体的にさくっと描かれている印象が強く、物語自体もすんなりと終わる。


処女はお姉さまに恋してる 3つのきら星 ~Character~ (5)
仲邑 茉理√【 S 】  1h
『ヴィオラの君』と称される儚げな雰囲気のある3年生。
元々は有名なのヴァイオリニストの卵だったが、心因性の病気のために手を自由に動かせなくなり療養のために学園に転入してきた。
独自の感性があり、つかみどころのない反応が多い。そのため会話する相手も少なかったが密とは気が合う他、中盤からは美玲衣と共に行動する姿もよく見られている

個別√では彼女からは外せない「音楽」についてをテーマとしたシナリオとなっており、、同時に彼女の将来についても絡めて描かれている。
どこか天然な風の彼女だからこそ時折見せる深い懐や突拍子もない行動には、彼女ならではの魅力があると言える。


処女はお姉さまに恋してる 3つのきら星 ~Character~ (4)
伊澄 花√【 S 】  1h
キミリア寮に暮らす1年生で、寮では鏡子と密の妹(世話係)を担当している。。
優しい父母で育ったためか甘えん坊で、ドジっ子なところがあり、鏡子には特にいじられることが多く、その度にアワアワしている。
自己評価が非常に低く、特殊な環境であるセラールにおいて委縮する場面も多い。

ヒロインの中では数少ない後輩キャラであり、純粋に慕ってくれる妹としての在り方はどこまで行っても可愛い、とにかく可愛さを前面に押したキャラクター。
多くの登場人物から可愛がられる事も納得してしまう、そんな花の可愛い様子が個別√でもいかんなく発揮されている。
また、女装バレのシチュが他キャラと違うところにも注目しておきたいところ。


処女はお姉さまに恋してる 3つのきら星 ~Character~ (3)
茨 鏡子√【 S 】  1h
1年前から学院に編入している主人公の同僚であり、『お嬢様』に変身するためのイロハを短期間で密に叩き込んだ人物。
基本は無口で毒舌家なため冷淡な印象を受けるが、花や主人公をいじって楽しむ悪戯っぽい一面や、密と二人きりの時には姉っぽい一面も見せる事もある正統派ツンデレキャラ。
実は密たちよりも年齢が上であり、そのことを非常に気にしている。

個別√では織姫と内容が一部被っているが、途中から展開がかわっており、彼女にまつわるシナリオに関しては身分違いの部分を少しだけ取り上げている。
どちらかというとキャラクターとしての魅力が高く、共通ルートからこの子の「ツン」と「デレ」にヤられた人は多いはず。
個別√においての「デレ」はまた違った魅力のあるものとなっている。


処女はお姉さまに恋してる 3つのきら星 ~Character~ (6) 処女はお姉さまに恋してる 3つのきら星 ~Character~ (7)
迫水 すみれ&あやめ√【 S 】  1h
1年先輩の姉であるすみれは思慮深く、妹のあやめは元気な性格をした対照的な双子の姉妹で、お互い非常に仲が良い。
両親は事故死しており、その関係でキミリア寮で生活をしていることに加え、両者共に奉仕会にも所属しているため密と過ごす機会も多くなっている。

双子だからこそ魅せられる空気感、というものを非常に感じられる個別√で、姉妹による心の押し引きは彼女たちならではのものと言えるだろう。
短いシナリオではあるものの、デートシーンにおいて二人同時はもちろん、あやめとすみれそれぞれ単独でのシーンが用意されていたところも高評価となっている。
残念なのが物語の整合性があまり取れないシーンが多くみられたところだろうか。

処女はお姉さまに恋してる 3つのきら星 ~Character~
[ 主人公 ]結城 密
母子家庭であったが幼少の頃にその母も無くなり、風早幸敬とその部下の結城大輔に引き取られ、結城家の養子として育てられた。
元来自分の希望を見せることがなく、引き取った二人くれた二人の恩返しのために日々努力をしており、黙々と文武技芸の修練をこなす日々を送っていた。


【推奨攻略順 : すみれ&あやめ→茉理→花→鏡子→美玲衣→織女 】
基本的に攻略順は順不同ではあるが、選択肢によっては物語に不可解な部分が発生することもある、上記の順番だとある程度抑えられるかもしれない。それとは別に照星である二人は最後に回すほうが良い。


