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[レビュー]your diary +Hの感想
2017-10-12 Thu 00:00
<作品名>     your diary +H
<製作会社名>   CUBE


your diary _H
公式ホームページ
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キャラクター・シナリオ : 【 S++ 】
主人公・智希を「幸せ」にするため、ゆあという神様ががんばる作品。
この作品はどのルートであっても人と人とのつながりが非常に強く、響きや香穂(無印時代はヒロインではなかったので)といったキャラクターもかなり物語に深くかかわってくる。
だからこそ、ともいえるが神様として主人公の幸せを願うゆあだけではなく、誰もがとても優しく、本気になって他の人の事を考えて行動している事が伝わる。
その上それぞれ一人ひとりの心理描写がかなりわかりやすく書かれているため、このゲームの暖かい世界観に浸りやすく、プレイ中の出来事の一つ一つに心を動かされる。
良い作品として必要になる要素が十二分に詰まった素晴らしい作品と言えるだろう。



共通√ 【 S 】  3-4h
紗雪先輩への告白失敗シーンから始まり、ゆあとの出会い、中間テストを超え、屋内プールイベントあたりまでが描かれている。
「+」シリーズ以降の新規攻略キャラ用の選択肢がいくつか追加されているものの、その影響もかなり少ない。
キャラクターの魅力を十二分に生かせるイベントが多く含まれており、各選択肢ではどのキャラの好感度が上がるかのマークがついている丁寧な仕様。
イベント内容としてはそこまで完成度が高いわけではなく、あくまで作品の本質が個別ルートにある事だけは確か。

your diary H ゆあ
ゆあ√ 【 S+ 】  3-4h
古本屋で出会った「幸せの神様」。
力が全く無く、見た目だけではなく言動も幼いことがあり失敗するとひどく落ち込むこともあるが、常にだれかの幸せを考えており、主人公の幸せの記憶で「日記」を埋めるために日々努力している。

個別ルート前半ではゆあと主人公が「幸せ」を探すうちに距離が近くなっていき、ゆあが主人公に対して嫉妬心を抱いてしまうことから仲が進展する。
ゆあを特別溺愛している紗雪を巻き込んでの騒動を経て、二人は「神様」と「人間」が恋をするという問題に立ち向かってゆくことになる。
この√ではゆあの存在理由などがかなり詳しく語られており、物語の根幹ともいえる部分ともなっている。
もちろんいろいろなところに見どころはあるのだが、他の人の幸せを一番に願うゆあの気持ちとその気持ちを汲んで行動する主人公はこの√でしか見られず、だからこそ応援しながら見たくなる物語となっている。
本当に大切なものを見ることができるゆあから見た「幸せ」というテーマについてを描いたこの作品を代表すべき暖かい√と言える。


your diary H 綾瀬紗雪
綾瀬 紗雪√ 【 S+ 】  3-4h
主人公の先輩で図書委員長。全国模試トップの学力を持つが一人でいることが多い。
才色兼備を地でいく人だが、非常に奥ゆかしい性格をしていて、何かと遠慮してしまう。
冒頭シーンでは主人公が『同情』で告白をしそうになったが、その前に紗雪さんが泣き出してしまい有耶無耶になっている。
どのルートでもゆあに釣られて行動する様子が見られる。

付き合うまでに大きな問題のあるヒロインで個別ルートではそこが焦点となっており、その話の関連でゆあの過去や設定が少し明かされたりとゆあの株があがる√でもあるが、その一連の展開では智希の以外のキャラクターが問題解決に協力してくれており、泣きシーンもある素晴らしい√と言える。
付き合った後の後半では、主人公に依存気味の紗雪先輩がみられて少々心配にもなるが、幸せな未来へと進んでいく様子が描かれ、個別ルートとしてもゆあとの話としてもクライマックスを迎えやはり泣ける物となっている。。

このキャラ√はおそらく作中で最も注力されており、この作品のテーマでもある「本当の幸せ」についてを考えさせる√である。
主人公や紗雪からの視点だけではなく、その周りの友人からの視点でこの物語のシーン一つ一つを見たときに受ける印象はまた大きく違い、特にゆあ視点から考えるこの二人というのは言葉や文字に表しきれないものがある。


your diary H 深菜川夕陽
深菜川 夕陽√ 【 S+ 】  3-4h
主人公のクラスメイトであり幼馴染。
母親を亡くしており、主人公の下宿先でもある「夕顔亭」では店の手伝いから家事全般までを幅広くこなし、学校での成績も良い。不平不満をまったく言わず、世話をするのが趣味と言っていいほど尽くしており、主人公へ好意を寄せているが素直に表すことができず、その様子を香穂や響に冷やかされることも多い。

