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[レビュー]夜巡る、ボクらの迷子教室の感想
2018-03-08 Thu 00:00
<作品名>     夜巡る、ボクらの迷子教室
<製作会社名>   SAMOYED SMILE


夜巡る、ボクらの迷子教室
公式ホームページ
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キャラクター・シナリオ : 【 S++ 】
死に掛けの父親から遺産の4億円のために夜間学校の教師になる…という非常に特殊な設定から始まる今回の作品。
主人公が教師である作品は多々あるが、舞台が夜間学校である作品は非常に乏しい。
その中でヒロインとして集まる生徒たちは、環境だけではなく心にもにも問題を持っていそうな人々で、主人公自身にも家族や過去の出来事に問題を抱えている。
心や過去や境遇…どこかに問題をもっていて、主人公と似ている部分がある登場人物たちが一度はじき出された世間へともう一度立ち向かうため、未来に向かって邁進しようとするシーンを描いた作品。

描写としては甘い部分や急展開な部分があったり、内容としても傷のなめ合いのようなシーンも多く、好みが分かれそうなシナリオではあるが、問題と真剣に立ち向かい、色々な形で答えを出す姿には何度か泣かされることもあるはず。
同じ未来へ向かい再度立ち上がる内容ではあるものの、特に各ルートでかなり作品のテイストが変わるのも非常に印象的で好印象。
扱っているテーマが過去の陰惨な出来事や家庭環境、家族の問題だったりと重めの作品でどうしても全体的に鬱っぽい雰囲気が漂う作品ではあるものの、それだけに後半の盛り上がりシーンでのカタルシスは筆舌に尽くしがたいものがある。


共通√【 S 】  3-4h
主人公の夜間学校の教師就任から始まり、問題を抱えた人たちがそれぞれが『生徒』となるまでを描いている。
3人とも複雑そうな問題を抱えていることを匂わせるシーンが多くあり、毎日の授業だけではなくそれ以外の時間をあてて、生徒であるヒロイン達だけではなく、教師である主人公を含めて全員が心をを通わせてゆく様子がじっくりと描かれている。


夜巡る、ボクらの迷子教室 (0)
小清水 はやて√【 S+ 】  3-4h
夜間学校に通う生徒の一人。
警戒心が強くだれにでもツンツンしており、前任の教師からは問題児とされていた。
素直になれない事は多いが、感情が顔に出やすかったりと何かとスキも多い。
夜に徘徊しているところを主人公に見つかり、家に居候することになる。
アイスが好物でよくコンビニで買い求めている。

彼女の√は家族問題をテーマにしている。
心ではなく取り巻く環境としての家族をテーマとしており、それは小清水家だけではなく主人公と父親の確執にも迫る√となっている。
また、他の二人ほど心に傷を持っているわけではなく、家族の問題を除けば一般的な女の子なので、デレてからは愛情を素直に表現するシーンも多く非常に魅力的で非常に穏やかで心温まる√となっている。


夜巡る、ボクらの迷子教室 (1)
新島 きな√【 S++ 】  3-4h
夜間学校に通う生徒の一人。
明るく、誰にでも人懐っこい性格の女の子。
しかし夜間学校ではぶっちぎりで頭が悪く、難しい問題に突き当たるといつも頭をショートさせており、時折、学園がかなり下のりこに勉強を教えてもらっているシーンも。
しかしながら、料理を代表として家事全般が得意で女子力は高い。

きなの過去に受けた傷をテーマとした物語。
不幸への反逆と復習の物語であり、涙なくしては語れないシーンが多々存在している。
ネタバレを避けたいので詳しくは語ることないが、一つ一つが鋭いナイフのように心に刺さるシーンの々は主人公のみならず、誰もが抱える過去の傷に対してのアプローチ。
いつも元気なきなが抱える問題は主人公たちの問題でもあり、どうしようもなく間違ってしまった人たちがもう一度立ち上がり、そうして前を向いてゆくその大切さと苛烈さと辛さを描いた名シナリオといえる。


夜巡る、ボクらの迷子教室 (2)
門倉 りこ(+綾子√)√【 S+ 】  3-4h
夜間学校に通う門倉綾子の一人娘で特別に授業に参加している。
幼い頃は祖父母の家に預けられて育ったためか、母親とは違いしっかりしている。
元気で明るく無邪気な女の子で、それでいてわがままを一切言わず、日々家事や身の回りの手伝いを進んでするよくできた子。