CG : 【 S 】
線がしっかりとした、独特の硬い印象を受ける絵ではある。
しかし、枚数はもちろん今までのシリーズと比較しても格段に質のレベルが上がっている野が印象的である。
SD絵に関しても多数存在。


音楽 : 【 S+ 】
BGM20曲、Vo3曲(OP/ED/挿入歌)という構成。
実際は60曲にせまるBGMが用意されているが、過去のおとボクシリーズからの転用が多くを占めており、新規のBGMは20曲となっている。
全体的に明るく、テンポの良い曲が多いイメージで、特にヴァイオリンの奏でる綺麗な音色を使用したBGMが良く目立つ。
Vo曲に関しても榊原ゆいさんの歌う「星影灯」など、涙腺を緩める楽曲も用意されている。


お勧め度 : 【 S+ 】
『処女はお姉さまに恋してる』シリーズの3作目となる今回の作品だが、主軸である『女装』や『お嬢様学校に潜入』という部分以外で大きく様相を変えている。
そのため今までの作品に思い入れがある人ほど、作品に対しての評価が二分するような内容になっている。
作品自体は安定した女装物なので、この作品が初という方にこそ純粋におすすめしやすいというのが正直な所。

総合評価 : 【 S+ 】
全体的に安定したシナリオではあるものの、個別√の短さや誤字脱字等のミスは作品としての価値にヒビを入れており、少し抑えたこの評価。


(ぶっちゃけコーナー)
このシリーズで3作目というのは、人によっては「もう出ないかも?」と思っていたほどらしいので、ある意味待望の作品なのかな。
たしかに、伝統的に雰囲気を踏襲しているところもあるんだけれど、変わるところはばっさりと変わってしまっている。

BGMや日常のイベントなんかはわりと前作を思い出すシーンも多く、共通√はボリュームも多く、泣けるシーンもあったりと、期待を超えてくるような高評価部分がある一方で、主人公が共通√の多くでパートボイスになっていたりする部分なんかは、仕方がない部分ではあるものの残念に思う人が多そうである。

そして個別√の短さ・薄さも前作までと同様といえばそうなのだが、今作ではそれに増して選択肢による物語の変化において整合性が取れていないシーンが多くあった。
顕著に現れていたのはすみれ&あやめ√だろうか、また特に美玲衣への女装バレシーン描写を曖昧に描いていたのは、この作品の良さを殺しているといっても過言ではなく、このあたりに関してはぜひ直してほしかったところ。
と、シナリオや雰囲気等は賛否両論に分かれても不思議ではない内容だった。
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[レビュー]処女はお姉さまに恋してる 2人のエルダーの感想
2019-02-21 Thu 00:00
<作品名>     処女はお姉さまに恋してる 2人のエルダー
<製作会社名>   キャラメルBOX


処女はお姉さまに恋してる ~2人のエルダー
公式ホームページ
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キャラクター・シナリオ : 【 S+ 】
タイトルからもわかる通り、女学院女装潜入物の金字塔となった『処女はお姉さまに恋してる』シリーズの2作目。
今作でももちろん主人公はヒロインを含めても最も可愛く、様々な点で完璧な理想の女の子となるのだ、同時にヒロインの一人である薫で語られるシーンのあるダブルヒロイン(主人公)作品となっている。

前作とは3年ほどの月日が月日が流れており、前作登場キャラクターのほぼ全員が入れ替わっており、シナリオとしては前作をプレイしていなくても楽しめる(※もちろんプレイしていた方がより楽しめる)作品となっている。

共通ルートは前作同様の大ボリュームだが、対しての個別シナリオは共通の合間に挿入される短いシーンと卒業間際に挿入される0.5-1h程度のミニシナリオから構成されている。
魅力あふれるヒロインが多いが各キャラシナリオの中身が割と簡素な事、共通ルートの完成度自体は非常に高い事がこの作品の評価を難しくしている。
特に高い評価を得ている前作と比較するとたしかにスケールダウンしている部分が多分にあり、そのために辛い評価を受けることも多いのだろう。

個人的にはその難しい状況の中で恐れずに物語を描き、作風自体を壊すことなく一定のレベルの物語を描いたことに相応の評価をしたい。

追記として、全キャラ攻略後に追加シナリオのような形で各シーンにおける舞台裏でのシナリオも描かれている。
作中では前半以外にスポットが当たりずらく、それでも重要なキャラとして描かれた聖や茉清といったサブキャラクターのシナリオもあるのでぜひ見ておきたい。