個別ルート序盤ではとある出来事で智希が一歩を踏み出すことで付き合うという真っ当な美少女ゲームの幼馴染√といった体で作られており、物語のクライマックスと言える後半は「夕陽」という理想や完璧に近い存在がただ一人の「女の子」であるというテーマのもと作られている。
完成度こそ高いが冒険した√というわけではなく、あくまで手堅い内容になっている。
もちろん過去回想を含めて泣けるシーンはあり、ハッピーエンドで終わる個別ルートとしての読後感も非常に良い。

この√における「夕陽」とその他の√における「夕陽」という存在はその在り方が決定的に違っているように思う。
失恋シーンであったり、背中を押すシーンだったり、温かく見守るシーンだったりと、攻略キャラでスタンスが変わってはいるものの、どのルートにおいても夕陽の願いは変わらず一つで、だからこそそれが叶わないとわかった後の夕陽の行動と言葉には説得力と感動があるように思う。夕陽にとっては不本意ではあるだろうが、不幸だからこそ輝くキャラクターなのかもしれない。


your diary H 広崎かなで
広崎 かなで√ 【 S++ 】  3-4h
性格が非常におとなしい1年生ヒロイン。奈月の親友でもあり、二人で行動することも多い。主人公の親友である響の妹だが、とある理由によって冷たく接する響の代わりに兄として接していた。主人公たち2年生グループとはどうしても距離ができがちな1年生。主人公からは完全に妹扱いを受けている。

血縁関係どころか義妹ですらないのだけど、わけあって典型的な妹キャラ。基本的におとなしくて、おどおどしているのだけど、主人公の事が好きってことが淡く伝わるという素直にかわいいと言えるキャラクター。
個別ルートでは幼くも真っすぐな愛の言葉を呟く様子に何度もやられることになる。

話としてもかなり完成度の高い個別ルートで、前半では「親友の妹」という立場から「恋人」へ変化するという部分に対して、真っ向から描き切っている。
また後半では主人公とかなでの関係に対して奈月をからめた展開になっており、その際に様々なキャラクターから得られる言葉は思わず涙を流してしまうほど。


your diary H 榎本香穂
榎本 香穂√ 【 S+ 】  2-3h
主人公と同じクラスの女の子で夕陽の親友。「+」シリーズ以降でヒロインに昇格した。
基本的に元気系キャラで夕陽の気持ちを知っているため、響と協力してくっつけようと画策していることがおおく、その性格が災いして各ルートでは騒動の火種になることも。
ことあるごとに夕陽の胸をもむ悪癖と、智希に話しかけるときに顔を異常に近づけてしまう癖がある。

個別ルート前半は、とある事故でお互いに意識し始めるが夕陽の存在を気にして一歩を踏み出せずにいる香穂が描かれている。
夕陽の失恋シーンもあり、涙なしでは見られないこの√の最大の見せ場ともいえる。
個別ルート後半では香穂が過去に部活で行っていたソフトボールをテーマとした少し熱い話になっている。
エピローグもあっさりとしており、非常に読後感の良い話。


your diary H 藤村奈月
藤村 奈月√ 【 S+ 】  2-3h
かなでと同じクラスの感情をあまり表に出さない1年生。かなでとは親友でサブヒロインだったが、「+」以降からはヒロインに追加された。
友人想いでかなでの気持ちを知る奈月は主人公とくっつけるために色々と協力をしている。

個別ルート序盤では転校してしまう奈月をどうにかして阻止するという内容になっており、かなでを始めとして友人同士の暖かいやり取りが描かれており、中盤ではかなでの気持ちを知りつつも主人公のことを好きになってしまった奈月が描かれている。
このときのかなでと奈月のやり取りは涙なしでは見られない。
後半は奈月が「普通の恋愛」というものを目指して試行錯誤する様子が描かれている。
内容的にかなで√や紗雪√の一部の内容が含まれているため、攻略後を推奨したい。


your diary H 一ノ瀬ほとり
一之瀬 ほとり√ 【 S+ 】  2-3h
主人公の隣のクラスの女の子。「+」シリーズ以降でヒロインに追加。妹がいるためか面倒見がよくよく頼みごとをされており、容姿も相まって学園内での人望が非常に厚い。
「シューちゃん」という水色のセキエイインコを飼っている。