門倉家の事情に深く関わってゆくことで個別√に入ることになる。
りこ√とはなっているものの、母親である綾子も深く関わっており、母子の関係、りこ自身が抱える心の問題、そして後半では主人公の心にも鋭く切り込んだシナリオ。
すべてがうまくいかない3人が織りなす「やり直し」の物語は苦しく、心苦しくなるシーンがたくさんあり、だからこそその中で描かれる希望の光は儚く尊い。
泣けるシーンも割とあるレベルの高い√となっている
基本はりこ√であるが、終盤の選択肢によって短いシナリオの親子丼√に分岐する。


[ 主人公 ] 藤原晴生
以前は私立学園で教鞭をとっており、その学園の劣悪な環境によって理想をうち破られ投げやりな生活を送っていたが、今回は父親の経営する夜間学校の後処理役として呼び出され、金銭目的で再び教師として働くこととした。
ひねくれた性格をしているが、見て見ぬ振りができないことがあり、世話焼き。


【推奨攻略順 : りこ→きな→はやて 】
特に攻略順に指定はないので好きなキャラクターから攻略するとよいだろう。

CG : 【 S 】
しっかりとした線と淡い塗りで描かれた絵で、攻略ヒロインが3キャラであるためか一人ひとりに対しての枚数は多い。
立ち絵とCGで多少イメージの違うものとなっており、特に一部シーンでは物語の内容とそぐわないほどキラキラとしたエフェクトが印象的だったりもするが、総じて高品質。
立ち絵には目パチ口パクがあり、Hシーンではすべて動きのあるものが採用されているのも印象的。

音楽 : 【 S++ 】
BGM18曲、Vo曲4曲(OP1/ED3)という構成。
数こそ少ないものの、作中の要所要所で使われていた「出口の無い街」や「黄昏」「思い出」といった、寂しくも心に訴えかけてくるようなBGMたちが非常に作風にマッチしており、高評価。
そして何より、各ヒロイン用に個別EDまで用意しているVo曲は、すべてが良曲で作品として十二分に価値を引き上げてくれていた分野と言って問題ないだろう。


お勧め度 : 【 S++ 】
テーマとして非常にダークなものを取り上げた、ダウナー系の作品になるので、頭を空っぽにして楽しみたい方や萌えゲーをしたい方にはお勧めしにくい。
その代りにシナリオを楽しみたい方や重いテーマを取り扱ったものが好きな方、主人公が教師が好きな方などには、珠玉の作品としておすすめしたい作品。


総合評価 : 【 S++ 】
全体的に簡素な作りではあるものの、そこにすっきりとしたテキストとエネルギーのあるBGMや曲が非常にマッチしており、作品のレベルは高い。


(ぶっちゃけコーナー)
Vo曲の一部がBUMP OF CHICKENに似ている…という事でも話題になった作品。
そう噂になるほど曲の完成度は高く、他のVo曲であればOP「メモリー」のサビ部分は誰しもが口ずさんでしまいそうになるほど。

作品のコンフィグ等の機能見ても全体的にシンプルな印象が強い作品ではある。
だからこそ、静かだけども存在感のあるBGMと不器用なほどにまっすぐな描写が程よく良い効果を与えあっていたように思う。

もちろんシナリオ単体でみても高い評価。
登場人物はみな一様に不幸で、何も悪いことをしていないのにこんな境遇にさらされている…そんなどうしようもない状況の中で、もう一度前を向こうとするヒロインや主人公たちの姿は愛おしいほど美しく、良いシーンが多々存在している。。
また、キャラクターに魂がこもってるからなのか、一つ一つのセリフにもすごくエネルギーがあって心揺さぶられたりすることも多い。
もちろんまったく文句がないかというと、展開が少し強引だったり、良いシーンだったのに余韻無く次のシーンに移ってしまったりとまだまだ改善点はあるのだが、それらを無視できるほど根本にあるものは素晴らしく、深く誰しもが心に残す作品だと思う。
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[レビュー]癒しの女神の実験台(モルモット)の感想
2018-02-08 Thu 00:00
<作品名>     癒しの女神の実験台(モルモット)
<製作会社名>   しろくまだんご