共通√【 S++ 】  8h
千早の入学から卒業までの1年間を描いており、選択肢によって各シーンの展開が2通りほど変化するほか、個別キャラクターのシナリオが挿入される形となっている。

『前作』という高い壁がある中で、『お嬢様学校』や『女装物』といった特有の舞台を活かしたシナリオ作りは健在。
しっかりと前作との差別化をしつつ、豊富な登場キャラクターらとともに綴られる物語は大変にボリュームがあり、それでも繊細な心理描写も忘れていない。
特に千早の問題を含め、個別√に含まれない各キャラクターにまつわるシナリオは非常に秀逸で泣きシーンもいくつか存在している。
ある意味この作品の真骨頂はこの共通ルートにあるといっても過言ではないだろう。


キャラクター 七々原 薫子 処女はお姉さまに恋してる ~2人のエルダー~
七々原 薫子√【 S 】  1h
学院の寮に住む2年生。
長身かつスポーツ万能で周囲からは『騎士の君』という二つ名で呼ばれ、千早と共に第75代のエルダーシスターに選ばれている。
実家の事業に対してコンプレックスを持っており、千早の性別を知った後も実家の件を交換条件に協力を申し出ている。

実は前作のヒロインである奏と姉妹であり、作中でも前作の匂いをもっとも感じさせるキャラクターの薫。
そんな彼女の個別√はもちろん実家を絡めた話となっている。
ドロドロとした話ではなく、千早の活躍なども良く描かれてた純愛よりのさっぱりとしたシナリオであり、読後感が非常に良いのは特徴といえるだろう。


キャラクター 度會 史 処女はお姉さまに恋してる ~2人のエルダー~
度會 史√【 S 】  1h
幼い頃から主人公に仕えてきた侍女で元々は自宅通いだったが、主人公のサポートのために寮生活をしている。
祖母の教えもあり、家事を初めとした奉仕のスキルは非常に高く、本人も仕事熱心なのだが主人である千早が割と万能な為、仕事があまりなく不満に思っている。
常に滅私の心で仕えており感情が分かりにくいが、千早にだけは何となくわかる。

史√は常に侍女として千早のそばで過ごす史の抱える心情がテーマとなっており、短い話ではあるものの、彼女が真情を吐露しそして祖母に会いに行くまでの展開は史の今までの心情を鑑みるとなかなかに切ないシーンであり、だからこそ泣けるシーンとなっている。
シナリオとは関係ないが、ちなみに彼女の好感度は最初からMAXであるためか、選択肢を適当に選んでも史√に行くほどで多少ネタにされることがある。


キャラクター 神近 香織理 処女はお姉さまに恋してる ~2人のエルダー~
神近 香織理√【 S 】  1h
千早や薫子らと同じ寮生で、学院の3年生
すぐに千早の性別を看破したがある事を条件に秘密を守ってくれており、それ以後はサポートを買って出てくれている。
非常に大人っぽい雰囲気があるが、親しい友人をからかう癖があり、舌戦に強い千早ですらタジタジさせられることも。
下級生に手をだすことがあり、親しい人達以外やシスターからの覚えは良くない。

香織理√では彼女自身の話はもちろんではあるが、千早の実家の話も重要なテーマの一つとなっており、それぞれの抱える悩みについて一つ答えを出す部分が描かれている。
千早の活躍というものはあまり見られないのだが、お互いがお互いの指標となっていき、軛から放たれ自由になってゆく姿には一種のカタルシスがある。


キャラクター ケイリ・グランセリウス 処女はお姉さまに恋してる ~2人のエルダー~
ケイリ・グランセリウス√【 S 】  1h
褐色肌のハーフの2年生。
イギリスと日本を往復する生活をしており、そのためなのか不思議な言動とそれに見合った雰囲気がある。
集団生活になじんでいないため、様々な問題を起こすが本人はそれすらも楽しんでいる。

彼女のルートは内容やテキストの雰囲気も併せて、この世界観ではかなり異質でイレギュラーなルートとなっている。
ケイリ自身は不思議と魅力あるキャラクターではあるものの、世界観に合ったシナリオではないため好き嫌いが分かれそう。
手放しでは褒められないが、各登場キャラクターの心理描写棟には光る部分もあり一定の評価はしたい√。