物語は殆ど接点のなかったほとりと主人公の仲が「シューちゃん」を通じて深まっていく様子が描かるところから始まっており、その後の展開においてもすれ違いながらもお互いへの想いを深めていく様子がしっかりと描かれた、一般的萌えゲー√。
特徴のない√かと思いきや、クライマックスではゆあと紗雪をからめたシーンなどもあり、その他の√と同じく十二分に感動できる√。
そんな内容のため紗雪√の攻略後に攻略することをお勧めしたい。



[ 主人公 ] 智希
両親の仕事の都合で夕陽の家に下宿しており、その恩返しということで喫茶店でバイトをしていることも多い。
両親との時間がなかったことや、幼い頃に転校した記憶から人とのつながりを大事に考える節があり、そのため良識派ではあるが自分の信念には背かず、親友のために殆どの友達と絶交したり、√によっては停学レベルの騒ぎを起こすことも。
基本的に恋を知らず好意には鈍感だが、意図して無視をしている部分もある。



【推奨攻略順 : 夕陽→香穂→ゆあ→紗雪→ほとり→かなで→奈月 】
基本的にロック等はないので好きな順番からの攻略が可能。
しかしながら、物語の伏線を把握するためにもメインの中の3人(ゆあ、夕陽、紗雪)の3人を早めにプレイすることをお勧めしたい。

CG : 【 S 】
線が細く淡い塗りで全体的に幼さを感じる絵。
完成度は高く枚数に関してもシリーズを通してなのでかなりの枚数になる。
無印との差という意味ではキャラ追加分+数枚程度。
SD絵にも追加がある。

音楽 : 【 S++ 】
BGM22曲、Vo曲4曲(OP2/ED2)
「+」シリーズになってVo曲が2曲追加されており、安定のDucaソングはこのゲームの雰囲気にももちろん合致。
しかしながらやはり前作からあるBGMが素晴らしい。
「ソルフェージュ」のような何気ない日常シーン用BGMのレベルの高さもさることながら、過去回想に使われる「あの頃」の純朴さや、悲しいシーン用の「伝えたいよ」やしっとりとした気持ちにさせる「雨を待っている」、〆シーン用の「若葉のころに」「ありがとう」などなどのBGMは何度も涙を搾り取ってくれた。
自己主張が激しいわけではないが、テキストと合わさってこそ実力を発揮する類のもので、この優しい世界観にマッチした素晴らしいBGMといえる。

お勧め度 : 【 S++ 】
今だからこそ再度お勧めしたい純粋な泣きゲー。
優しい世界観を持ったこの世界をプレイすればもう少しだけ優しくなれる、そんな暖かい作品。
初心者の導入としてはもちろんだが、最近のゲームばかりやってる玄人にこそお勧めしたい。
無印をプレイしたことがある人にとっては少し複雑ではあるが、前回プレイしたのがだいぶ前で内容を忘れているなら、一考の予知があるだろう。

総合評価 : 【 S++ 】
無印をプレイしている方には少しだけ物足りなさを感じるが、取りあえず単体としての評価は非常に高い。


(ぶっちゃけコーナー)
昔とだいぶ印象が違うなぁ…というのも、ある程度設定を覚えているから、2週目のプレイでは少しだけ感想が変わるってのがあるのかもしれない。
昔はプレイ順を順不同にしていたが、そういう意味ではかなり受ける印象が変わってしまうゲームなので、今回は私の順番を提案させてもらっている。
それにしてもキャラクターがすごくかわいいなぁ…攻略されている最中はもちろんだけど、特に他のキャラの攻略時にみえる言動に心を動かされることが多い。
それは可愛さという点もだが、何よりも「ああいう風に思っている」という前提があって、今の行動につながっていることを考えると思わず泣いてしまうシーンもある。
主人公やヒロインだけではなくて、その場その場において視点を変えて物語を眺めてみると感じる感動がまた変わってくる。
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[レビュー]しゅがてん!-sugarfull tempering-の感想
2017-05-21 Sun 00:00
<作品名>    しゅがてん!-sugarfull tempering-
<製作会社名>  Recette

しゅがてん!