癒しの女神の実験台(モルモット)
公式ホームページ
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キャラクター・シナリオ : 【 S 】
ブラック企業で働いていた主人公がひょんなことからマッサージの専門学校のマッサージモデルという名のモルモットになる――という新鮮な設定のシナリオ。
全体的に共通ルートが占めている割合が多く、その合間に選択肢によって変化するヒロインシナリオが挿入される形をとっており、どのヒロイン√もほとんど同じ流れとなっているため、実質的にシナリオに差はない。
個別シナリオの話と共通ルートの話で少しつじつまが合わない部分が多かったり、不自然な流れになっているシーンもあり、シナリオ自体の質に関しては悪いというほかない。

しかしながら、作品として主体に置いているのが「癒し」であり、雰囲気を重視したシーンが多いのもまた事実で、バイノーラル環境を活かした各種シーン(主にマッサージ関連のシーン)は油断していると本当に寝てしまう。
しかしながら、そういったシーンも前半に集中している傾向が強く、全体的に物足りない内容になってしまっているのも事実。
耳に生き吹きかけ。
マッサージ以外の効果音。
寝てしまう


共通√ 【 S 】  4-5h
主人公の教師(?)への転職から学園に慣れ、特定のヒロインと付き合うようになってから3年生の卒業までの約半年ほどのイベントの数々が描かれており、その間に選択肢によって変化する各ヒロインシナリオがその都度挿入される形となっている。
シナリオの内容に関してはかなり当たり障りなく一般的なハーレム系作品に近いものではあるものの、、序盤に実技講習という名のマッサージを各ヒロインから受けることとなり、マッサージの説明をされながら凝りに凝った効果音で表現されるそれらの動作は一つのコンテンツとして認めざるを得なくなるレベル。


七條彩音 キャラクター しろくまだんご
七條 彩音√ 【 S- 】  1-2h
現3年生で学院理事長の娘で生徒会長。
マッサージに関しては実店舗で働けるほど上手。
転校(通勤)当初のハプニングがあったためか主人公に対し非常にあたりが強く、主人公も「苦手」と公言しているほど。
キツイ一面もある反面、他のヒロインにも影響を与えるほど周りからは愛されている。

いつも人のために努力を重ねる姿を見て、主人公の彩音への印象が変わった結果、各イベントで気にかけるようになり――という流れの個別√。
順当に付き合いイチャイチャするだけの内容となっている。
個人的にはもう少しマッサージに関しての+αか効果音を活かせるシーンがほしかったところ。


猪熊乃々香 キャラクター しろくまだんご
猪熊 野乃香√ 【 S- 】  1-2h
野外活動部所属の1年生。
自他ともに認める音フェチで、癒しの環境音を求めてどこへでも向かってゆく。
いつも元気で明るくい性格。主人公にも最初からフランクに接しており「モル(モット)先生」と呼んできていた。マッサージに関しては親戚の整骨院で修行中。

個別シナリオに関しては他キャラ同様の流れとなっており、特筆すべき点はあまりない。
元気で何事にも真っすぐな野乃香が描かれているほか、√中には耳かきシーンが存在。


雪城まりも キャラクター しろくまだんご
雪城 まりも√ 【 S 】  1-2h
シエスタ部に所属する学院の二年生で、姉に教師の雪城環がいる。
ゆったりとしたしゃべり方をするヒロイン随一の癒し系で、絵本を読みながらの寝かしつけを得意としているが、同時に自分も寝てしまうことが多いらしく、それ以外でもよくいろいろなところで寝ている。

個別シナリオでは癒し系の本髄とでもいうべきか、絵本での寝かしつけシーンや姉妹での耳かきなどなどが用意されており、CV遠野そよぎを余すところなく使用した内容となっている。また、彼女の魅力として挙げられるあふれんばかりの母性的な部分が表現されているシーンが多いことも付け加えておく。


黒崎幸枝 キャラクター しろくまだんご
黒崎 幸枝√ 【 S- 】  1-2h
学院の一年生。海邊と共に働くメイド喫茶「ゆめいろ☆うさぎ」では見習い。
イタズラ好きで何かと主人公の耳を攻めてくる。
本名で呼ばれるのが嫌いで、クロエと名乗っていることからもわかるが、重度の中二病で地味に生徒会長の座を狙っている。