キャラクター 冷泉 淡雪 処女はお姉さまに恋してる ~2人のエルダー~
冷泉 淡雪√【 S 】  1h
学院の2年生で華道部員。
なにかと千早のことをライバル視しており、特に華道に関しては熱血に立ち向かってくる。
両親は日本人だが隔世遺伝で綺麗な金髪をしている。

この作品のヒロインでは珍しく主人公に対して反抗的(?)な態度をとり続けていたキャラクター。
ともすればツンデレのように見られがちだが、実際は熱血精神あふれたまっすぐな心根の少女。
シナリオ自体は雅楽乃√と被ることが多い、華道や実家の話関連になるのだが、境遇が重なることも多い千早と淡雪だからこそ、共に過ごすことでお互いを高めあっていけるようなシナリオとなっている。


キャラクター 哘 雅楽乃 処女はお姉さまに恋してる ~2人のエルダー~
哘 雅楽乃√【 S 】  1h
学院の2年生で華道部の部長。
お淑やかな仕草やその見た目から周囲から「御前」とよばれており、同学年の中では次期エルダー候補との呼び声もあるほど人気。
とあるきっかけから千早にだけ甘えるようになる。

いつもは大和撫子な彼女が「お姉さま」と慕い甘えてくる姿はとにかくかわいいの一言に尽きる。
個別ルートは淡雪とセットとなっており話の内容もかなりかぶり、華道を含めた実家の問題のお話となっている。
花にすべてをささげてきた雅楽乃は淡雪との対比が非常によく出たキャラクターであり、だからこそ終盤の自由な彼女の姿にも感慨深いものがある。


キャラクター 妃宮 千早 処女はお姉さまに恋してる ~2人のエルダー~
[ 主人公 ]妃宮 千早
本名は『御門千早』。
以前通っていた学校では雰囲気が合わず登校になったが、それを見かねた母親は強制的に聖應女学院に通わせることにした。
家事やスポーツ、勉学に至るまでを一定以上のレベルで収めており、その美麗な見た目も相まって、薫と共に第75代のエルダーシスターとなった。


【推奨攻略順 : 雅楽乃→淡雪→ケイリ→香織理→史→薫子 】
攻略順に特に指定はないが、雅楽乃と淡雪、ケイリと香織理、史と薫子はそれぞれペアで攻略したほうがシナリオの混乱が少なくてよい。


CG : 【 S 】
CGや立ち絵に関して、全体的に美麗ではあるものの、同時に硬くどこか人工的な生気を感じにくい印象を受ける絵が多い。
背景などはブラッシュアップされつつも昔の物を参考にした風景が多く登場しており、その中にはもちろん知らない角度からの描写もある。
SD絵ももちろん一定枚数存在している。


音楽 : 【 S 】
BGM36曲、Vo曲6曲(OP1/ED1/挿入歌4)という構成。
一見すると非常に大ボリュームだが、BGMの多くや挿入歌のうちの2曲は全作品のものを使用している。
特にBGMでは各キャラテーマなど新規曲としてある一方、前作のものも多くの重要なシーンで起用されている。
特に泣きシーンにおいては前作のものが非常に目立っており、純粋に今作の評価としずらいのが正直な感想と言える。


お勧め度 : 【 S+ 】
おとボクシリーズの2作目となる今回の作品。
前作から数年たっているということもあり、関連キャラクターこそほとんど出ないものの、舞台等は同じのために名残を各所に感じられる設定となっている。
しかしながら物語としては繋がりも無く、女装物作品としての完成度も十二分に高いため単品で楽しむこともできるだろう。
もちろん、前作プレイ済みであり気に入っていた方には思わずあの時の記憶を刺激するようなシーンもあり、さらに楽しめることは言うまでもないだろう。