シナリオ構成
S
攻略キャラは3キャラ。
共通ルートは3-4h程度、各個別ルートも3h程度でミドルプライス作品ということを鑑みても、ボリュームとしては少し乏しい。

【推奨攻略順 : める→氷織→シュコラ→エピローグ 】
エピローグのみ全キャラ攻略後に出現。
シナリオによるネタバレ等はないため、基本的には好きなキャラから攻略すると良い。

CG
S
しらたま先生原画の作品。
この作品で最も魅力的であり、セールスポイントともいえる。
柔らかく、淡く描かれた絵はさすがと言えるほど完成度が高い。
SD絵も数は少ないがいくつか存在している。

音楽
S
BGM14曲、Vo曲2曲(OP/ED)という構成。
全体的に落ち着いているBGMはアコーディオンのような、明るくも落ち着けるものを採用しており高評価。
Vo曲に関しては「Candy a mine」の思い掛けない質の高さに驚きを覚えたことを特筆しておきたい。

お勧め度
S
18禁版ごちうさ。
甘い萌えゲーの世界観が好きな方にはお勧めしやすい作品。
シナリオというほどの内容は無く、あくまでかわいい女の子のかわいい姿を見るための作品。

総合評価
S

公式ページ
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ダイヤモンドダストの舞う美しい夜、『妖精の夜』の伝説が残る街。
そこにある小さな洋菓子店「フォルクロール」は長期のパティシエ不在により経営難に見舞われていたのですが、屋根から降ってきた記憶喪失の主人公―クロウ―との出会いによって物語は動き出す――

今作の主人公は記憶喪失という設定もだが、もとよりかなり控えめな性格をしているため、基本的に周りに流されるように行動することが多く、恋愛的描写においては良くも悪くも受け身になるので、一般的な恋愛ゲームとかなり一線を画している部分と言える。
また、行動のメインとなるのが洋菓子店『フォルクロール』を中心としたお菓子作りであることも特徴の一つと言えるだろう。

作品のテーマやミドルプライス作品ということもあってか、各ルートはシリアスな展開もあるにはあるが、基本的には非常に軽くプレイできる内容となっている。
全√クリア後に見られるエピローグにて判明する主人公の正体やその他明かされなかった各キャラの役割等についても重要な要素とはいえるものの、あくまで今作にとってシナリオ部分は飾りと言える。


そんな中、この作品魅力のメインと言えるのは雰囲気ゲーと言われるほどに酷似したごちうさ――ご注文はうさぎですか?――感だろう。
作品をご存知の方は驚くほど、かの世界観との共通点を見出せる程であり、悪い意味でパクリではあるものの、良い意味ではオマージュ作品と考えることもできる。
かの作品しかり、萌えやかわいいキャラクターのやり取りに注力するその姿勢は立派な萌えゲーであり、この作品の心臓部と言ってもよいほどしっかりと描写している部分である。

コンフィグに関して特に問題は感じない。

【総括】
しっかりとしたテーマ・世界観で描かれた作品ではあり、楽しめる分はあるものの、シナリオ重視の当評価ではこの評価が妥当。

(ぶっちゃけコーナー)
絵を担当した「しらたま」さんは今回初めて意識したんだけど、言われてみれば「恋×シンアイ彼女」の絵でも出会ってた。
凄く繊細できれいな絵は、作品の強みとも相性がよさそうだった。
とにもかくにも「ごちうさ感」がすごいわ…。
出てくるキャラクターがかなりかぶってるしなぁw
ここまで突き抜けると、色々な意味で認めざるを得んのかもな…。
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[レビュー]枯れない世界と終わる花の感想
2017-01-28 Sat 00:00
<作品名>    枯れない世界と終わる花
<製作会社名>  SWEET&TEA

枯れない世界と終わる花

シナリオ構成
S
攻略キャラは4キャラ。
大筋のシナリオが一本あり、クリア後にエピローグとして各ルートに分岐する形。
エピローグの分量は30分程度とかなり短いため、全体的なボリュームも少ない。

【推奨攻略順 : コトセ→ユキ→ハル→レン 】
差は基本的にエピローグのみなので好きなキャラからの攻略で問題ない。

CG
S
全体的に美麗といっても差し支えない質の絵。
時折見入ってしまうような美しい絵も数点存在し、綺麗な世界観を十二分に表現したこの作品の見どころの一つともいえる。SD絵も8枚ほど存在。