個別シナリオでもイタズラ好きなところは健在。
ある意味最初から好感度がMAXな彼女だったので、その好意を抑えることなく行動に移した結果というような流れになっている。
マッサージ関連に関しての話題が最も薄い√でもある。


主人公
マッサージモデルとして学院に通うことになった主人公。
名前は自分で好きに決められる初期設定は『主人公』。
ブラック企業で働いていたが体と心が限界を超え、仕事を辞めて無職になっていたところを『七條サロンアーツ学院』の理事長に拾われた。
基本的に普通の人ではあるものの、誘惑などには少し弱い面がある様子。

【推奨攻略順 : 幸枝→野乃香→まりも→彩音 】
攻略順に特に指定はない。
ヒロイン個別√以外にノーマルEDや未読シナリオも多数存在するため注意。


CG : 【 S 】
しっかりとした線で濃い塗りの絵。
立ち絵に関しては完成度も高く、全体的に美麗と言ってよく
SD絵は非常に丸みを帯びた絵になっており、こちらもテイストは違うがよくできている。


音楽 : 【 S 】
BGM17曲、Vo曲2曲(OP/ED)という構成。
OPはあべにゅうぷろじぇくとがプロデュースした電波曲で、歌うのは幸枝のCVも担当した伊ヶ崎綾香さん。BGMは数こそ少ないものの全体的に穏やかなものが多いイメージ。

ここで特別に特筆しておきたいのは『声』と『効果音』について。
全編バイノーラル収録という点については嘘偽りなく、質も非常に高かったといえる。
それを活かせるシーンというのもマッサージシーンのみならず、Hシーン等でも効果的に使えてたイメージがある。
何よりも効果音はマッサージシーン用のもの意外にも非常にこだわっていた。
この辺りに関しては高評価以外の何物でもない。
耳に息を吹きかけられる感覚は主人公でなくても効果を感じられるだろう。


お勧め度 : 【 S+ 】
癒しをメインに置いた作品ということもあり、全編バイノーラル録音の臨場感は他の作品にない魅力と言える。
様々な音を癒しのコンテンツとした作品は数多く発売されており、そういった作品の中でこの作品はADV業界に一石を投じた作品と言ってもよく、癒されたい方やCV等の音声・効果音等に興味のある方にはぜひおすすめしたい作品。
しかしながら、ADVの中に落とし込んでしまうことで音声的に犠牲にした部分も多くみられ、どうしても完璧な癒し作品には一つ届かないところがあるようにも思える。
またシナリオに関しても改善すべきところも多くそういった点を鑑みるとどうしてももう一歩足りない評価となってしまっている。


総合評価 : 【 S 】
効果音に重点を置いた珍しい作品ではあるものの、シナリオ等を鑑みて全体的に抑えめの評価となっている。


(ぶっちゃけコーナー)
多くの音声作品を生み出してきた、『シロクマの嫁』の伊ヶ崎綾香プロデュースの作品。
伊ヶ崎綾香さんはそれだけではなく、クロエ(幸枝)のCVやOP・EDの歌手としても登場している。
音声作品を多く生み出してきた方の作品ということもあり、効果音や環境音にこだわったつくりとなっているのはもちろんなんだけど、なんていっても全キャラクターCVがバイノーラル録音になっているという点。
こういう作品は一部なら今までも見てきてたんだけど、エロ重視の作品だったりとどうしてもうまく扱いきれていないイメージがあったんだよね。
そういう意味では今回は結構期待した作品だったんだけど、満足させてくれる部分もあれば物足りない部分もあったというのが正直な感想。
シナリオについては言うまでもなく簡素の一言。
せっかく新しい舞台なのだから、せめてもう少し中身がほしい所。
また、バイノーラル録音を活かしたシーンが多いのは事実でやはりそういったところはすごく新鮮に感じるのだけれども、だからこそマッサージ等の癒しを前面に押し出したシーンではもうすこし力を入れこんでほしかった。
自分自身が音声作品をいくつか体験しているからこそ、まだまだ上の音があると思ってしまうがゆえに期待しすぎてしまったというところだろうか。
評価自体は高くしてないんだけど、期待値ということであれば同会社の作品に一層の期待はしたくなる…そんな作品でした。
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[レビュー]殻ノ少女の感想
2017-07-20 Thu 00:00
<作品名>     殻ノ少女
<製作会社名>   Innocent Grey