総合評価 : 【 S+ 】
個別√等に若干の難はあるが、前作を引き継いでの共通ルートは雰囲気や完成度も高く十分評価できるレベルなのでこの評価。


(ぶっちゃけコーナー)
『処女はお姉さまに恋してる』続編で2作目となる作品だけど、
いつもはFDでもない限り、『続編』としてみないで単体作品として評価するんだけど、今回だけは別だったわ。
理由はいくつかあって、一つは前作が狭い界隈において伝説になりつつある作品という事、もう一つは作中における舞台や共通ルートでの展開、シーンを演出する音楽方面を中心として、前作を感じられる部分が多くある事。
この辺りを鑑みるとどうしても前作とは切って離せない。
もちろん、この作品が初めての人もいるだろうけど、私自身はもう前作をプレイしてしまっているので(というか直前なので)、そのあたりどうしても評価に加えてしまう。
というか、泣いたシーンの多くが1作目のBGMや挿入歌を使うところだったりするんだけど…うん、というか榊原ゆいさんの『いとしいきもち』が強すぎるわ。
千歳の設定を始めとして基となるシナリオは確かにいいんだけど、それ以上にあの挿入歌流れるだけで、一気に雰囲気が変わるからなぁ…。
…まぁだから贔屓目に見てしまうところもあるんだよな。
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[レビュー]処女はお姉さまに恋してるの感想
2019-02-14 Thu 00:00
<作品名>     処女はお姉さまに恋してる
<製作会社名>   キャラメルBOX


処女はお姉さまに恋してる
公式ホームページ
↑クリックすると公式HPに飛びます。

キャラクター・シナリオ : 【 S++ 】
祖父の遺言により「聖應女学院」というお嬢様学校に通うことになってしまった主人公。
幼馴染のまりやの協力を経て何とか生活しているうちに、いつの間にか学園の代表である「エルダーシスター」になってしまうことになって――というシナリオ導入。

シナリオの完成度に関しては言うまでもなく高レベル。
やはり目を見張るのはこの特殊すぎる設定と、学園自体の設定の作りこみ、そして登場する多くのキャラクターだろう。
わりと重めな設定であるにもかかわらず、それらを破綻させずも一連の話を作っており。その中で展開もしっかりしているというのは驚きである。
特に登場するキャラクターのそれぞれが抱える想いやストーリーをしっかりと描いており、その世界観にしっかりと根付く「生きたキャラクター」として動かしている。
そうしたことを感じられる作品は今の世の中でも貴重であり、それが一つの世界観のなかでしっかりと表現しきれていることには驚きしかない。

泣きシーンに関してもBGMやVo曲挿入歌などを活かしてしっかりと演出しており、現代の作人に慣れた人間がプレイしても思わず涙してしまうシーンなどもいくつかあり、やはりレベルの高さを再認識させられる。

全キャラ攻略後にあるおまけシナリオでは、本編で紹介しきれなかった人々の舞台裏が描かれている他、とあるシナリオではかなり自由にやっている印象があり、個人的にメタネタで笑うシーンなどもあっておすすめである。


共通√【 S 】  4-5h
瑞穂が学園に入学する6月頃から、卒業式までを大きく描いており、その合間に各キャラクターの個別√が少しずつ入る形になっている。
また攻略しているキャラクターによっては共通ルートの細部が変わる内容となっている。

基本的には学園イベント(特にこの学院独自の物)や女装をテーマにしている内容が多く、舞台を活かした展開の豊富さやボリュームははもちろん、特殊な環境であるにもかかわらずに不自然な点を感じさせずに物語を展開る、女性の園という幻想を守りつつも、時にはコミカルな笑いと時にはシリアスなシーンで物語に緩急をつけていることや、数多く登場するユニークなキャラクターも自然と覚えられるような描き方になっている部分、それらは十二分な評価に値する。


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御門 まりや√【 S 】  2h
瑞穂の幼馴染であり、女装をさせた張本人の一人で瑞穂と同じ学園寮に住んでいるため、瑞穂の危険な学園生活をサポートしている。
元陸上部でもあり、元気でボーイッシュな性格。基本的にサバサバしているが学院の中ではある程度お淑やかな振りをしている。
ちなみに由佳里の(学園上における)姉でもある。

個別√では『幼馴染』という特別な距離感にあるまりやと瑞穂の二人をテーマにしており、近すぎた二人の距離感を恋愛という形に昇華させるためのシナリオとなっている。
自身を置いてどんどん変わってゆく瑞穂に対して、想いをめぐらせるまりやの姿はいつもとは違った、女性らしい一面を見せてくれている。
瑞穂とまりやへの罰、そして彼女が最終的に導き出した答えは、やっぱり彼女らしいさっぱりとした結末となっている。