音楽
S
BGM23曲、Vo曲2曲。
BGMでは静かなピアノの曲が印象的で目立ってはいるが、中にはほんわかとした明るい曲も同じくらい存在しており、多様性はある。
Vo曲はやはり印象的なイントロで始まるOPに注目だろうか。

お勧め度
S
綺麗な世界観で描かれる作品。
話の作り自体も良く泣きゲー寄りの作品ではあるのだが、いかんせん話が短くかつ単調でルート間での差もないため、各人へのお勧めを特にする事はない。

総合評価
S

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いつもならば作中のあらすじや舞台を書くのだが、
その点で言えばこの作品はかなり特殊。
作中で語られる世界観は綺麗ではあるものの、説明はかなり曖昧。
ぶっちゃけ

どうやら他人を犠牲にする事で生きながらえる『天使』というものが周知されている世界であり、作品の主な舞台は小さな町であることがうかがえる。
主人公が行動の拠点とするのは、ヒロインの3姉妹が経営する喫茶店。
3姉妹はそれぞれ天使の役割を持っており、限界を迎えた住人を花に変え、世界に還元させることで世界を持続させているようだが、その役割自体のおかげで姉妹も生きながらえている・・・? しかしながら、その力を使えば使うほど天使の力に犯されて、いわゆる『死』にも近づいている。

作中ではこの力を「他人を犠牲にする」と表記しているが、上の要素を一つ一つ見て行くと、どうにもこのあたりの矛盾が激しい。
こういうところを見ると作者の「こうしたい!」という強烈な設定の強要が見て取れてしまい上手くない。

作品では、コトセ→ユキ→ハル(→レン)の順でヒロインを助けるのだが、各キャラを助ける際に選択肢が出現し、その選択によって個別ルートに入る事が決まる。
個別ルートに入る事が決まった場合、そのキャラクターの救済後に短い個別シーンが描かれ、その後は一般ルートと合流しすべてのエンディングが終わった後のエピローグとして、1h足らずのシナリオを見る事ができる。

物語の構造上、共通となるルートの話をしっかりと書ききらねば良い作品になりえないのだが、この作品はその共通部分に関しても少し手抜きを行っている。

各キャラの救済はたしかにお涙頂戴の設定を作ってはいるのだが、いかんせん登場キャラクターへの書き込みが足りない。
各ヒロインキャラに対してはもちろんなのだが、ルートに関連した重要なサブキャラクターも多く登場しており、それらのキャラクターを生かしきれていないのも、作品としての質を大きく下げる原因となっているだろう。
せめて個別ルートがない分、ここにシナリオの重点を置かなかったのは痛手。
分量的に無理という話であれば、各ヒロインのエピローグを削ってでも書くべきだった。
ポッと出のキャラが死んで、ヒロインが泣いて、主人公が助けて…というのを繰り返したところで、感動するわけがない。

また、シナリオとして主人公が助ける際に「どうにかこうにか」というのを使いすぎ。
たしかに、そういった作品が有るには有るが、それは「そうなるだろうな」という前提(努力)を書いているからこそ使える技である。
デウス・エクス・マキナはやはり批判されるべき演出だろう。

世界観や設定なんかは割と悪くないだけに、各キャラのスポットが当たるシーンをしっかりと書ききり、キャラクターエピソードを交えて、そのキャラの魅力はもちろん、プレイヤーの愛着をしっかりと定着させるべきだった。
BAD気味の各個別ルートを作る事で世界観の説明(天使の力を行使しなかったら・・・などのIF)を行う事もできただろうし、発展性はまだまだ有る作品だったはず。

それだけに、書き手によってつぶされて作品として少し悲しくも有る。

コンフィグに関しては問題ない。

【総括】
ミドルプライス作品として、という不名誉なセーフティーを使ってこの評価。
シナリオ以外は十二分に良作。

(ぶっちゃけコーナー)
今回は上でほとんどぶっちゃけてるからあんまりなかったり。
泣きゲーに見せかけてぜんぜんなけないしすぐ終わるし…。
ミドルプライスだから…という言い訳をしていいなら、この作品のシナリオを使うべきではないと言う話になるので、やっぱり書き手の問題なんだろうな。
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[レビュー]1分の2恋ゴコロの感想
2016-11-26 Sat 00:00
<作品名>    1分の2恋ゴコロ
<製作会社名>  天ノ葉