殻ノ少女
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シナリオ : 【 S+ 】
終戦後の東京が舞台の本作品、「カルタグラ ツキ狂イノ病」の続編にあたる。
ある春の日に井之頭公園で出会った朽木冬子という女学生から「私の正体を探ってほしい」という依頼を受けるところから物語は始まり、作中では2度の大きな猟奇殺人事件に立ち向かうことになる。

エンディングとしては5種類。
BAD√ENDも含めるとさらに数は増え1つの事件に対しての分量も非常に多い。
しかしながら共通部分が多くあるため2週目以降からはかなりの速度で攻略が可能となっており、全体的なシナリオ量としては一般作品と同程度と見積もってもよいだろう。

作品はシナリオパートの中に時折MAP選択や操作パート、推理パートなどの選択シーンが登場し、作品の中での展開等を大きくつかさどる重要な部分となっている。
自分が推理しなくてはならないため作品への没入感は高まるのだが、どうしても展開のテンポは悪くなるため諸刃の剣ともいえるだろう。システム面が整備されていないため今作では後者の効果がより色濃く出た印象がある。

シナリオとしてはまさしく推理小説というべき物。
どうしても行動の理由としても甘い部分があったり、展開の強引さがみられる部分はあったものの、発生した悲惨な猟奇殺人を解決していくことで明らかになる入り組んだ人間関係やそれぞれの思惑、そして描かれる心理描写はほかの作品では得難いものだと言える。
その中でも特にメインヒロイン枠である「朽木冬子」の心情を考えると、彼女とのシーン、とくに言葉のやり取りや細かい描写については思わず涙してしまう人もいるだろう。

どのエンディングに関しても2つの事件のおおすじに関しては変わる事無く、関係人物の顛末(生死を含む)が変化するものとなっている。
その中でのシナリオなのでどうしても変化に乏しいように思えるのだが、周回をこなしエンディングを経るごとで分かっていく登場人物の心や行動の理由等には感じられる人にとっては深い意味を持つ。
とあるエンディングのみ最後のEDにて「瑠璃の鳥」が流れるのだが、その時自然と流れる涙はどういった経緯のものなのか自身でも説明しがたいものがある。


[ 主人公 ]時坂 玲人
新宿で探偵業を営む今作の主人公。
本作の六年前に起きた「六識事件」で恋人を失っている。
作中では成り行きで女学校にて歴史学の教師として教鞭を振るうことも。

CG : 【 S 】
2008年ということで少し昔の作品になるが、線が細く濃い塗りで描かれたイベントCGは繊細でいつまでも輝きを失わない。
バランスの危うさや、古さは感じるもののハッとする美しさを感じることも多い。
また作中には大量のグロCGも存在するので注意。

音楽 : 【 S++ 】
BGM26曲、Vo曲1曲(テーマ曲)という構成。
BGMとしては作風もあってか暗い曲や落ち着いた曲が目に付くが、一曲一曲の旋律がとても強く印象に残る。
そして何よりもEDとして使われている「瑠璃の鳥」の威力。
イントロのサックスは今なお褪せず、鮮烈な印象を与える霜月はるかさんの名曲。根強い人気のあるこの曲の評価は最高ランク。

お勧め度 : 【 S 】
推理・サスペンス物が好きな方にはお勧めしやすい過去の名作。
グロシーン等があるので苦手な方は注意。
また余裕があるのならこのシリーズはきちんとしたプレイ順があるので注意しておきたい。

総合評価 : 【 S 】
Innocent Grey発の名作であり、数少ない推理物作品の一つ。
特に心理描写に重きを置いている作品でもあるので、その質も考慮してこの評価。

(ぶっちゃけコーナー)
殻ノ少女シリーズという、「殻ノ少女」→「虚ノ少女」→「第三作目」の1作目にあたる作品であり、上記で説明した「カルタグラ」の舞台から4年後の作品。
作中にはカルタグラ関連の人物も数多く登場しており、しっかりとプレイしておきたいのならばそこからプレイするとよいだろう。
基本的には推理小説のような作品なのだが、各キャラクターの心理描写に非常に重きを置いているため男性だけではなく女性にも人気が高いだろうと思われる作品(というより、お勧めしたい)
完成度という意味でも高く、グロ耐性があるのならばぜひプレイしてほしい。
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[レビュー]想いを捧げる乙女のメロディーの感想
2017-07-06 Thu 00:00
<作品名>     想いを捧げる乙女のメロディー
<製作会社名>   ensemble