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上岡 由佳里√【 S+ 】  2h
瑞穂と同じ寮から学園に通っている1年生で、まりやの"妹"として世話をしているほか、彼女も陸上部に所属している。
自分自身は女の子らしい部分が無いことにコンプレックスを持っているが、料理が得意。

共通ルートの合間に入る由佳里との日々は陸上部の問題などが発生しつつもにぎやかで穏やかなシーンとして描かれている。しかしながらそんな由佳里が勇気を出して『瑞穂』に告白をしようとしたときにおこる悲しい事件から物語が一気に様相を変えてゆく。
一人の少女の心を傷つけてしまう。
必然ともいえる結末は容易に想像のつく展開ではあるものの、その中で描かれている一人一人の心理描写は秀逸であり、事件が起きた際の瑞穂を取り巻く周りの反応がすごく良い。
特にヒロインではない一子に関連したシーンや、彼女と由佳里との絆などは代表的。


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高島 いち子√【 S+ 】  1h
学院の生徒であったが、在学中に病死して幽霊となり、時を経て瑞穂の住む部屋に現れた。また、瑞穂の母親である幸穂とも縁がある。
基本的に難しいことは考えない明るい性格で、特に好きなことになると暴走しがち。一方でシーンによってはロマンチストで一途な面をみせることも。

個別√と言えるものはほとんどなく、一部共通ルートになし崩し的なHシーンがいくつかある事、そして終盤の展開が用意されていることくらいだろう。
キャラクター的には由佳里を初めとしたその他の√で特に活躍しており、どのルートでも瑞穂のよき理解者でありつつ、女の子たちのサポートにもあたる健気な所が見どころ。
特に彼女が『幽霊』となっていることについて悩むシーンの数々は秀逸と言える。


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厳島 貴子√【 S 】  2h
聖應女学院の生徒会長であり、瑞穂が転校するまではエルダーに最も近かった女生徒であり、エルダーとして選出された瑞穂とは対立しがち。
真面目で規律に厳しく融通が利かない一面が目立ち、まりやからなどは冷血漢と評されるが、中盤から後半にかけてはいわゆるツンデレキャラに属する。
なお、実家の厳島グループは瑞穂の鏑木家とは敵対関係にあたる。

共通でいわゆる「ツン」部分を見せていた貴子だが、文化祭の一見から「デレ」成分が前面に出たシーンが多い。
そのため個別√においても、瑞穂にすこし言い寄られただけで失神してしまう『乙女』な貴子が詰まった内容になっている。
イチャラブストーリーを中軸としつつも割と今作の中では真っ当な学園物の内容となっている√、
彼女たちの実家の話などが少し薄くなっていたのが残念なところ。


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周防院 奏√【 S+ 】  2h
学院の1年生であり、寮で瑞穂の”妹”ととなった大きなリボンをした少女。
基本的には引っ込み思案であがり症であわてるとドジな所などもあるが、その小さくてかわいい姿は上級生から好かれやすい。
演劇部に所属するほか、実は努力家な一面があり、勉強に関してもトップクラスの成績。

奏√では概ね貴子√の展開をを辿る事となる。そのため貴子と奏の関係が物語に絡んでくるほか、貴子自身の印象も大きく変えられるシナリオとなっており、瑞穂との出会いで成長した貴子はこの√でこそもっとも強く感じられるだろう。
また、いくつかの名シーンがあるのも奏√の特徴で、真実を知った奏が「それでも」と瑞穂との思い出をリフレインするシーンは特に秀逸。
年下である奏が抱く瑞穂への純真な想いを全体的にシナリオの設定を活かして描いている。


chara_img02a.jpg
十条 紫苑√【 S+ 】  2h
旧華族の一人娘で、前年のエルダー・シスターだったが、病による長期入院で瑞穂たちと同学年となった。
ミステリアスな印象やお嬢様然としつつも隙を見せない立ち居振る舞いから、貴子とは違う意味で人を寄せ付けない雰囲気ある。しかしながら本人は周りとの交流を望んでおり、それを実現させてくれた瑞穂には感謝しており、瑞穂が男性だという事にいち早く気付くも、周囲に漏らさず協力を申し出てくれた。