1分の2恋ゴコロ

シナリオ構成
S
攻略キャラは4キャラ。共通ルートは一般的なボリュームと言えるが個別ルートが短く1-2hほどでクリアできてしまう。
そのため、全体的なボリューム不足。

【推奨攻略順 : 小雪→みのり→陽凪→月凪 】
ロック等はないため、好きな攻略順で問題ない。

CG
S
全体的に線が堅いロリ風味の絵。
大きくバランスが崩れる等の品質的なミスはないが、立ち絵とイベントCGで受けるイメージはだいぶ違う。

音楽
S
BGM13曲、主題歌1曲という構成。
物語の長さが短かったため、曲数の少なさという意味ではあまり悪いイメージを持ってはいないが、改めて数えるとどうしても少ない。
全体的に強い旋律をもったものが多く、いい意味では印象に残りやすく、悪い意味では安っぽく映る。

お勧め度
S--
全体的な印象は昔の作品といったイメージの作品で、初心者にはお勧めしやすいと思っていたのだが、いかんせん全体的に品質が悪い。
詳しくは下記。

総合評価
S--

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両親を亡くした兄と双子の姉妹のお話。
主人公である兄は途中で学校を中退し、バイトをすることで姉妹二人を養っており、メインの活動場所は家かバイト先の喫茶店ということになる。

延期に延期を重ね、1年以上が過ぎた作品ではあるものの、全体的な完成度は低い。

物語自体にスポットを当てると、設定や状況はおいとくとして着眼点やテーマ自体は悪くない。展開自体も王道とは言えないものの他の作品でも使いこまれたオーソドックスなものである。
しかしながら圧倒的に描写力が足りない。
各キャラクターに視点を移しているが、そのタイミングが非常にわかりにくい上、無駄な心理描写などが多く、描くべきところが描けていない。
短く簡潔な物語自体を否定することはないが、今回の作品に関しては決定的に抜け落ちている印象を受けることが多かった。

演出や音楽について。
こちらは特に、公式HPで延期の理由を「シナリオや原画は完成しており、演出等のクオリティアップを目指して~」という文言があったにもかかわらず、まったく進歩している部分を感じることができず、一昔前の凡百な作品をやっている印象。

処女作といえども、フルプライス作品として販売するのであるならば、もう少し全体的なクオリティアップや経験を積んだ計画的な作品の作成を目指すべきだろう。

システムに関して、根本的な部分に問題はない。
しかしながらデフォルトの表示文字について一部の難しい感じに対応してないため、白紙表示になってしまっていたり、一部の文章が表示されなかったり(入りきらなかったり)ほかにも様々な不具合があり、ストレスを感じた部分もある。

【総括】
見るべき要素が少なく、評価としては非常に妥当。

(ぶっちゃけコーナー)
屋台骨としてのシナリオ(というよりテーマ)や原画は悪くなかったが、書き手の技量も足らず、演出等に光も見えなかった作品。
いかそうと思えばいくらでも活かせる部分はあるので、改善点をしっかりと把握して次回作につなげてほしいところ。
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[レビュー]ピュア×コネクトの感想
2015-07-28 Tue 00:00
<作品名>    ピュア×コネクト
<製作会社名>  SMEE

ピュア×コネクト

シナリオ構成
S+
攻略キャラは5キャラ。共通√が比較的に長く、個別も十分な量があるため全体的なボリュームは平均より若干多く感じるかもしれない。

【推奨攻略順 : 萌美→志帆→彩里沙→空→あゆみ】
攻略順は無いので好きな順番で良い。

CG
S
線は細いが、しっかりとした印象を受ける絵。数量は一般的で質も良い。
同ヒロインの立ち絵の種類も豊富だったのも驚いた所。
一番印象的だったのはやはり告白シーン用のイベントCG。
立ち絵に近い全キャラクター共通の背景&構図であったが、潤む瞳など細かい所に趣向が凝らされいる事には驚いた。まさに流れるBGMの曲名のごとく、雰囲気を変えるワンシーンにふさわしいものだったと言える。

音楽
S++
BGM26曲、Vo曲2曲(OP/E)という構成。
Vo曲の恋を歌った歌詞はどちらも瑞々しく、リズムもよい良曲で一聴の価値あり。
特に評価しているのはBGM、件の告白シーンで使われる「ここから始めよう」やエピローグ部分で使われる「幸せを紡ぎながら……」などは、作品としての価値を大きく上げた良曲として特筆しておきたい。