想いを捧げる乙女のメロディー
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キャラクター・シナリオ : 【 S 】
安定の女装主人公作品であり、「女装」に加え「教師 兼 生徒」という要素を加えつつ、シュールフェストという名の学園祭(音楽祭)に、奏者としてだけではなく、調律師や運営など様々な立場から関わってゆくことになる作品。
なお、舞台となるリーリエ学園は同会社作品と同世界ということで、一部で関連した話が出てくるところもある。

どのルートにおいても基本的にはシュールフェストの終了時点までを描いている。
また、琴音/瑞穂/千夏√においてはシュールフェストに加えて野外フェスも同時に行われることになり、その部分で共通ルートは大きく√が分かれている。

女装物主人公として「教師」という新要素が加えられており、その部分に関してはシナリオ的な新鮮さはあるのだが、問題点としてはかなり√が短いというところだろうか。
どうしてもキャラ数が多くなるため、書き込むのが難しいのかもしれないが、各ルートの良さというものが伝わる前に終わってしまうイメージが強く。
ただ、好きになりシュールフェストが行われ終わる…という一連の流れを繰り返しているだけの印象を受けてしまうことが多かった。
特にシュールフェストに関しては主人公の夢も交えており、物語を構成するうえで欠かせない大切な要素ともいえるのでしっかり書き込んでほしかったが、本当に5分以下で終わってしまうことが多いのが残念。


omo (1)
【 主人公 】雨桜 みさき√
今作の女装主人公であり、リーリエ女学園の音楽教師 兼 2年生。
ドイツの音楽学校に留学していたが、シュールフェスト(※学園祭)でしか弾けないという父の手掛けたピアノを弾くため、産休に入った姉の代わりに音楽教師としてリーリエ女学園に赴任することになった。
シュールフェストでは「アインス」のピアノ担当として参加。
物腰は柔らかいが、音楽に関しては努力を忘れない人。
よく大浴場の欲望に負けて身バレを起こす。


omo (5)
水澤 沙耶香√ 【 S 】 攻略時間 : 1-2h
主人公と同じ『アインス』に所属しており、ヴァイオリン担当の2年生。
心優しくそれでいて行動力や周囲への気配りもできる女の子。
個別ルートではシュールフェストに向けて頑張る中で女の子姿の主人公に好意を抱くことになる。
展開的にも最もスタンダードであり、シュールフェストにおいては主人公の心情も含めて最も書き込みがなされていた√でもある。(他の√は一瞬で終わるので…)
終盤の展開についてのみかなりサクッと終ってしまう印象が強い。


omo (2)
園谷 千夏√ 【 S 】 攻略時間 : 1-2h
主人公と同じ『アインス』に所属しており、ヴィオラ担当の2年生。
明るく元気なキャラクターとして描かれており、主人公の女装の協力者の一人でもある保険医「園谷 千春」の妹であることからお茶目な一面も。
個別ルートでは男姿の主人公に惚れるシーンから始まり、学園では音楽のパートナーとして、恋愛では身分を隠して関係を深めていく展開になる。
数少ない夢破れる√であり少々悲しい展開もある…が、やはりサクっと終わる。
工夫次第では一番泣きやすかったであろう√。


omo (6)
野々宮 美亜√ 【 S 】 攻略時間 : 1-2h
主人公とはライバルの『ツヴァイ』に所属するピアノ担当の2年生。
人に対して壁を作る傾向があるツンデレタイプ。特にライバルである主人公には強い対抗心を持っているが、その分情が強く、また心が脆い一面も持つ。
全ヒロインの中で唯一、女性の「みさき」に惚れるシチュから始まる個別ルートでは、ピアニストとしてお互いを高めつつ二人でシュールフェストへ向けて頑張るところを中心として構成されている。
それ以外の見どころは少ないのだが、蘭が輝く数少ない√ではある。