個別√は彼女の境遇についてがメイン。
全キャラの中で最もイチャイチャしているシーンが少ないキャラクターであるが、この√では彼女の今までの謎の行動(仕草)や考えがわかる√となっており、今までのような完全性が薄れ、いい意味で紫苑の人間らしい部分が描かれているのが印象的。
物語後半では彼女の心を動かすシーンも特徴的で、古典的な流れにある王道的な感動的は『聖應女学院』としての集大成のような展開と言える。


chara_img01a.jpg
[ 主人公 ]宮小路 瑞穂
本名は『鏑木 瑞穂』であり、国内有数の『鏑木グループ』の嫡子。
もともとは進学校に通っていたが、祖父の遺言により女子校である聖應女学院に女装して通うこととなった。
幼い頃から勉強・礼儀作法・武術に至るまでを高いレベルで身に着けているものの、元来の気弱な性格が出てしまっており、幼馴染であるまりやなどには押し切られてしまう事も多い。
ちなみに、立ち絵と声が存在。(ゲームのバージョンによる?)


【推奨攻略順 : まりや→由佳里→一子→貴子→奏→紫苑 】
攻略順は上記を推奨。
基本的にはどの順番でも問題なさそうなのだが、紫苑や奏は後ろのほうが良いかも。
また展開的に似た貴子と奏√はセットが良いだろう。


CG : 【 S-- 】
枚数に関しては割と多めなのだが、質に関しては時代的なものもありどうしても完成度は低いと言わざるを得ない。
しかしながらSD絵はグラフィッカーの名前がついた『ヨダ絵』と呼ばれ、多くの人に親しまれている。


音楽 : 【 S++ 】
Vo曲3曲(OP/ED/挿入歌)、BGM18曲。
強いメロディで奏でられるBGMはどうしても時代感を感じるが、だからこそ感動できるシーンでのメッセージ性は随一。その中でもBGM『確かな想い』はOPのmusicboxVerと並ぶ名BGMといえる。
Vo曲はどれもすばらしく、各シーンで使用された『いとしいきもち』なども候補にあがるが、ここやはりYURIAさんの歌うOP『You make my day!』を推したい。
インストやサビで使われるメロディは時代を経てもいまだに輝きに溢れており、まだまだ愛されるものであり、歌詞と共に合わせて聞きたい名曲である。


お勧め度 : 【 S+ 】
女装物、とみに女学園という形をとった作品の始祖ともいえる作品。
この後に人気が出た設定であり、この作品自体も3部作となった。
なによりその設定に負けないほどの中身の詰まったシナリオは魅力以外の何物でもなく、時間がたった今プレイしても、その展開は十二分に楽しめるものとなっている。
もちろん、CG部分や音楽などで忌避感を覚える人もいるだろうが、設定が好きだという人には機会があればプレイを推奨したい。


総合評価 : 【 S++ 】
過去の名作と言われる作品に違いはなく、時代がたった今でも十二分に楽しめる内容となっている。


(ぶっちゃけコーナー)
結局何度も同じことを言っているんだけど、女装学園物の最初ともいえる(調べたら本当に最初ってわけではなさそう?)作品。
まぁ、色々ありそうだけど、この作品が契機になったというのは間違いない。
それくらいしっかりと作りこまれている作品なんだよなぁ…。
正直、絵とかは結構忌避感を感じるし、BGMとかも結構古いんだよね…いやまぁ、古い作品だから仕方がないんだけど、Vo曲とかはすごい良くて思わず流れて泣くシーンなんかも多かった。
特に一子の話は結構悲しいのが多いんだよな。
彼女自身の√の話というよりはやっぱ共通ルートでの一子の話が結構泣けるんだよな…誰ともフラグを起てなかったら最終的に一子√にいってたりして、そのあたりの話を聞くとまた涙が出そうになる。

どうしても主人公中心になる、こういうゲームでは珍しいと思うんだけど、主人公である瑞穂以外の関係ってのもこの作品で追うべきものの一つ。
まりやと由佳里、由佳里と一子、貴子と奏、紫苑と貴子、そのあたりに注目して作品を見てると、結構受けるものも違うんだよね…。
もちろん、今名前を上げなかったサブキャラクターにも結構ストーリーがあるし、ボリューム以上の内容がそこにはあると思う。
そのあたりを上手く描いているあたりはやっぱりうまいんだろうね。
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