お勧め度
S++
純粋な恋愛作品として広くお勧めしやすい作品。
シナリオ自体に深さこそないものの、共通√はメタネタ抜きのギャグテイストで面白く読みやすい。さらに共通から個別ルートに至るまで、きちんとキャラとのやり取りや魅力が描かれており、終始楽しくプレイすることができる。

総合評価
S+

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今回の作品は冬のシーズンがメインの恋愛物。
主人公はまだ学生ではあるものの、活動場所のメインはバイト先である「ピヴォワーヌ」というパン屋&レストランのお店。

ヒロインを含めこのお店の関係者はやらたとキャラの濃い人が多く、主人公のノリのいい性格と非常に相性が良く感じた。
共通から個別ルートに至るまで(特にヒロイン以外のシーンが絡むものについても)、あの手この手で笑わせてくれる。
シモネタこそ多いが、メタネタが無い等好感のもてる所もあった。

ヒロイン達ももちろん笑いに使われているのだが、それでいてしっかりと魅力をアピールできている所も良いところだろう。
今回の作品で攻略対象となるヒロインは幼馴染や後輩、バイト先の同僚にはじまり、支配人や従姉妹まで、現在のゲームとしては立ち位置としてほんの少し特殊な方に属する人も。
そんな中で各キャラクターの抱える問題というのが本当に些細なことはポイントだろう、例えば当たり前すぎて異性としてみれなかったり、恋愛という物が分からなかったり、忙しすぎて恋愛が出来なかったり…etc。
そういった状況からみせてくれるのは本当にに当たり前と言える幸せ。
個別ルートに入ってから、大きな変動や展開という物は殆どないといっていい。
ただ順当に愛を深めていく二人を見る作品であり、それがまた何ともいえず癒される。
こんな日常があればいいな、と思わず思ってしまうことだろう。

この作品で最も評価する所としてあげたいのはやはり告白シーン。
それまで選んできた選択肢などによって、主人公は告白するかされるかを選ぶことができる。それ以降の流れは基本的に同じなので、差があるのはここだけなのだが、それを考えてもニクイ演出だった。
詳しくはプレイをして体感してほしいのだが、思わずタイトルの意味に納得してしまうほど純なシーンであり、BGMや潤んだ瞳の演出等等…その力の入れ具合に感服し、√によっては思わず涙ぐんでしまうほど。
自信を持って恋愛物として勧められるのはこのシーンがあるからこそである。

作中では選択肢として誰にメールを送るか、どのようなメールを送るかを選ぶことができる。その内容如何によってどのルートへ行くことになるか決まるというもので、システム的にまったく新しいものではないのだが、この作品の雰囲気にはとってもあっていたと思う。なにげない日常のやり取りから深まっていく興味や好意という物を自然と理解させてくれた良システムだろう。
付け加えて、特定のタイミングで好きな相手にメールを送ることができる。こちらは主に笑い等がメインであり、シナリオの流れには関係なかったが少々会話が変動したりと細かいところも見せており、上記と合わせて評価したい部分は多い。
しかしだからこそ、そのポイントを見逃してしまう事が多かった。
質の高いシナリオだからこそ、そちらに集中してしまい他の部分に気が回らなくなり、いつの間にか通過してしまっているという事が多々あった…。
せっかくの良コンテンツであるため過去の履歴等を見れるようにする等、もう少し工夫をすることで見やすい内容にしてほしい所。

コンフィグについては十分に使い易く不便に感じることは殆どなかった。

【総括】
萌え・ギャグゲーとしてだけではなく、恋愛物としても素晴らしい評価を与えたい作品であり、とくにその演出に関しては目を見張るものがあり、このジャンルの作品としてはかなり高い評価を与えた。

(ぶっちゃけコーナー)
ただの萌えゲーだと思ってやっていたら、思った以上に面白くて、どんどん世界に引き込まれていく。
そして気が付いたら告白シーンでウルっときて…個別√では可愛いなぁ…って思ってて、最後の方でまたちょっとウルっときて。
何というか特殊なことは殆どなくて、当たり前のことなんだけどそれが大事なんだなと思わせてくれるシナリオ運びだった。
たぶん、共通√を含め世界に引っ張る力が上手いんだと思う。
だから何でもないことでも一喜一憂してしまうんだろうなぁ…プレイし終わった後も少しの寂しさと共にいい作品だったと素直に言える。
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