omo (3)
秋月 瑞穂√ 【 S 】 攻略時間 : 1-2h
昨年は生徒会長も務めていたヒロイン唯一の3年生。
包容力が強くいわゆるお姉さんキャラ。
基本的にはリーダーシップをとって裏方を指揮している。
個別ルートでは『シュールフェスト』においてカルテットとして頑張る一方、野外フェスの運営を行いつつ、さらには彼女の過去を絡めた話になっている。
重要な所のみで作ったようなシナリオなのでどうにも薄く感じるが、その分余計なシナリオはない。


omo (4)
小石川 琴音√ 【 S 】 攻略時間 : h
学園の楽器一切の調律を担当しているヒロイン唯一の1年生。
ひたむきに頑張れる努力の人というイメージで、そのほかの印象が何故か薄い。
たまにグルグル眼鏡をかけており、桜花女学園(※同会社作品『桜舞う乙女のロンド』の舞台)に在籍している小石川珠音の親戚。
個別ルートでは調律を行う彼女として自身の夢に向かって頑張る内容となっている。
話をあまり広げることはせずに全体をサクっと終えてしまい、終盤の盛り上がりシーンに関しても琴音がサクっと何とかしてしまうので感慨なく終了するイメージ。


【推奨攻略順 : 琴音→瑞穂→千夏→美亜→沙耶香 】

CG : 【 S 】
線が細く、独特のテカリがある絵。
イベントCGとしては時折バランスの危ういものがあったりはするものの、中には綺麗と思えるものも多く、総じて高品質と言って差し支えない。
立ち絵に関してもそうなのだが、今回は特に各CGや立ち絵に関しての質の差のようなものが見られたという事だけ付け加えておきたい。

音楽 : 【 S 】
BGM18曲、Vo曲2曲(OP/ED)という構成。
「月夜のソナチネ」等を代表として全体的に穏やかなBGMが目立つ今回の作品はシナリオ量的には十分な量ともいえるのだが、一般的な作品からすると、もう少しBGMを用意してほしかったような気がする。
OP「eyes to eyes」は安定のDucaさんで、はっきりとして勢いのある良曲。

お勧め度 : 【 S 】
いつものensembleよりさらにシナリオが薄くなったイメージ。
この作品にシナリオの内容ではなく、「女装主人公」という要素を求めている人にとっては変わらない品質なのでこの評価。


総合評価 : 【 S 】
可も無く不可もなくといったところ、やはりもう少しアレンジがほしいところ。

(ぶっちゃけコーナー)
本当にいつも通りの作品ではあったんだけど、やっぱシナリオ短いなぁ…。
頑張ってやれば1日で終わってしまうレベルだったのは久しぶりかもしれない。
それだけシナリオが薄いっていうことで…そうなると会社の主力である女装主人公作品としては少々不安になってきそう。
なかなか真似できない強みではあると思うんだけど、やっぱりマンネリは防ぎたい。
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遥かに仰ぎ、麗しの のレビュー
2008-10-20 Mon 00:02
<作品名>    遥かに仰ぎ、麗しの
<製作会社名>  PULLTOP

シナリオ
S-
本校と分校ルートで意見が分かれるこの作品。
ルート数が忌避ほん的に多く、結構な長さ…。

CG
S
やわらかい印象を受ける絵。
本当に全体的に上手くなってバランスが良くなったと思う。

音楽
S-
OP曲は最初気に入らないかもしれない。しかし長く聞けば聞くほど、いいものになる。
さらにいいのは最終END曲。

お勧め度
S+
ルートが結構な量あり、どれかは当てはまると思う。

総合評価
S
自分が一番気に入ったのは邑那ルート。
最後は鳥肌だった。
全ルート自分の泣き…とは別ベクトルだった。
しかし、気に入るルートは見つかるし、どのルートも平均値くらいのものはある。
それをこの量そろえたのだから、評価は少し高め。
そして、この作品を通してやってきたことがよみがえり、最後のEND曲をきいて、うるっと来るかもしれない。

(追記あらためぶっちゃけコーナー)
主人公が教師・物語が大きく二つに分かれている…という特徴を持つゲーム。
その他は案外王道系の√がおおいので、目を引く、と言う意味ではあまり目立たない作品に入るかもしれない。
泣きゲー・萌えゲーに分類することは可能かも?
それでもふんわりとした学園物は数が少ないので、貴重。
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